「コンセントレーション」の意味とは?使い方から英語や対義語まで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「コンセントレーション」です。

「コンセントレーション」の意味・使い方・語源・類義語・対義語について分かりやすく解説します。

☆「コンセントレーション」をざっくり言うと……

英語表記コンセントレーション(concentration)
意味精神を集中すること
語源英語の “concentration”
類義語集中、一心、一意専心など
対義語漫然、散漫など

「コンセントレーション」とは?

コンセントレーション:精神を集中すること

「コンセントレーション」の意味を詳しく

「コンセントレーション」は、精神を集中することを意味します。また、「集中力」「集結すること」という意味もあります。

多くの場合、自分の意識が1つの対象に集まっている様子を表します。

 

企業のオフィスには、「コンセントレーションブース」が設置されることがあります。

「コンセントレーションブース」は、社員一人一人が自分の作業に集中するための場所です。多くの場合、机と机の間に仕切りがつくられ、半個室化されています。社員同士のコミュニケーションが遮断されているのが特徴です。

また、上腕二頭筋を鍛える「コンセントレーションカール」というトレーニングメニューがあります。ダンベルさえあれば、自宅でも手軽に取り組むことができます。

生物学・医学用語の「コンセントレーション」

生物学・医学用語の「コンセントレーション」は、濃度を意味します。

たとえば、「水に溶けた砂糖の割合」は、「砂糖水のコンセントレーション」と言い換えることができます。

「コンセントレーション」という名前がついた美容液も、販売されています。これは、有効成分が高い濃度で含まれていることを、消費者に伝えるためです。

研磨(けんま)用語の「コンセントレーション」

研磨とは、固体の表面を薄く削ることで、なめらかにする作業のことです。

研磨用語の「コンセントレーション」は、「研磨剤中の砥粒(とりゅう)の割合」を意味します。簡単に言うと、研磨に使われる硬い粒子が含まれている割合のことです。

「砥粒」とは「研磨剤の中に含まれる硬い粒子」のことです。「研磨剤」とは「研磨の際に使用する、硬い粒や粉」のことで、砥粒で構成されています。

コンセントレーションが高い研磨剤のほうが、砥粒の数が多い分、なめらかな仕上がりになる傾向があります。

企業集中を意味する「コンセントレーション」

ビジネスの場面では、「コンセントレーション」は「企業集中」の意味をもつことがあります。

「企業集中」とは、複数の企業が何らかの形で関係をもち、結び付くことを指します。「企業結合」ともいいます。

具体的には、カルテルトラストなどが挙げられます。

 

「カルテル」とは、複数の企業がお互いに利益を得るために、販売価格・生産量などに関する協定を結ぶことを指します。

たとえば、ある機械の生産シェアを、会社Aが70%、会社Bが30%握っていたとします。通常、会社Aと会社Bは価格面で競争するので、機械の価格は一定の額まで下がります。今回はこの額を5万円とします。

 

しかし、会社Aと会社Bが話し合い、「7万円以下では機械を売らない」という条件の協定を結ぶとします。これがカルテルです。カルテルの結果、消費者は不当に高い値段で機械を買うことになります。一方、会社Aと会社Bは大きな利益を得ます。

カルテルは、消費者の損失につながるなどの問題があるため、独占禁止法が規制しています。

一方、「トラスト」とは、同一業種の複数の会社が株式の売買などを通じ、企業として一体化することです。「トラスト」も、カルテルと同様に価格操作などが容易になるため、独占禁止法で規制されています。

「コンセントレーション」の使い方

  1. 試合前にどれだけコンセントレーションを高めることができるかが、勝負のカギだ。
  2. 大一番での彼のコンセントレーションの強さは、目をみはるものがある。
  3. 2時間におよぶ英語の試験だから、後半になってもコンセントレーションを保てるかが問題だ。

例文➀の「コンセントレーション」は、「集中力」と言い換えることができます。

「コンセントレーション」の語源

「コンセントレーション」の語源は英語の “concentration” です。

“concentration”は、con・center・ionが組み合わさってできた単語です。

 

con は「共に」、center は「中央」という意味です。名詞の語尾にみられる ion は、「こと、もの」という意味です。

“concentration”は、もともとは「中央に集める」ということを表します。様々な方向に向いている関心を、中央に集めるというイメージから、「精神を集中する」という意味を持つようになりました。

 

意味は「集結」「集中、集中力」「濃度」などで、カタカナ語の「コンセントレーション」と重なります。

“concentration of troops”で「軍隊の集結」、 “concentration of study”で「研究への集中」、 “concentration measurement”で「濃度測定」という意味になります。

「コンセントレーション」の類義語

「コンセントレーション」には以下のような類義語があります。

  • 集中:一カ所に集めること
  • 一心:一つのことに心を集中すること
  • 一意専心(いちいせんしん):一つのことに心を集中すること
  • 専心:一つのことに心を集中すること

「コンセントレーション」の対義語

「コンセントレーション」には以下のような対義語があります。

  • 漫然(まんぜん):ぼんやりとしていて、目的や意識をもたないさま
  • 散漫(さんまん):集中力に欠けるさま

まとめ

以上、この記事では「コンセントレーション」について解説しました。

英語表記コンセントレーション(concentration)
意味精神を集中すること
語源英語の “concentration”
類義語集中、一心、一意専心など
対義語漫然、散漫など

「コンセントレーション」の主要な意味は、「精神を集中すること」です。しかし、生物学用語、研磨用語としての「コンセントレーション」には、異なる意味があります。

時と場合に応じて、適切に「コンセントレーション」を使いこなしましょう。