四字熟語「月下氷人(げっかひょうじん)」の意味と使い方:例文付き

言葉

今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「月下氷人(げっかひょうじん)」です。

言葉の意味・使い方・由来・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

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「月下氷人」の意味をスッキリ理解!

月下氷人(げっかひょうじん):結婚の仲立ちをする人

「月下氷人」の意味を詳しく

月下氷人は、男女の縁を取り持ち、結婚の仲立ちをする人を表します。

このような立場の人は仲人(なこうど)とも呼ばれます。結婚の証人となり、新郎新婦二人の間だけなく、両家の間をとり持つ役割も担うのです。挙式の際はもちろん、婚姻後も後見人(こうけんにん)として、二人の精神的な支えとなる重要な役割です。

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「月下氷人」の使い方

  1. 結婚することになったので、あなたに月下氷人をお願いしたいと思います。
  2. 結婚しない若者が増える世の中で、月下氷人と呼ばれる人は珍しい。
  3. 私の両親の月下氷人は、会社の上司であると聞いている。

「月下氷人」の由来

「月下氷人」は、「月下老人」と「氷上人(ひょうじょうじん)」の二つの熟語を合わせてつくられた語です。中国ではそれぞれ別の語であり、月下氷人という語は使われていません。

以下、「月下老人」と「氷上人」のそれぞれの由来を解説します。

「月下老人」の由来

まず、「月下老人」の由来を紹介します。出典は『続幽怪録(ぞくげんかいろく)』の「四」です。

唐の時代、韋固(いこ)という若い男が旅をしていました。

ある晩、彼が街を歩いていると、寺の門の前に一人の老人がいるのを見かけました。その老人は、月光の下で一心に本を読みふけっていました。老人のそばには大きな布の袋が置いてあり、中には赤い糸がたくさん入っています。

韋固は老人に興味がわき、「おじいさん、そんなに夢中になって、何を読んでいるのですか」と尋ねました。老人は「この世の男女の縁組み帖を見ているのです」と答えました。

 

韋固はより一層老人に興味を持ち、「では、袋の中のたくさんの赤い糸は何に使うのですか」と尋ねました。

老人は微笑んで、「この赤い糸は、夫婦になるはずの男女の足首を結び合わせるために使うのです」と答えました。老人は現世の人々の結婚の運命をつかさどっているといいます。

死後の世界で男女の結婚が決まると、老人がこの布の袋をこの世に持って来て、男女の足首に決して切れない赤い糸を結ぶのです。老人によると、この赤い糸で結ばれた男女は、たとえ遠く離れていても、境遇が違っても、永遠に連れ添うことになるということでした。

韋固は老人が自分をからかっていると思いましたが、以前から縁談に失敗し続けているため、目先の縁談がうまくいくかどうかを尋ねました。しかし老人は、韋固は既に別の人と赤い糸が結ばれているため、その縁談は破談すると断言しました。

 

「では、自分の赤い糸の先にいるのは誰なのか」と聞くと、老人は無言のまま本と布袋を片付けて、隣町へ向かいました。

隣町に着くと、3歳くらいの幼い女の子を抱いた、目の不自由な女性が前から歩いてきました。老人は女性を指差し、韋固に「あの女性が抱いている女の子が、あなたの将来の妻になる」と言いました。

韋固は老人が自分を侮辱(ぶじょく)しているのだと思い、腹を立てます。そこで、宿へ帰り、召使いにその幼い女の子を殺すように命じました。召使いは命じられたまま、その女の子をナイフで刺して逃げました。

そのあと、韋固は老人を探しましたが、老人の姿はもうどこにもありませんでした。

 

韋固は誰との縁談もまとまらないまま、14年が経ちました。

相州(そうしゅう)で役人になった韋固は、兵隊を率いて戦に勝ち、手柄を立てました。その褒美として、相州の長官である王泰(おうそう)の娘を妻に迎えることになったのです。

王泰の娘は大切に育てられた素敵な女性で、とても美しいのですが、惜しいことに眉間に傷痕がありました。

不思議に思った韋固は、王泰にそのことを尋ねます。

 

王泰は話すのも腹立たしいという表情で、「14年前、ある保母(ほぼ)が私の娘を抱いて歩いていたとき、男が突然現れ、理由もなく娘を刺したのだ。幸い命には別状がなかったものの、あのように傷跡が残ってしまった」と話しました。

韋固は「まさか彼女が本当に、召使いに殺すように命じたあの女の子ではあるまい」と思いながらも、王奏に「もしや、その時の保母は、目が不自由な女性ではありませんでしたか」と聞きました。

王奏は驚き、その通りだと答えます。

韋固は驚きながらも、14年前に老人に会ったことの一部始終を話しました。王奏も信じられない様子でした。

 

この出来事により、韋固は月下の老人の話が、決して冗談ではなかったのだとはっきり分かったのです。そして、自分たちの結婚は、本当に神が定めたものだと信じるようになりました。韋固とその妻は、この縁をより一層大事にして暮らすようになり、相思相愛で幸せな生涯を送りました。

この言い伝えによって、人々は赤い糸を結婚の象徴と信じ、結婚の仲立ちをする人を「月下老人」、略して「月老」や「月下」と呼ぶようになったのです。

「氷上人」の由来

次に、「氷上人」の由来を紹介します。出典は『晋書』「索紞伝(さくたんでん)」です。

晋の時代、令孤策(れいこさく)という男がいました。彼はある日、氷の上に立ち、氷の下の人と語り合うという不思議な夢を見たため、占いの達人である策耽(さくたん)に夢占いをしてもらいます。

策耽は、「氷の上は陰、つまり男性を表します。また、氷の下は陽、つまり女性を表します。陰陽が話し合ったのですから、あなたは近いうちに結婚の仲立ちをするでしょう」と予言しました。

その後すぐ、策耽の予言通り、令孤策はある結婚の仲人を頼まれました。その婚姻が無事に成立したことから、婚姻の仲立ちをする人を「氷上人」、略して「氷人」と呼ぶようになりました。

 

以上二つの由来から、「月下」と「氷人」は、どちらも「婚姻の仲立ち」を表していることがわかります。この二つの熟語を合わせてうまれたのが「月下氷人」なのです。

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「月下氷人」の類義語

月下氷人には以下のような類義語があります。

  • 月下老人(げっかろうじん)

「月下氷人」の英語訳

月下氷人を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • go between
    (~の間の仲立ちになる)
  • matchmaker
    (結婚の仲人)
  • cupid
    (恋愛の神)

“go between” は、 “go-between” とすれば「仲介者」という意味の名詞になります。

“matchmaker” は、結婚の仲人の他に、ボクシングやレスリングの試合の組み合わせを決める人という意味ももちます。

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まとめ

以上、この記事では「月下氷人」について解説しました。

読み方 月下氷人(げっかひょうじん)
意味 結婚の仲立ちをする人
由来 「月下」の由来は『続幽怪録』の「四」、「氷人」の由来は『晋書』の「索紞伝」
類義語 月下老人など
英語訳 go between(~の間の仲立ちになる),matchmaker(結婚の仲人), cupid(恋愛の神)など

月下氷人は、二つの熟語から成り立っているため、一つの四字熟語から二つの意味を学ぶことができます。

結婚は、新郎新婦はもちろんのこと、月下氷人を務める人も幸せになれる大切なものです。素敵な月下氷人に出会えるといいですね。

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