今回ご紹介する言葉は、熟語の「能動的」です。
言葉の意味・使い方・由来・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「能動的」をざっくり言うと……
読み方 | 能動的(のうどうてき) |
---|---|
意味 | 自分の方から他に作用を及ぼすさま・自分から積極的に他に干渉するさま |
由来 | 「働きかける」という意味の漢字 |
類義語 | 自発的、積極的、主体的 |
対義語 | 受動的、消極的 |
英語訳 | actively(積極的・能動的) |
「能動的」の意味をスッキリ理解!
「能動的」の意味を詳しく
「能動的」とは、「自分の方から他に作用を及ぼすさま」「自分から積極的に他に干渉するさま」のことです。
「自分から積極的に他に干渉するさま」とは、自分の意志で、他の人やものごとに干渉したり、影響を与えたりすることを指します。
それに対して、「自分の方から他に作用を及ぼすさま」という意味は、自分の意志や積極性に関係ありません。自分が他のものに接触したり、影響を及ぼした場合は、意志に関係なく「能動的である」と表現されるのです。
「意志に関係なく」と言われても、イメージしづらいと思うので、詳しく説明します。
たとえば、生物学の分野では「能動輸送」と「受動輸送」という言葉があります。これは、細胞が必要な養分を中に取り入れたり、不要な物質を外に出したりする方法の種類です。
細胞は「細胞膜」という薄い膜で仕切られており、非常に小さい物質はこの膜を通り抜けることができます。この物質を通らせる方法が以下のように分かれます。
- 能動輸送:井戸の水をポンプでくみ上げるように、エネルギーを必要とする輸送方法
- 受動輸送:川の水が上流から下流に流れるように、自然に移動が起きる方法
この輸送は、細胞自身が「養分を取り入れよう」と個別の意志を持って行動しているわけではなく、生命反応によって起こるものです。しかし、細胞がエネルギーを使って働きかけることによって起こる移動なので「能動」という言葉が使われています。
「能動的」の使い方
- 言われてから動くのではなく、能動的に行動しないといけない。
- 能動的に考えられる人間が必要とされている。
「能動的」の由来
「能動」の漢字にはそれぞれ以下のような意味があります。
- 能:仕事をする力・働きをする作用
- 動:位置・姿勢を変えること
「能」に「働きかける」という意味があることがわかります。
「能動的」の類義語
「能動的」には以下のような類義語があります。
- 自発的:ものごとを自ら好んで行うさま
- 積極的:ものごとに対して好意的で、自分から進んではたらきかけるさま
- 主体的:自分の意志や判断によって働きかけるさま
- アクティブ:活動的であること
これらの類義語と、「能動的」の違いを見ていきましょう。
類義語と「能動的」の違い
「自発的」には、「他からの指示がなくても行動するさま」という意味があり、「他からの指示があるかないか」という部分が重要になります。それに対して「能動的」「積極的」などは、「他からの指示があるか」はあまり関係がありません。
また、「積極的」には、「ものごとに好意的で、自ら進んで行動すること」という意味があり、「自分がやりたいと思ってやっている」という部分が重要になります。
これに対して「能動的」は、「主体になるものが他に働きかける」ことのみを表すので、「好意的かどうか」は重要ではありません。
また、「主体的」は、「自分の意志や判断によって働きかけるさま」であり、「主体の意志や自我」が重要になります。これに対して「能動的」は、「意志に関係なく、自分が他のものに接触したり、影響を及ぼした場合」を表すこともあるのです。
「能動的」と「積極的」の違いに関する詳しい解説は、コチラをご覧ください。
「能動的」の対義語
「能動的」には以下のような対義語があります。
- 受動的:他から動作・作用を及ぼされるさま・他に動かされて行動するさま
- 消極的:自分から進んで行動しないさま
- パッシブ:自分からは積極的に働きかけないさま
「能動的」の英語訳
「能動的」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- actively
(積極的・能動的)
まとめ
以上、この記事では「能動的」について解説しました。
読み方 | 能動的(のうどうてき) |
---|---|
意味 | 自分の方から他に作用を及ぼすさま・自分から積極的に他に干渉するさま |
由来 | 「働きかける」という意味の漢字 |
類義語 | 自発的、積極的、主体的 |
対義語 | 受動的、消極的 |
英語訳 | actively(積極的・能動的) |
「能動的」は、類義語との使い分けが難しいので、この機会にしっかりと理解しておきましょう。