今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「エンデミック」です。
「エンデミック」の意味、使い方、語源、類義語、類義語との違いについてわかりやすく解説します。
☆「エンデミック」をざっくり言うと……
英語表記 | エンデミック(endemic) |
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意味 | 感染症などの疾患が、一定の地域内で持続的、または定期的に発生している状況のこと |
語源 | 「風土病」の意味の英単語 “endemic” |
類義語 | エピデミック、パンデミック、風土病、地方病 |
このページの目次
「エンデミック」の意味をスッキリ理解!
「エンデミック」の意味を詳しく
「エンデミック」とは、感染症などの疾患が、一定の地域内で持続的、または定期的に発生している状況のことです。
日本語では「地域流行」と呼ばれることもあります。
「エンデミック」のポイントは以下の3つがあります。
- 世界的ではなく、特定の地域、エリアで流行していること
- 疾患の流行が慢性的に続いていたり、繰り返されたりしていること
- 爆発的な流行ではなく、予測できる程度の緩やかな流行であること
また、このような条件で流行している病気のこと自体を指すこともあります。
感染症と言うと、爆発的な流行を想像しがちですが、「エンデミック」の意味はそうではありません。
また、未知の病という意味もなく、むしろ特定の地域では日常的な病気というニュアンスです。
ただし、インフルエンザや風邪などは世界的に流行しているので「エンデミック」ではありません。
また、エンデミックの中でも、はっきりと特定の地域に強く限定されるような疾患のことは「風土病」と呼びます。
「エンデミック」の使い方
「エンデミック」には以下のような使い方があります。
- この病気はアフリカでエンデミックを起こしている。
- 世界的な流行なので、エンデミックではない。
➊の「エンデミック」は、「感染症などの疾患が、一定の地域内で持続的、または定期的に発生している状況」という意味で使われています。
➋の「エンデミック」は、「一定の地域内で持続的、または定期的に発生している疾患」という意味で使われています。
このように、「エンデミック」が「状態」という意味で使われているのか、「疾患」という意味で使われているのか判断しなければなりません。
「エンデミック」の語源
「エンデミック」の語源は英語の “endemic” です。
“endemic” には主に以下の3つの意味があります。
- (病気などで)地域特有の
- (動植物などで)その土地特産の
- 風土病
形容詞としても名詞としても使われます。
病気だけでなく、ある地域にしか生息しない動植物のことを指すこともあります。
英語では必ずしもマイナスの意味の言葉ではないのです。
「エンデミック」の類義語
「エンデミック」には以下のような類義語があります。
- エピデミック:一定の地域内で、感染症などの罹患(りかん)が通常の期待値を超えて急増する状況
- パンデミック:エピデミックとなった疾患が、一定の地域を超えた広範囲で同時に流行する状況
- 風土病:ある限られた地域の自然条件と住民の風俗,習慣などがあいまって起こる病気
- 地方病:「風土病」と同じ
パンデミックの詳しい説明はコチラ、エピデミックの詳しい説明はコチラをご覧ください。
類義語との違い
「エンデミック」と、「エピデミック」「パンデミック」の違いを見ていきましょう。
「エピデミック」との違い
「エピデミック」とは、一定の地域内で、感染症などの罹患(りかん)が通常の期待値を超えて急増する状況のことです。
「エンデミック」が予想できる範囲内であることに対して、「エピデミック」は、予想を超えた急激な流行を指します。
また、これまでその疾患の流行がみられなかった地域で、いきなり流行するという意味もあります。
「パンデミック」との違い
「パンデミック」とは、エピデミックとなった疾患が、一定の地域を超えた広範囲で同時に流行する状況のことです。
「エンデミック」が、特定の地域に限定されたものだったのに対して、「パンデミック」は「世界的な流行」を意味します。
順序としては「エンデミック」「エピデミック」「パンデミック」の順に進みます。
3つの違いについての詳しい記事はコチラです。
まとめ
以上、この記事では「エンデミック」について解説しました。
英語表記 | エンデミック(endemic) |
---|---|
意味 | 感染症などの疾患が、一定の地域内で持続的、または定期的に発生している状況のこと |
語源 | 「風土病」の意味の英単語 “endemic” |
類義語 | エピデミック、パンデミック、風土病、地方病 |
「エンデミック」は、類義語との違いが重要です。