「会者定離」の意味とは?使い方から英語や類語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「会者定離(えしゃじょうり)」です。

言葉の意味、使い方、由来、類義語についてわかりやすく解説します。

☆「会者定離」をざっくり言うと……

読み方会者定離(えしゃじょうり)
意味この世のものは変わりゆく運命にあること
由来仏教の本『遺教経(ゆいきょうぎょう)』より
類義語盛者必衰(じょうしゃひっすい)、生者必滅(しょうじゃひつめつ)、諸行無常(しょぎょうむじょう)

「会者定離」とは?

会者定離(えしゃじょうり)会った者は別れる運命にあり、世の中は無常であること。

「会者定離」の意味を詳しく


「会者定離」とは、会った者同士は必ず別れる運命にあることから、この世には変わらないものなどなく、すべてのものは移りゆくことを表す四字熟語です。

万物は時とともに変化するもので、それが運命であると受け入れる姿勢を指しています。

この「世の中に変わらないものは存在しない」という考え方は無常観と呼ばれ、仏教特有のものです。

「会者定離」の使い方

「会者定離」は、文中では以下のように使われます。

  1. 会者定離というように永遠などないのだから、今を全力で生きるべきだ。
  2. 人との関係は会者定離、変わっていくのが当たり前なのだ。

「会者定離」は、別れは仕方のないものだという意味を表す言葉です。変化や、人との別れを惜しむ際の表現としてはふさわしくないので、注意してください。

「会者定離」の由来

「会者定離」は、仏教の経典(きょうてん)である『遺教経(ゆいきょうぎょう)』の中の文章が由来になっています。

以下は元になった文と、その現代語訳です。

世皆無常、会必有離

この世のものはすべて変わりゆき、会った者には必ず別れが訪れる

『遺教経』の表現とは一言一句同じわけではありませんが、この本の中の考え方や上記の一節が元になって「会者定離」という言葉が作られたと言われています。

遺教経
お釈迦様が涅槃(ねはん)に入る前に、最後に残した教えをまとめたものです。

原本は古代インドの言葉であるサンスクリット語で書かれています。日本や中国で広まった本であり、座禅(ざぜん)をすることで有名な禅宗という宗派では、特に重要な教えの書かれた本だとされています。

「会者定離」の類義語

「会者定離」には、以下のような類義語があります。

これらの四字熟語は、どれも無常観を表しています。仏教は古くから日本の文化に浸透しているため、このように多くの表現が残っているのでしょう。

『平家物語』
『平家物語』は鎌倉時代、平家の栄えていた様子と徐々に衰退していく様子をえがいた物語です。

「生者必滅会者定離はうき世の習にて候なり」という一節や、冒頭の「祇園精舎(ぎおんしょうじゃ)の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹(さらそうじゅ)の花の色、盛者必衰のことわりをあらわす」という有名な一文があります。

平家の盛衰を通して、一時の名誉に固執することの愚かさや無常観を読者に伝える、名作です。

まとめ

以上、この記事では「会者定離」について解説しました。

読み方会者定離(えしゃじょうり)
意味この世のものは変わりゆく運命にあること
由来仏教の本『遺教経(ゆいきょうぎょう)』より
類義語盛者必衰(じょうしゃひっすい)、生者必滅(しょうじゃひつめつ)、諸行無常(しょぎょうむじょう)

比較的よく使われる四字熟語なので、意味をしっかり覚えて、活用してみてください。