「ブラッシュアップ」の意味とは?ビジネスシーンでの使い方も解説

言葉

ブラッシュアップとは「能力や技術力をさらに高め、より良くする」という意味です。

ビジネス用語では〇〇アップというカタカナ語が多く存在するため、「スキルアップ」などとの違いがわかりづらいですよね。

また、ブラッシュアップをそのまま英語の “brush up” で表現してしまうと、異なる意味で伝わってしまうことがあるのをご存知ですか。

このように、ブラッシュアップは意外にも、使いこなすのが難しい言葉なのです。

 

そこで、この記事では、ブラッシュアップの意味や使い方、正しい英語訳などについて詳しく解説します。

☆「ブラッシュアップ」をざっくり言うと……

表記ブラッシュアップ
意味「物事の質」や「人の能力」をさらに高める
語源英語の “brush up”
類義語磨きをかける
スキルアップ
向上 など
英語訳refine
(磨きをかける)
touch up
(修正する、手直しをする)
improve
(向上させる)

「ブラッシュアップ」の意味

ブラッシュアップ

「物事の質」や「人の能力」をさらに高める

例:この企画内容をもう少しブラッシュアップしよう。

ブラッシュアップとは、物事のクオリティを上げたり、人としての能力を高めたりすることです。

日本語に直すとするならば「磨き上げる」となります。

ただし、物理的に何かを磨くのではなく、「質や能力に磨きをかける」という比喩ですから、間違えないようにしましょう。

 

基本的にブラッシュアップは、まだ存在していないものではなく、すでにある内容や能力に対して使います。

ブラッシュアップをすると、現状に足りないものを具体的に整理したうえで改善し、成長することができるため、より良い状況が生まれます。

「ブラッシュアップ」のコツ

ブラッシュアップをするときには、以下のような点を心がけましょう。

  • そもそもなぜ修正や改善が必要なのかを明らかにする
  • 修正・改善するうえでの目標を決めてから作業する

「ブラッシュアップ」の使い方

ブラッシュアップは、主にビジネスシーンにおいて、以下のような言い回しで使います。

例文と合わせて見てみましょう。

  • ブラッシュアップする
    例:この企画内容をもう少しブラッシュアップしよう。
  • ブラッシュアップをする
    例:先輩のアドバイスを受けて、履歴書の文章をブラッシュアップをした結果、書類選考を通過することができた。
  • ブラッシュアップを図る(はかる)
    例:英語力のブラッシュアップを図るため、思い切って留学することにした。
  • ブラッシュアップが〜
    例:この企画は面白いが、あなたはプロのイベンターなのだからブラッシュアップが必要だ。
ブラッシュアップの要求のしすぎに注意

ビジネスシーンなどは、上司が部下などに対して「この企画をさらにブラッシュアップしてください」などと指示を出すことが多いです。

ただし、「ブラッシュアップしなさい」という要求が多すぎると、相手を傷つける可能性があります。

「自分はダメな人間なのだろうか」と誤解してしまったり、具体的な指示がない場合は「どこを改善すれば良いのだろう」と悩んだりするからです。

「ブラッシュアップ」の語源

ブラッシュアップは、英語の “brush up” をカタカナ語にした言葉です。

しかし、カタカナ語のブラッシュアップと、英語の “brush up” は意味が異なります

意味
ブラッシュ
アップ

すでにある物事や能力をさらに高めること
例:英語のテストの点数が80点だったので、英語力をさらにブラッシュアップして、次回は100点を取りたい。
brush up
忘れてしまった知識や技術を、もう一度学び直すこと
例:I would like to brush up on English.
(英語の勉強をもう一度やり直したいと思っている。)

カタカナ語のブラッシュアップは、すでにある程度完成した物事や能力があり、それらをさらに高めていくことを表します。

英語の “brush up” は、忘れてしまった知識を取り戻すことなのです。

“brush up” には「身なりを整える」という意味もある

“brush up” は「身なりを整える」という意味で使うこともあります。この点も、カタカナ語のブラッシュアップにはない意味ですね。

例:I’ll brush myself up.
(ちょっと身づくろいをしてきますね。)

「ブラッシュアップ」の類義語

ブラッシュアップには以下のような類義語があります。

  • 磨きをかける
    能力や技術力をさらに高め、より良くする
  • スキルアップ
    腕前を磨くこと
  • 向上(こうじょう)
    良い方向に向かうために努力すること
  • 改善(かいぜん)
    欠点を見つけ、改めること
  • 改良(かいりょう)
    欠点を見つけ、改めること
  • 洗練(せんれん)
    文章、人格などをより磨きがかかったものにすること
  • 練磨(れんま)
    学問などを鍛えて磨くこと
  • 琢磨(たくま)
    学問、技芸などの向上につとめること
  • 改革(かいかく)
    制度などを変えること
  • 改善(かいぜん)
    より好ましく、望ましいものに改めること
  • 練り上げる
    計画などを何度も手直しして立派なものにすること
  • 推敲(すいこう)
    文章を見直し、より良いものにする

「ブラッシュアップ」と「スキルアップ」の違い

「ブラッシュアップ」と「スキルアップ」は、混同されやすい言葉です。

人の能力を高めるという点が共通していますが、厳密には下記のような違いがあります。

  • ブラッシュアップ
    ①すでにある能力などを向上するときに使う
    ②人間の能力だけでなく、物事のクオリティを上げる際にも使う
  • スキルアップ
    ①すでにある能力だけでなく、今までなかった能力をあらたに身につける際にも使う
    ②人間の能力に対してのみ使い、物事のクオリティを上げる際には使わない

このように、「ブラッシュアップ」と「スキルアップ」は、意味の範囲が少し異なるのです。

「ブラッシュアップ」の英語訳


「ブラッシュアップ」の意味は、以下のような英語表現で表すことができます。

  • refine
    (磨きをかける)
    例:I’ll refine on my plan theory by tommorow.
    (明日までに理論に磨きをかけておきます。)
  • touch up
    (修正する、手直しをする)
    例:Could you touch up the grammar in this thesis?
    (この論文の文法に手直しをしてくれませんか。)
  • improve
    (向上させる)
    例:I have to improve my Chinese.
    (中国語を上達させなければいけない。)

すでに解説したとおり、英語の “brush up” は、「忘れてしまったことを再度学び直す」という意味ですから、ブラッシュアップの英語訳としては適していません。

「ブラッシュアップ」のまとめ

以上、この記事ではブラッシュアップについて解説しました。

表記ブラッシュアップ
意味「物事の質」や「人の能力」をさらに高める
語源英語の “brush up”
類義語磨きをかける
スキルアップ
向上 など
英語訳refine
(磨きをかける)
touch up
(修正する、手直しをする)
improve
(向上させる)

ビジネスシーンなどで、「ブラッシュアップ」を正しく使いこなしましょう。