「隘路」の意味とは?読み方は?使い方から英語や対義語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「隘路(あいろ)」です。

言葉の意味・使い方・語源・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「隘路」をざっくり言うと……

読み方隘路(あいろ)
意味狭くて通行の困難な道のこと。また、物事を進めるうえで妨げとなるもののたとえ
語源狭いという意味の「隘(あい)」と「路(みち)」を合わせた熟語
類義語路地、小道、険路など
対義語広小路、大通り、目抜き通りなど
英語訳bottleneck(隘路、障害)

「隘路」の意味をスッキリ理解!

隘路(あいろ):狭くて通行の困難な道。また、物事を進めるうえで妨げとなるもののたとえ

「隘路」の意味を詳しく

隘路(あいろ)とは、狭くて通行の困難な道のことを言います。それが転じて、物事を進めるうえで妨げとなるもののたとえとしても用いられます。

 

「隘(あい)」という字は、「狭い」「険しい」「塞(ふさ)がる」という意味を持っています。常用漢字ではないので目にする機会は多くないですが、教習所では、中型・大型免許取得の際に「隘路」という項目があります。

これは、狭い道に入る際に道幅に対しての車体感覚を掴むための項目で、試験では4回の切り替えしで中止となってしまいます。山道などの道幅の厳しい条件の道路が多い日本においては、大型車に必要な運転技能として無くてはならない項目です。

隘路は狭隘(きょうあい)道路とも言い、道路法規などにも用いられる語句です。狭隘道路の法律上の定義はありませんが、行政(都道府県や市町村)が使用する場合は、主に幅員4m未満の2項道路のことを指します。

2項道路とは、道路法においての道路ではなく、建築基準法にもとづいた「道路とみなされる道」のことを言います。

 

隘路はこの本来の意味から転じて、物事を進めるうえで妨げとなるものについてたとえる時にも用いられます。

「隘路」の使い方

  1. さっきの隘路は、この車で通り抜けられるかヒヤヒヤした。
  2. 明日の教習所では隘路をやるけど、うまく出来るか自信がない。
  3. このプロジェクトは隘路を潜り抜け、ようやく光が見えてきた。

上記の例文のように、①と②では、通行が困難な狭い道という意味で「隘路」を用いています。③では、乗り越えることが難しい局面を比喩的に「隘路」と表現しています。

「隘路」の語源

隘路の語源は、本来の意味としては狭いという意味の「隘(あい)」と「路(みち)」を合わせた熟語です。また本来の意味から転じて、隘路という言葉の持つ険しさのイメージが、待ち受ける困難な事象の比喩として使われるようになりました。

「隘路」の類義語

隘路には以下のような類義語があります。

  • 路地(ろじ):家と家の間の狭い道
  • 小道(こみち):狭い道や細い道
  • 険路(けんろ):険しい道
  • 杣道(そまみち):きこりだけしか通らないような細く険しい山道
  • ボトルネック:瓶の細い部分。転じて物事の制約のこと

路地や小道は、細さや狭さの表現として使われ、険しさの意味合いは含まれていません。険路や杣道は、険しさという要素が含まれることから、隘路と近い意味になります。

ボトルネックは、道路の車線減少地点などの渋滞発生ポイントを指す場合や、比喩的表現として隘路の言い換えで用いられることもあります。

また、俗語として通行が困難な国道を「酷道」、同様に都道府県道を「険道」と呼ぶこともあります。

「隘路」の対義語

隘路には以下のような対義語があります。

  • 広小路:江戸時代以降に設置された幅の広い街路のこと
  • 大通り:街の中心部を貫く中心となる通りのこと
  • 目抜き通り:その町で最も人通りや交通量が多く、中心的な通りのこと
  • 順風満帆:物事が順調に思いどおりに運ぶこと

「広小路」「大通り」「目抜き通り」はほとんど同様の意味であり、隘路と対照的な広い道を指しています。

比喩的表現の隘路の対義語としては、順風満帆が挙げられます。

「隘路」の英語訳

隘路を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • bottleneck
    (隘路、障害)
  • narrow road
    (狭い道)
  • steep road
    (険しい道)

まとめ

以上、この記事では「隘路」について解説しました。

読み方隘路(あいろ)
意味狭くて通行の困難な道のこと。また、物事を進めるうえで妨げとなるもののたとえ
語源狭いという意味の「隘(あい)」と「路(みち)」を合わせた熟語
類義語路地、小道、険路など
対義語広小路、大通り、目抜き通りなど
英語訳bottleneck(隘路、障害)

隘路は読み方の難しい言葉ですが、意味を捉えれば使いやすい表現だと言えるため、バリエーションのひとつとして活用してみてください。