今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「アドホック」です。
「アドホック」の意味、分野ごとの意味、使い方、語源についてわかりやすく解説します。
「アドホック」の意味をスッキリ理解!
「アドホック」の意味を詳しく
「アドホック」とは、臨時の対応・特定の目的のためのもののことです。
「ある特定のものだけのため」という意味を表します。「特定のもののための」「限定的な」という意味です。
また、この「限定的な目的だけのためであること」から、「その場限りの」「臨時的な」という意味にもなりました。
「その問題や状況のためだけに用意されたもの」であるので、「専門的であること」「臨時的であること」という意味になったのです。
分野ごとの「アドホック」の意味
「アドホック」は、以下のような分野で使われます。
- IT
- 医療
- ビジネス
- 政治
それぞれの分野での使われ方と意味を詳しく見ていきましょう。
ITにおける「アドホック」の意味
ITの分野では以下のような用語が使われます。
- アドホックモード
- アドホックネットワーク
「アドホックモード」とは、「無線LANの接続方法」のひとつです。
無線LANの接続方法には、以下のふたつの種類があります。
- インフラストラクチャモード:親機であるアクセスポイントを経由して通信する方法
- アドホックモード:子機である無線LAN同士で通信する方法
そして、アクセスポイントを経由せずに「アドホックモード」による通信で形成されているネットワークを「アドホックネットワーク」と言います。
医療における「アドホック」の意味
医療においては、「アドホックPCI」という言葉が使われます。
「アドホックPCI」は、冠動脈疾患(かんどうみゃくしっかん)という病気の治療法のひとつです。冠動脈疾患とは、心臓の筋肉の酸素不足により胸痛発作が起こる病気です。
冠動脈造影によって、冠動脈疾患を見つけた段階で、すぐにPCIという心臓カテーテル手術を行います。この対処方法を「アドホックPCI」と言います。
見つかった場でPCIを行うため、後日また手術の日程を組むよりも、手間が省ける上に入院日数や費用を減らすことができます。
ビジネスにおける「アドホック」の意味
ビジネスにおいては、以下のような言葉が使われます。
- アドホック会議:臨時の会議
- アドホックテスト:テスト仕様書などを用意せず、場当たり的に行うテスト
「アドホック会議」の意味
「アドホック会議」とは、臨時の会議のことです。
具体的には、コンピューター上の情報共有ソフトで行われる会議です。
集合するまでもないが話し合っておく必要がある内容や、急ぎで重要な情報を共有しておいてほしい場合に行われる会議です。
「アドホックテスト」の意味
システムのバグや不具合を発見するために行われるテストのひとつです。通常は仕様書などを用意してから確認を行います。
「アドホックテスト」は、その場で思い付いた項目を実行するだけのテストです。
政治における「アドホック」の意味
政治においては「アドホック・コミティー」という言葉がよく使われます。
これは、「特定の目的のために設置され、問題が解決した後には解消されるその場限りの委員会」のことです。
「アドホック・コミティー」は、組織の通常のプロセスでは解決しきれないような問題を解決するために利用されることが多いです。
「アドホック」の使い方
「アドホック」には以下のような使い方があります。
- 何事にもアドホックに対応できるのが、私の強みです。
- 10時からアドホック会議を開いてください。
➊は、「臨機応変に」という意味で使われています。
➋は、「臨時の」という意味で使われています。
「アドホック」の語源
「アドホック」の語源はラテン語の “ad hoc” です。
“ad hoc” には、以下のような意味があります。
- 特定の目的のための
- 限定目的の
まとめ
以上、この記事では「アドホック」について解説しました。
英語表記 | アドホック(ad hoc) |
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意味 | 臨時の対応・特定の目的のためのもの |
語源 | 「特定の目的のための」という意味のラテン語 “ad hoc” |
「アドホック」は、分野ごとの細かい意味も重要になります。