「友引(ともびき)」の意味|して良いこと、避けるべきことは?

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「友引」です。

言葉の意味・避けるべきこと・やって良いこと・使い方・対義語・英語訳・六曜についてわかりやすく解説します。

☆「友引」をざっくり言うと……

読み方友引(ともびき)
意味陰陽道(おんみょうどう)で、勝負をしても勝ち負けが決まらないとされている日・朝晩は吉だが昼は凶の運勢である日
避けるべきこと葬式
11~13時の間に何かを行うこと
やって良いこと結婚式
結婚関係のその他の行事
お通夜
法事
お参り
納車
引っ越し
お見舞い
お祝いを渡す
契約関係のこと
宝くじの購入
対義語赤口
英語訳A day that is good luck in the morning and evening, bad luck noon(朝と晩は運勢がいいが、昼は運勢がよくない日)

「友引」の意味をスッキリ理解!

友引(ともびき):陰陽道(おんみょうどう)で、勝負をしても勝ち負けが決まらないとされている日・朝晩は吉だが昼は凶の運勢である日

「友引」の意味を詳しく

「友引(ともびき)」とは、「陰陽道(おんみょうどう)で、勝負をしても勝ち負けが決まらないとされている日・朝晩は吉だが昼は凶の運勢である日」のことです。

「友引」の決まりごと

「友引」には主に以下のような決まりごとがあります。

  • 朝晩は吉だが昼11~13時は凶の運勢である日
  • 勝負の勝敗がつかない日
  • 葬式は避けるべき日

この中でも大切なのは、昼の正午の前後1時間は運勢が凶であることです。

友引は何かを行うのに悪い日ではありませんが、11~13時の間に行うのは避けるべきだとされています。

そして、「友引」は「友を引く」の意味から、友と自分に同じことが起こる日とされています。

そのため、基本的に「友引」にお祝い事をするのは歓迎されますが、葬式など弔事は避けるべきとされています。

「友引」の読み方

「友引」は「ともびき」と読むのが一般的です。

「友引」は昔は「何事も勝負がつかない日」という意味で「共引」と表記されていたからです。

ゆういん」と読まれる場合もあります。

「友引」の表記

「友引」は「六輝(ろっき)」「宿曜(すくよう)」と表記されることもあります。

陰陽道とは?

「陰陽道」とは、「日本で発展した天文・暦・呪術・占星などの占いの教え」のことです。

中国の陰陽五行説などがもとになっていますが、そこに神道や仏教、修験道などの影響が加わって日本で独自に発展しました。

「陰陽道」を代表する安倍晴明のイメージで、呪術や呪いなどの怪しい印象を持っている人も多いかもしれませんが、天文学や暦なども含まれる伝統的な学問です。

「友引」に避けるべきこと

「友引」は大まかに言うと、不幸にまつわる行事は避けるべき日です。

具体的に「友引」に避けるべきことは以下のとおりです。

  1. 葬式
  2. 11~13時の間に何かを行うこと

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

避けるべきこと①:葬式

「友引」に一番やってはいけないことは葬式です。

「友引」に葬式を行うと、「亡くなった方が生前仲良しだった人を連れて行ってしまう」という考え方があるからです。

そのため、葬儀屋や火葬場などは「友引」を定休日にしている場合もあります。

実は、仏教では「友引に葬式をしてはいけない」という教えはありませんが、陰陽道では「友引」に葬式を行うべきではないとされています。

 

これを尊重して、寺などでも基本的に「友引」に葬式は行いません。

ちなみに、詳しくは下で解説しますが、似た行事であるお通夜、法事は「友引」に行っても問題ないとされています。

「友引」に葬儀をする時の対処法

日程の関係上、どうしても「友引」に葬儀をしなければならない場合、「友引人形」が使われます。

「友引人形」は棺に入れることで、故人が親しい人の代わりに連れて行くと言われています。

ただ、「友引人形」の文化は地域によってない場合もあります。

避けるべきこと②:11~13時の間に何かを行うこと

「友引」では11~13時の間は運勢が凶なので、何事でも11~13時に行うのは避けるべきとされています。

「友引」にやって良いことは多いですが、11~13時の間に行うのは避けるようにしましょう。

「友引」にやって良いこと

「友引」にやって良いこととしては以下のようなものが挙げられます。

  1. 結婚式
  2. 結婚関係のその他の行事
  3. お通夜
  4. 法事
  5. お参り
  6. 納車
  7. 引っ越し
  8. お見舞い
  9. お祝いを渡す
  10. 契約関係のこと
  11. 宝くじの購入

ただ、それが何であれ、11~13時の間に行うのは避けるべきと言われているので注意が必要です。

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

やって良いこと①:結婚式

「友引」は一番運勢が良いと言われる「大安(たいあん)」の次に結婚式を行うのに適していると言われています。

「友引」は友と自分に同じことが起こる日なので、結婚式を行うと出席者に幸せをおすそ分けできるとされているからです。

ただ、11~13時の間は避けるようにしましょう。

やって良いこと②:結婚関係のその他の行事

結婚式以外の、結婚関係のその他の行事も「友引」に行うのが良いとされています。

具体的に、「友引」に行って良い結婚関係の行事は以下のとおりです。

「友引」に行って良い結婚関係の行事
  • プロポーズ
  • 入籍
  • 結婚式の招待状の送付
  • 結婚内祝いの送付
  • 引き出物の送付

送付することについては、送付する日を「友引」にするのが良いとされています。

受取日は指定できない場合は特に意識する必要はないでしょう。

やって良いこと➂:お通夜

「友引」に葬式をするのは避けたほうが良いですが、お通夜はしても問題ないと考えるのが一般的です。

お通夜は本来、「動物や悪霊から死体を守るため、葬儀を行う前夜に火をともし続ける」行事であり、亡くなった方とお別れをする日ではないからです。

そのため、葬儀さえ「友引」から外せば、「友引」にお通夜をしても問題ないのです。

やって良いこと④:法事

四十九日、三回忌などの法事も「友引」に行って良いとされています。

本来、「友引」は陰陽道の考え方であり、仏教と関係がないからです。

参列できる人が多いのであれば、「友引」に法事を行っても問題ないでしょう。

ただ、「友引」は「友に不幸を呼び寄せる」日でもあるため、「友引」に法事を行うのは避けたがる人もいます。

やって良いこと⑤:お参り

お参りも「友引」にやって良いとされています。

寺や神社は陰陽道とは関係がないからです。

お参りする機会には以下のようなものがありますが、どれも「友引」に行って問題ありません。

お参りする機会
  • ふつうのお参り
  • お宮参り(赤ちゃんが生まれてから約1ヶ月後に参拝する行事)
  • 七五三
  • 厄払い
  • お祓い
  • 安産祈願(妊娠五ヶ月目の戌の日に参拝する行事)

どうしても気になる場合は、11~13時の間を避ければ問題ありません。

やって良いこと⑥:納車

修理・車検・購入などが終わった車を購入者に納入することを表す納車も、「友引」に行って良いとされています。

凶の時間である、11~13時の間に行うのは避けたほうが良いでしょう。

ただ、「友引」は「友を轢(ひ)く」に通じるので、「友引に納入するのは避けるべき」と考える人もいます。

やって良いこと⑦:引っ越し

引っ越しも「友引」に行って良いとされています。

他の行事と同じように、引っ越しの場合も11~13時の間は避けたほうが良いです。

なお、六曜が「友引」だったとしても、選日の三隣亡の場合は引っ越しを行うべきではありません。

三隣亡とは、引っ越しをすると、3軒先まで全焼する火事が起こるとされている日です。

やって良いこと⑧:お見舞い

お見舞いも一般的に「友引」に行って良いとされています。

ただ、「友引」に勝負事を行うと勝負がつかないことから、「病気と引き分ける」ということにつながるため、「友引にお見舞いをするべきではない」と考える人もいます。

縁起を気にする人や昔ながらの考え方をする人が入院している場合は、「友引」にお見舞いしても良いか聞いてみましょう。

もちろん、お見舞いの場合も11~13時に行うのは避けましょう。

やって良いこと⑨:お祝いを渡す

「友引」はお祝いを渡すのに適した日とされています。

「友引」は幸せをおすそ分けできる日とされているからです。

特に直接お祝いを渡しに行くのであれば、「友引」が良いでしょう。

やって良いこと⑩:契約関係のこと

契約関係のことも「友引」に行って問題ないとされています。

契約は大安や天赦日や一粒万倍日に行うのが一番良いのですが、予定が合わない場合には「友引」に行っても良いでしょう。

この場合も、凶の時間帯である11~13時は避けるようにしましょう。

やって良いこと⑪:宝くじの購入

宝くじの購入も「友引」に行って問題ないことのひとつです。

凶の時間帯の11~13時は避けましょう。

ちなみに、「友引」は夕方がもっとも運勢が良いとされているので、夕方に宝くじを買うと良いでしょう。

「友引」の使い方

  1. 挙式は来週の友引の日に決めました。
  2. 友引には、葬儀は避けたほうがよいでしょう。
  3. 友引の日には、結婚式場は予約でいっぱいになる。

「友引」の対義語

「友引」には以下のような対義語があります。

  • 赤口

六曜のひとつに「赤口」があります。「赤口」は、「全体の運勢は凶」ですが、「11時から13時の間は吉」となっています。

これは、「全体の運勢は吉」で「11時から13時の間は凶」とされている「友引」の反対であると言えます。

「友引」の英語訳

「友引」は日本独自の考え方ですので、ピッタリ当てはまる英語訳はありません。

どうしても英語圏の人に「友引」を理解してもらいたい場合は、以下のように説明すると良いでしょう。

  • A day that is good luck in the morning and evening, bad luck noon
    (朝と晩は運勢がいいが、昼は運勢がよくない日)

「六曜」とは?

「六曜」は、その「陰陽道」の中の暦の考え方です。

「六曜」は、その日の運勢や、その日が行事に適しているかどうかを表す考え方で、以下の6種類を曜日のように繰り返します。

  • 友引(ともびき):勝負の決着がつかない良くも悪くもないとされる日
  • 先勝(せんしょう):早くことを済ませてしまうことが良いとされる日
  • 先負(せんぶ):急用は避けるべきとされる日
  • 仏滅(ぶつめつ):何事もうまくいかないとされる日
  • 大安(たいあん):万事進んで行うのに良いとされる日
  • 赤口(しゃっこう):正午の前後を除いて凶日とされる日

ただし、旧暦における1日は、どの種類になるか月によって固定されているので、そこだけ順番が前後します。

それぞれの六曜について詳しく見ていきましょう。

「友引」の意味

先ほどからも解説している通り、「友引」は勝負の決着がつかない、良くも悪くもない日です。

全体的に運勢は良いですが、11~13時の間は凶の時間帯とされています。

凶の時間帯を避ければたいていのことは行って良い日ですが、葬式だけは避けるべきとされています。

「友引」の運勢
~11時
11~13時
13時~

「先勝」の意味

「先勝」は早くことを済ませてしまうのが良いとされる日です。

急用の処理や訴訟に適した日と言われています。

運勢は午前中は吉ですが、午後は凶と言われています。

「先勝」の運勢
~12時
12時~

「先勝」の意味とは?読み方は?使い方から英語までわかりやすく解説

「先負」の意味

「先負」は急用は避けるべきとされている日です。

訴訟なども避け、平穏に過ごすのが良いとされています。

運勢は午前中は凶、午後は吉になります。

「先負」の運勢
~12時
12時~

「先負(せんぶ)」の意味|して良いこと、避けるべきことは?

「仏滅」の意味

「仏滅」は何事もうまくいかないとされている日です。

何事を行うにも凶だとされる日ですが、葬儀は行っても良いと考える人が多いです。

「仏滅」の運勢
一日中

「大安」の意味

「大安」は何をするにも良い日とされています。

特に結婚式などのお祝い事は「大安」にしたいと考える方が多いです。

「大安」の運勢
一日中

「大安」の意味とは?読み方は?英語や類義語までわかりやすく解説

「赤口」の意味

「赤口」は正午の前後を除いて凶と言われる日です。

具体的には11~13時の間は吉ですが、それ以外の時間帯は凶になります。

特に契約や訴訟は避けるべきとされています。

「赤口」の運勢
~11時
11~13時
13時~

まとめ

以上、この記事では「友引」について解説しました。

読み方友引(ともびき)
意味陰陽道(おんみょうどう)で、勝負をしても勝ち負けが決まらないとされている日・朝晩は吉だが昼は凶の運勢である日
避けるべきこと葬式
11~13時の間に何かを行うこと
やって良いこと結婚式
結婚関係のその他の行事
お通夜
法事
お参り
納車
引っ越し
お見舞い
お祝いを渡す
契約関係のこと
宝くじの購入
対義語赤口
英語訳A day that is good luck in the morning and evening, bad luck noon(朝と晩は運勢がいいが、昼は運勢がよくない日)

「友引」は、行事を行う際に大切になる考え方なので、しっかりと覚えておきましょう。