「ブッキング」の意味とは?使い方から英語や類義語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「ブッキング」です。

「ブッキング」の意味、つく言葉、使い方、語源、類義語について分かりやすく解説します。

☆「ブッキング」をざっくり言うと……

英語表記ブッキング(booking)
意味予約
語源booking
類義語バッティング
アポ(アポイントメント)
reservation

「ブッキング」とは?

ブッキング(booking):予約

「ブッキング」の意味を詳しく


「ブッキング」とは、予約です。

「ブッキング」はホテルや航空券などを予約する時によく使われる言葉です。また、人と会う約束をする時に用いられることもあります。

ただ、「ブッキング」はほかの業界でも使われ、業界ごとに意味が異なります。それぞれの業界での「ブッキング」の意味は以下のとおりです。

それぞれの業界での「ブッキング」の意味について詳しく見ていきましょう。

金融業界での「ブッキング」の意味

金融業界では「ブッキング」は「帳簿へ記入すること」「予算を計上すること」という意味で使用されます。

帳簿とは、お金の出入りなどを記録するノートのようなものです。

ただ、現在では会計処理はパソコンで行うのが普通です。

そのため、現在では金融業界で「帳簿へ記入する」という意味で「ブッキング」という言葉を使う機会は少なくなっています。

貿易・流通業界での「ブッキング」の意味

貿易・流通業界では「ブッキング」は「海外に輸出する時に船のスペースを予約すること」という意味です。

海外に大きな荷物を輸送する時には船を使う必要があります。

それぞれの船で荷物を置けるスペースには限りがあるので、あらかじめ「ブッキング」をしてスペースを確保する必要があるのです。

また、以下のような海外に輸出する時の業務もまとめて「ブッキング」と呼ばれる場合があります。

  • 輸送する荷物に合わせてコンテナを用意すること
  • 輸出内に関する書類を用意すること

映画業界での「ブッキング」の意味

映画業界では「ブッキング」は「映画を配給すること」という意味です。

映画業界では、映画配給会社が制作元から映画を購入し、映画館に配ったり、宣伝したりします。このことを「配給」と呼びます。

そして、映画館に映画を配って上映する場所を用意することを「ブッキング」と呼ぶのです。

芸能界・音楽業界での「ブッキング」の意味

芸能界・音楽業界での「ブッキング」は「出演契約をすること」という意味です。

テレビ番組や音楽のライブイベントなどでは出演する芸能人やアーティストを確保する必要があります。

そのため、芸能人やアーティストと出演契約をして、日程を押さえてもらう必要があります。これが「ブッキング」と呼ばれるのです。

通信業界での「ブッキング」の意味

通信業界では「ブッキング」は「顧客に通信回線を提供している状況のこと」を表します。

「顧客が通信会社に自分が使う分の通信回線を予約している」と捉えるとなぜ「ブッキング」という言葉が使われるのかわかりやすいでしょう。

文具業界での「ブッキング」の意味

文具業界では「ブッキング」とは「写真を飾るペーパークラフトのこと」です。

ブッキングの中でも写真をアルバムにただ貼るのではなく、切り抜いたり装飾したりする「スクラップブッキング」が人気を集めています。

イベントでの「ブッキング」の意味

イベントでは「ブッキング」は「開催場所の運営者自身がイベントを企画・運営すること」です。

たとえば、ライブハウスが自らアーティストを呼んでイベントを企画し、運営することを「ブッキング」と呼びます。

サッカーでの「ブッキング」の意味

サッカーでの「ブッキング」は「イエローカードを出すこと」という意味です。

審判が選手にイエローカードを出した後、記録のため手帳に記入することから「ブッキング」と呼ばれるようになりました。

「ブッキング」がつく言葉

「ブッキング」がつく言葉には以下のようなものがあります。

それぞれ見ていきましょう。

ダブルブッキング:予約が重なること

ダブルブッキングとは、予約が重なることです。

具体的には、2つ以上の予約を同じ枠に対して取ってしまうことを表します。

たとえば、ホテルで同じ日・同じ部屋の予約を同時にとってしまった場合、「ダブルブッキング」になります。

また、同じ日の同じ時間帯に2人以上と会う約束をしてしまった時に使うことも多いです。

オーバーブッキング:予約枠を超える予約を取ってしまうこと

オーバーブッキングとは、予約枠を超える予約を取ってしまうことです。

たとえば、飛行機で100席しかないのに101席分の予約を取ってしまったら、それはオーバーブッキングになります。

また、オーバーブッキングは通信業界でも使われます。通信業界ではオーバーブッキングとは、通信会社が自社のキャパシティを超える通信回線を顧客に提供している状態のことです。

オーバーブッキングが起こると回線の使用が集中し、サーバーエラーが起こったり、通信速度が低下したりします。

フルブッキング:すべての予約枠の予約を取ること

フルブッキングとは、すべての予約枠の予約を取ることです。

たとえば、100室あるホテルが100室分の予約を取った場合、それはフルブッキングと言えます。

セルフブッキング:自分自身で予約を取ること

セルフブッキングとは、自分自身で予約を取ることです。

たとえば、ホテルを予約する時に、ホテルの予約サイトを使って自分で予約を取った場合、セルフブッキングと言えます。

逆に、旅行会社でツアーの宿付きプランを選択した場合、旅行会社を通じてホテルを予約することになるので、セルフブッキングとは言えません。

ブッキングライブ:開催場所の運営者自身が企画・運営するライブ

ブッキングライブとは、開催場所の運営者自身が企画・運営するライブのことです。

たとえば、ライブハウスの運営者が歌手を呼んでライブイベントを開いた場合、そのライブはブッキングライブです。

ブッキングクラス:予約した時の料金によって分けられた座席の種類のこと

ブッキングクラスとは、予約した時の料金によって分けられた座席の種類のことです。航空業界で出てくる言葉です。

飛行機の座席の種類は「エコノミークラス」「ビジネスクラス」「ファーストクラス」などにわけられますが、ブッキングクラスはこれらの分類よりも細かいものになっています。

たとえば、エコノミークラスの中でも、Y、S、Qのようにアルファベット1文字がつけられていて、これがブッキングクラスです。

ブッキングクラスによって同じエコノミークラスの中でも、以下のことが違う場合があります。

  • 運賃
  • アップグレードできるかどうか
  • 予約変更ができるかどうか

スクラップブッキング:お気に入りの写真を貼るペーパークラフトのこと

スクラップブッキングとは、お気に入りの写真を貼るペーパークラフトのことです。

スクラップブッキングでは、写真をただアルバムに貼るだけではありません。

以下のものを使ってアレンジをして、オリジナリティあふれる作品に仕上げます。

  • メッセージ
  • シール
  • マスキングテープ
  • ビーズ

▲スクラップブッキングの例

[出典:https://www.creema.jp/item/5219026/detail]

ブッキングドットコム:世界最大級のオンラインホテル予約サイト

ブッキングドットコムは世界最大級のオンラインホテル予約サイトです。正確には「Booking.com」という名前です。

ブッキングドットコムではオンラインで国内や海外のホテルを予約できます。

「ブッキング」の使い方

  1. 4月1日にホテルをブッキングしておいてくれ。
  2. Aさんと会う予定とBさんと会う予定でダブルブッキングを起こしてしまい、反省している。
  3. A社がオーバーブッキングを起こして通信回線がパンクしている。
ブッキングは①の例文のように、ホテルなどを予約する時に使うのがふつうです。

②の例文では、同じ日の同じ時間帯に2人以上と会う約束をしてしまったことを「ダブルブッキング」と表現しています。

③の例文では通信会社が自社のキャパシティを超える通信回線を顧客に提供している状態のことを「オーバーブッキング」と表現しています。

「ブッキング」の語源

ブッキングの語源は英語の “booking” です。英語の “booking” には以下のような意味があります。

“booking” の意味
  1. (座席などの)予約
  2. きっぷの販売
  3. (出演などの)契約
  4. (予約などの)記帳

意味はカタカナ語の「ブッキング」とほぼ同じであることがわかります。

ただ、英語の “booking” は「人と会う約束」という意味では用いないので注意が必要です。

「ブッキング」の類義語

ブッキングには以下のような類義語があります。

「ブッキング」と「リザーブ」の違い

「ブッキング」と「リザーブ」は、両者のどちらを使っても、「場所を予約をする」という同じ意味になります。

ただし、ブッキングがもともと「帳簿をつける」など、お店側が使う言葉であったという由来から、以下のような使い分けをされることが多いです。

  • ブッキング:予約を受け付ける側(宿やホテルなど)が使うことが多い
  • リザーブ:予約を取る側(顧客)が使うことが多い

ちなみに、「リザーブ」の英語表記は、動詞の “reserve” です。名詞形にすると “reservation” になります。

「ブッキング」と「アポイントメント」の違い

「ブッキング」と「アポイントメント」には、どちらも「予約すること」という意味がありますが、「何を予約するのか」という点で、以下のような違いがあります。

  • ブッキング:予約をすることの全般を表す
  • アポイントメント:誰かと会う約束・予約をすることを表す

つまり、「ブッキング」が人だけでなく、場所など、あらゆる「予約」を表すことができるのに対して、「アポイントメント」は人との約束のみを表すのです。

「ダブルブッキング」と「バッティング」の違い

「ダブルブッキング」と「バッティング」は、どちらも「予約が重なること」を表します。

両者の違いは、「バッティング」のみ、物理的な衝突も表すことができるという点です。

「バッティング」には、野球において、「打者が投手の球を打つ」という意味もあるのです。また、ボクシングでの「バッティング」は、頭や額、肩、ひじを相手にぶつけることを指します。

このように、「バッティング」には、2つの意味があるのです。なお、「バッティング」は、意味によって英語表記が異なるため気をつけましょう。

  • 予約が重なることを表す「バッティング」butting
  • 野球やボクシングでの「バッティング」batting

まとめ

以上、この記事では「ブッキング」について解説しました。

英語表記ブッキング(booking)
意味予約
語源booking
類義語バッティング
アポ(アポイントメント)
reservation

ブッキングはホテルの予約などでよく使われる言葉です。意味を抑えておきましょう。

ABOUT US

和佐 崇史
文章を書くこと、読むことが大好きな大学生です。中学2年生で漢検2級を取得するなど、言葉については詳しい自信があります。Webライターとしてはこれまで累計1,000記事以上を執筆してきました。