アバンチュールとは「冒険」「冒険のように危険な恋愛」という意味です。
近年では死語とされることも多いため、具体的にどんなことを指すのかわからない人も多いのではないでしょうか。
フランス語が語源ですが、実は本来は恋愛の意味はありません。
そこで、この記事ではアバンチュールの意味や使い方、ドラマ『貴族探偵』との関係なども詳しく解説します。
☆「アバンチュール」をざっくり言うと……
英語表記 | アバンチュール(l’aventure) |
---|---|
意味 | ①冒険 ②冒険のように危険な恋愛 |
語源 | フランス語の “l’aventure” |
類義語 | 冒険 行きずりの恋 一夜の情事 など |
対義語 | 堅実 誠実 |
英語訳 | adventure romantic adventure love affair など |
このページの目次
「アバンチュール」の意味
- 冒険
- 冒険のように危険な恋愛
例:ひと夏のアバンチュールに憧れる。
アバンチュールは、元々は「冒険」という意味です。
そこから転じて、「冒険のように危険な恋愛」という意味ももちます。
危険な恋愛とは、主に以下のような恋愛です。
- 浮気や不倫
- その場限りで体の関係をもつこと
つまり、「楽しいけれど、知られると大変なことになる恋愛」を表します。
「アバンチュール」の使い方
アバンチュールには2つの意味がありますが、主に「冒険のように危険な恋愛」という意味で使います。
例文を見てみましょう。
- ひと夏のアバンチュールに憧れる。
- 名前も知らない相手とアバンチュールに溺れる。
- 旅行先でのアバンチュールはほろ苦い思い出だ。
- アバンチュールばかり繰り返していると、本当の愛とは何なのか見落としてしまうよ。
- 龍之介は、内心、これは面白いアバンチュールだと思った。
[出典:平林初之輔『謎の女』]
「アバンチュール」の使用例
アバンチュールは以下のような場面でも使われます。
- 楽曲
- 台詞
それぞれ見ていきましょう。
「アバンチュール」を使った楽曲
アバンチュールを使った楽曲には以下のようなものがあります。
1981年 | 大貫妙子のアルバム『Aventure』 |
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1983年 | 中森明菜の楽曲『アバンチュール』 |
1984年 | 郷ひろみの楽曲『どこまでアバンチュール』 |
2016年 | 超特急の楽曲『超えてアバンチュール』 |
2017年 | chayの楽曲『恋はアバンチュール』 |
アバンチュールは、1980年代にアーティストの楽曲タイトルやアルバム名によく使われていたほか、近年でも再び楽曲タイトルに使われています。
「アバンチュール」を使った台詞
2017年、相葉雅紀さん主演のドラマ『貴族探偵』の最終回で、以下のような台詞がありました。
そんなに熱い視線をくださるとは。アバンチュールのお誘いですか?
これを受け、「貴族探偵 アバンチュール」がツイッターでトレンド入りしました。
楽曲の例からもわかる通り、アバンチュールは、昭和(1926年〜1989年)によく使われていました。
そのため、2021年時点で30代以下の年齢の人には意味が伝わらないことが多いです。
現在では日常生活で使われることはほとんどなく、既に死語として扱われることもあるため、使う時には注意しましょう。
「アバンチュール」の語源
アバンチュールの語源はフランス語の “l’aventure” です。
“l’aventure” は「冒険」という意味で、「冒険のように危険な恋愛」という意味はありません。
日本で外来語として使われるうちに、「冒険のように危険な恋愛」という意味でも使われるようになりました。
「アバンチュール」の類義語
アバンチュールには以下のような類義語があります。
- 冒険
- 冒険のように危険な恋愛
2つの意味ごとに、それぞれの類義語を見ていきましょう。
類義語①「冒険」という意味
「冒険」という意味の類義語には以下のようなものがあります。
- 冒険
日常とかけ離れた状況で、ある目的のために危険に満ちた体験をすること - 探検
未知の地域に足を踏み込み、そこを調べること - アドベンチャー
冒険 - 危ない橋を渡る
ある目的を達成するために、あえて危険な手段を使うこと - 綱渡り
危険をおかして物事を行うこと
類義語②「冒険のように危険な恋愛」という意味
「冒険のように危険な恋愛」という意味の類義語には以下のようなものがあります。
- 行(ゆ)きずりの恋
出会ってすぐに始まり、すぐに終わる恋 - 一夜の情事
その場限りで体の関係をもつこと - 一夜の恋
その場限りで体の関係をもつこと - ワンナイトラブ
その場限りで体の関係をもつこと - 火遊び
その場限りで体の関係をもつこと - ひと夏の恋
夏に始まり、夏のうちに終わる恋 - 浮気
結婚していたり恋人がいたりする人物が、他の人に惹かれること - 不倫
配偶者以外と体の関係をもつこと - 不義(ふぎ)
配偶者以外と体の関係をもつこと - 情事(じょうじ)
①男女間の恋愛に関する物事全般
②配偶者以外と体の関係をもつこと - 密通(みっつう)
世間的に許されない立場にある人物同士が体の関係をもつこと - 人目を忍ぶ恋
世間的に許されない立場にある人物同士の恋 - 許されぬ恋
- 道ならぬ恋
人の道に反した恋 - 禁断の恋
- 禁断の愛
- 秘め事
人には言えない特定の異性への気持ち - 略奪愛
既に結婚していたり恋人がいたりする相手とパートナーの仲を引き裂き、自分が新たなパートナーになること
「アバンチュール」の対義語
アバンチュールには以下のような対義語があります。
上記の類義は全て、「冒険のように危険な恋愛」という意味の対義語です。
「アバンチュール」の英語訳
アバンチュールを英語に訳すと、次のような表現になります。
- 冒険
- 冒険のように危険な恋愛
2つの意味ごとに、それぞれの英語訳を見ていきましょう。
英語訳①「冒険」という意味
「冒険」という意味の英語訳には以下のようなものがあります。
- adventure
(冒険) - adventurous
(冒険的)
英語訳②「冒険のように危険な恋愛」という意味
「冒険のように危険な恋愛」という意味の英語訳には以下のようなものがあります。
- romantic adventure
(ロマンチックな冒険) - love affair
(恋愛関係。不倫) - one-night stand
(一夜限りの恋)
5人組のロックバンド・サザンオールスターズの楽曲に、『LOVE AFFAIR 〜秘密のデート』があります。
この曲では、不倫する男性が不倫相手のことを愛しつつも、家族を捨てることができない複雑な気持ちを歌っています。
補足:ランデブーの意味
アバンチュールと混同されやすい語に、ランデブーがあります。
- 男女が約束して会うこと
- 2隻以上の宇宙船や人工衛星が、宇宙空間で結合するために出会うこと
ランデブーの語源はフランス語の “rendez-vous” です。
“rendez-vous” は日本語の意味と同じく、「男女が約束して会うこと」や「2隻以上の宇宙船や人工衛星が、宇宙空間で結合するために出会うこと」を表します。
日本で外来語として使われるランデブーは、男女がデートしたり、密会を行ったりするイメージが強くありました。
しかし、近年ではフランス語が語源のカタカナ語の使用頻度が減り、「男女が約束して会うこと」をランデブーと呼ぶことは少なくなりました。
4人組のミクスチャーバンド・King Gnuの楽曲に、『Tokyo Rendez-Vous(トーキョー・ランデブー)』があります。
この曲では、「君とトーキョーランデブー」というフレーズが繰り返されますが、「男女が約束して会うこと」という意味ではありません。
PVでは、混んだ電車内で好き放題しているのに周りの人たちは無関心でいるなど、東京という街を表現しています。
「アバンチュール」のまとめ
以上、この記事ではアバンチュールについて解説しました。
英語表記 | アバンチュール(l’aventure) |
---|---|
意味 | ①冒険 ②冒険のように危険な恋愛 |
語源 | フランス語の “l’aventure” |
類義語 | 冒険 行きずりの恋 一夜の情事 など |
対義語 | 堅実 誠実 |
英語訳 | adventure romantic adventure love affair など |
アバンチュールのように危険な恋だからこそ、人は燃え上がるのかもしれませんね。
しかし、自分の身を滅ぼす危険性も考えて行動しましょう。