今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「ルーチン」です。
「ルーチン」の意味・使い方・語源・類義語・対義語について分かりやすく解説します。
「ルーチン」とは?
「ルーチン」の意味を詳しく
「ルーチン」とは「いつも行っていること」という意味のカタカナ語です。特に「日常の中でいつもやっている仕事や習慣」を指します。具体的には、日々のメール作成やスケジュール管理など、いつもやると決まりきったことです。
その他では、コンピュータ用語の「ブログラム」という意味があります。「プログラム」は何か特定の動作をすることが記述されたものです。その特定の動作をするように書かれた「プログラム」の一定のまとまりを指します。
チームワークでも、リーダーとサブリーダーが存在するように、中心的プログラムのことを「メインルーチン」、その補佐をするプログラムのことを「サブルーチン」と呼びます。
一方で、スポーツ用語としても使用します。水泳にはシンクロナイズドスイミングという競技があります。音楽に合わせて演技して、技術やチームワーク、演技の構成を競うことを「ルーチン競技」と言います。
また、ダンスでは決まった一連の動作を踊ることを指します。即興で踊るのではなく、覚えた振り付けを踊ることです。
こちらの意味を使用する場面は、一定のスポーツのみと限られているので、主な意味は「決まりきった仕事」と覚えておいてよいでしょう。
「ルーチン」の他にも「ルーティン」「ルーティーン」という表記を見たことがある方もいるでしょう。これらは表記の違いがありますが、実際は同じものなのです。たとえば、大辞林を参照してみると「『ルーチン』は、『ルーティン』『ルーティーン』と同じ」という内容が掲載されています。
しかしながら、なぜ違うのか疑問に思った人もいるでしょう。これはアクセントの問題なのです。語源にあたる英語の発音とカタカナ語の発音は異なっています。そのカタカナ語をいかに英語の発音に近づけて読むのかで表記が別れているのです。
代表的な正しい日本語を話す人といえば、アナウンサーが挙げられます。そのアナウンサーが所属するテレビ局の表記や発音を参照してみても、局によって決まりには差があります。つまり、そこまで明確な決まりがないということです。1番多く使われているのは「ルーティン」です。
「ルーチン」の使い方
- いつものルーチンワークを消化する。
- ルーチンとしてやっていることに取り組む。
- スキルを身につけたければ、ルーチン化するべきだ。
「ルーチン」は、主にビジネスに関する場面で使用します。仕事でいつもやっていることがあれば、それを「ルーチン」と言って表現することが可能です。
「ルーチン」は 「ルーチン化」というように使用します。「ルーチン化」というのは、何か小さな仕事や取り組みを日常の中で当たり前のように定着させることです。
また①の例文のように、しばしば「ルーチン」は、「ワーク」という単語と一緒に使います。「ルーチンワーク」は「ルーチン」だけの意味とほぼ同じで、「日常でいつもやっている仕事」という意味です。
③の例文では、スキルの習得には「ルーチン化」が必要と言っています。何か新しい技術や知識を身に付けたいときに普段どうしているのかを考えれば理解しやすいです。新しく何かを覚える時に反復練習を行なった経験がある人は多いでしょう。
たとえば、元素表を覚えるために毎日3回声に出すことです。反復練習というのは、毎日同じことを繰り返すことです。これは「ルーチン」と意味が似ています。このことからスキルの習得には「ルーチン化」が必要と言っているのです。
「ルーチン」の語源
「ルーチン」の語源は英語のroutineです。意味はカタカナ語とほぼ同じです。「決まりきった」「日常の」という意味があります。
routineの語源をさらに辿ると、フランス語になります。フランス語にはrouteという単語があります。英語でも同じ単語がりますよね。道という意味です。それに「に属する」という意味のineが一緒になってroutineになりました。
「ルーチン」の類義語
「ルーチン」には以下のような類義語があります。
- ハビット:習慣
- タスク:しなければならないこと
「ハビット」は「習慣」という意味のカタカナ語です。特に個人が無意識のうちに日常でやっていることを指します。つまり「癖」も指します。
たとえば、夜食を毎日食べるということです。「ルーチン」のように、「意識的にやっていること」というような意味合いはありません。ただ自然と日常にやってしまうことを指します。
同様に「習慣」という意味のカタカナ語で、「カスタム」という単語があります。この2つの単語には違いがあります。
この単語は意味が同じでも、指している「習慣」が異なります。「ハビット」は個人的な習慣ですが、「カスタム」は社会的に作られた習慣です。
実際の例文では、「トレーニングハビット」「ハビット化する」というように使用します。特に「トレーニングハビット」という使い方は、ダイエットなどの健康に関する場面でよくされます。無意識のうちにトレーニングを行うということです。つまり、「トレーニングの習慣」という意味です。
「タスク」は「しなければならないこと」という意味のカタカナ語です。「ルーチン」のように「習慣的に行なっていること」という意味はありません。たとえば、今週末までにやらなければないことを「週末までのタスク」というように言い表せます。
しかしながら、「タスク」を達成化するために毎日何かしらの行動を積み重ねなければならない時もあります。たとえば、週末までにレポートを提出しなければならない場合、毎日ちょっとずつ書いておくことなどです。
その小さな行動が日々の習慣になった場合に「ルーチン化」するとも言えます。このように「ルーチン」と「タスク」は深い関係があるのです。
実際の例文としては「タスクを消化する」「タスクを達成する」が挙げられます。このような形で使用するのが一般的です。
「タスクを消化する」「タスクを達成する」というどちらの例文も「やるべきことを終えた」という意味です。「消化する」という表現に戸惑ってしまいますが、食品を食べるとなくなるように、するべきことを無くすという意味で理解するとよいでしょう。
「ルーチン」の対義語
「ルーチン」には以下のような対義語があります。
- アディショナル:追加の
- オプショナル:任意の
「アディショナル」は「追加の」という意味のカタカナ語です。語源は英語のaddtionalです。「ルーチン」「タスク」は、「やっていること」「やらなければならないこと」という意味合いが強いです。
しかしながら、「アディショナル」はそれには該当しません。「やっていること」「やらなければならないこと」に対しての「追加事項」という意味合いです。
たとえば、サッカーです。サッカーでは前半と後半に45分ずつプレイします。選手たちはもちろんこの時間帯に頑張ってプレイしますね。そして、後半が終わった後に、プレイ時間がさらに追加される時があります。
一般的には5分程度ですが、ゲームを続行することができます。この時間のことを「アディショナルタイム」と呼びます。一般的なプレイ時間に対して、さらに加えられる時間のことです。
その他にも「アディショナル」を使う例としては、「アディショナルチャージ」が挙げられます。これは「追加料金」という意味で、ホテルなどのサービス業でよく使います。たとえば、チェックアウトした後も続けてホテルに滞在するときの「追加料金」がこれに当たります。
「オプショナル」は「任意の」という意味のカタカナ語です。語源は英語のoptionalです。「ルーチン」は「自分の意思で毎日何かを続けること」ですが、「オプショナル」は「必要に応じてその都度行うこと」という意味です。
そのため、「タスク」のように「しなければならない」や「ルーチン」のように「毎日続ける」というような意味はありません。
「オプション」というカタカナ語がありますが、こちらは「選択」という意味です。この言葉を変化させたのが「オプショナル」です。つまり、「任意で選択可能」という意味です。
「オプショナル」を使用する代表的な例としては、「オプショナルツアー」があります。旅行に行く時、日程や訪問地というものは自分で決めます。
しかしながら、パッケージツアーの場合移動日程や訪問場所などが決められています。「オプショナルツアー」の場合、旅行者の自由行動が取れる時間に、別料金で観光などが楽しめるのです。旅を「オプショナル」に自分好みに変更ができるとして人気が高いです。
また、そのほかの用法としては、「やるかやらないかはオプショナルだ」「オプショナルで選択可能」というように使用します。
まとめ
以上、この記事では「ルーチン」について解説しました。
英語表記 | ルーチン(routine) |
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意味 | いつもやっていること |
語源 | 英語の “routine” |
類義語 | ハビット、タスクなど |
対義語 | アディショナル、オプショナルなど |
「ルーチン」は、日常の生活に密接した単語でもあります。「塵も積もれば山となる」という言葉があるように、小さな「ルーチン」を継続することは大切です。大きな目標も毎日コツコツと積み重ねれば達成することができます。
ぜひこの記事で「ルーチン」の意味や使い方を理解して、実際の生活でも役に立てるようにしましょう。