「悪逆無道」の意味とは?英語や対義語や類義語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「悪逆無道(あくぎゃくむどう)」です。

言葉の意味・使い方・由来・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「悪逆無道」をざっくり言うと……

読み方悪逆無道(あくぎゃくむどう)
意味人の道を外れたひどい行いをすること
由来律令法の八虐のうちの1つ
類義語悪逆非道、極悪非道、残忍酷薄など
対義語品行方正など
英語訳heinousness(凶悪、極悪)

「悪逆無道」の意味をスッキリ理解!

悪逆無道(あくぎゃくむどう):人の道を外れたひどい行いをすること

「悪逆無道」の意味を詳しく

世の中には常識を超えた範囲の信じられない悪事を働く人がたくさんいます。そのような悪事を表現するのが「悪逆無道」です。

「悪逆無道」は人の道に背いた計り知れないほどの悪事を意味します。極端にネガティブな意味を持つ言葉です。

 

「悪逆」と「無道」は共に「人の道や道理を外れた行い」を表す言葉です。

四字熟語には、類義の語を重ねることで意味を強める形をとるものがよく見られます。「悪逆無道」もそのうちの1つです。ここでは「無道」が「悪逆」の意味を強める役割を担っています。

 

また、「あくぎゃくぶどう」「あくぎゃくぶとう」とも読みます。

「悪逆無道」の使い方

  1. その王様は悪逆無道の限りをつくしたため、忠誠を誓う家臣は1人もいなかった。
  2. 彼の悪逆無道な振る舞いを見て、こんな人間にはなるまいと心に決めた。
  3. あんな法外な値段を提示してくるなんて、あの取引相手は悪逆無道だ。

「悪逆無道」の由来

語源は律令法(りつりょうほう)にあります。

律令法には、初めに八虐(はちぎゃく)と呼ばれる重大犯罪類型が述べられています。「悪逆」はそのうちの1つで親族殺しのことを言います。ここから、悪逆は「人の道を外れたひどい行動」を表すようになりました。

また、「無道」は「道理に背く悪事」を表します。

これらの単語を重ねることで、「無道」が「悪逆」を強調して成り立っている四字熟語です。

「悪逆無道」の類義語

悪逆無道には以下のような類義語があります。

  • 悪逆非道(あくぎゃくひどう):人の道理に外れた邪(よこしま)な行い。
  • 極悪非道(ごくあくひどう):人の道から外れ、この上なく悪いこと。
  • 残忍酷薄(ざんにんこくはく):他人を思いやることがなく、薄情でむごいこと。人の性質を表す。
  • 大逆無道(たいぎゃくむどう):道理や人の道から外れた甚だしい罪悪。「だいぎゃくぶどう」とも読む。
  • 暴虐非道(ぼうぎゃくひどう):人の道に背いて、残酷で乱暴な行いをすること。

悪逆非道が最も近い意味を表します。どれも人の道を外れて常軌を逸した悪事やそのさまを表す四字熟語です。

「悪逆無道」の対義語

悪逆無道には以下のような対義語があります。

一般に、品行方正は理想的な人間像を表す言葉です。しかし近年では度が過ぎた真面目さをからかう意味で使われることもあります。

「悪逆無道」の英語訳

悪逆無道を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • heinousness
    (凶悪、極悪)
  • atrocity
    (残虐行為)
  • treacherous
    (不誠実な、信用を裏切る)

悪逆無道は甚だしい悪事を行うことに加えて、そのさまも表します。よって、名詞と形容詞のどちらでも訳すことのできる言葉です。

まとめ

以上、この記事では「悪逆無道」について解説しました。

読み方悪逆無道(あくぎゃくむどう)
意味人の道を外れたひどい行いをすること
由来律令法の八虐のうちの1つ
類義語悪逆非道、極悪非道、残忍酷薄など
対義語品行方正など
英語訳heinousness(凶悪、極悪)

悪逆無道は日常生活で頻繁に使用されないでしょう。

しかし、ニュースや新聞などで耳にする機会もあります。そんな時、言葉の意味を正しく理解していることで記事の理解度を高めることができるでしょう。

ぜひこの四字熟語を覚えて日常に役立ててみてください。