今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「愛別離苦(あいべつりく)」です。
言葉の意味・使い方・由来・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「愛別離苦」をざっくり言うと……
読み方 | 愛別離苦(あいべつりく) |
---|---|
意味 | 愛する人と別れる苦しみのこと |
由来 | 仏教の「四苦八苦」の八苦に含まれる苦しみの一つ |
類義語 | 会者定離、生離死別、牽衣頓足など |
対義語 | 怨憎会苦 |
英語訳 | the pain of separation from loved ones(愛する者との別れの苦しみ) |
このページの目次
「愛別離苦」の意味をスッキリ理解!
「愛別離苦」の意味を詳しく
「愛別離苦」とは、愛する人と生別(生き別れのこと)または死別する苦しみのことです。
肉親や恋人、友人など、愛する人すべての人との別れのつらさを意味します。
四字熟語は二字熟語から構成されることが多いですが、「愛別離苦」は「愛別離」と「苦」という区切れになります。
「愛別離苦」の使い方
- 人の人生には必ず愛別離苦がある。
- 愛別離苦の悲しさに打ちひしがれて、何かをする気力が起きない。
- 愛別離苦の苦しさを乗り越えて、人は強くなっていくので、頑張って前に進もう。
「愛別離苦」の由来
「愛別離苦」の語源は、『大般涅槃経(だいはつねはんぎょう)』にある一節で、仏教の言葉です。
仏教の言葉に「四苦八苦」というものがあります。この言葉は、「非常に苦しむこと」を意味する四字熟語ですが、「四苦」と「八苦」はそれぞれ異なる苦しみを意味します。
まず、「四苦」は以下の4つを指します。
- 生苦(しょうく)
- 老苦(ろうく)
- 病苦(びょうく)
- 死苦(しく)
②の「老苦」とは、老いていく苦しみのことです。年をとるにつれて、体力は衰(おとろ)え、新しいことができなくなっていきます。人生の楽しみが、年を重ねていくごとに減るといっても過言ではありません。
そして、③の「病苦」とは、病の苦しみです。人の死因における病気の割合は9割と言われています。人に「死」を意識させるきっかけを与えてしまうのが、病なのです。
④の「死苦」とは、死の苦しみのことです。これは人生最悪の苦しみとも言えます。人は最後に必ず死が訪れます。自分がこの世に存在しなくなることを考えると恐ろしく、「何のために生きているのか」という疑問も生まれてきます。
続いて、「八苦」は、「四苦」に以下の4つを加えたものです。
- 愛別離苦
- 怨憎会苦(おんぞうえく)
- 求不得苦(ぐふとくく)
- 五蘊盛苦(ごうんじょうく)
そして、「五蘊盛苦」は肉体があるゆえの苦しみを意味します。
「愛別離苦」の類義語
「愛別離苦」には以下のような類義語があります。
- 会者定離(えしゃじょうり):出会った人とは必ず離れる時が来るということ
- 生離死別(せいりしべつ):この世の非常に悲痛な別れのこと
- 牽衣頓足(けんいちんそく):非常につらい別れを惜しむこと
「愛別離苦」の対義語
「愛別離苦」には以下のような対義語があります。
- 怨憎会苦(おんぞうえく):憎んでいる者にも会わなければいけない苦しみのこと
「愛別離苦」の英語訳
「愛別離苦」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- the pain of separation from loved ones
(愛する者との別れの苦しみ)
まとめ
以上、この記事では「愛別離苦」について解説しました。
読み方 | 愛別離苦(あいべつりく) |
---|---|
意味 | 愛する人と別れる苦しみのこと |
由来 | 仏教の「四苦八苦」の八苦に含まれる苦しみの一つ |
類義語 | 会者定離、生離死別、牽衣頓足など |
対義語 | 怨憎会苦 |
英語訳 | the pain of separation from loved ones(愛する者との別れの苦しみ) |
愛する人との別れは、非常に苦しいですが、人生において避けては通れない道です。
「愛別離苦」を克服し乗り越えるのには時間を要しますが、一歩ずつ前に進んで行くことが大切です。