「アクティブ」の意味とは?使い方から言い換えや英語や対義語まで解説

言葉

今回ご紹介する言葉はカタカナ語の「アクティブ」です。

言葉の意味・使い方・語源・類義語・対義語について分かりやすく解説します。

☆「アクティブ」をざっくり言うと……

読み方アクティブ(active)
意味能動態。または活動的であること。
語源ラテン語の actus
類義語アグレッシブやエネルギッシュなど
対義語パッシブやインアクティブ

「アクティブ」の意味をスッキリ理解!

アクティブ(active):能動態。または活動的であること。

「アクティブ」の意味を詳しく

アクティブとは、能動態や積極的であるさまを意味します。

まず能動態とは、文法の一つの形式のことです。その形式とは、動作を説明するとき、「文中の主語が他の人や物に働きかけた」と表すことです。

例文
  1. 彼が、この本を書いた。
  2. 先生は遅刻した生徒をしかった。
  3. この本は、彼によって書かれた。
  4. 遅刻した生徒は先生にしかられた。

❶・❷のように、「◯◯が〜する」や「◯◯は〜した」など、動作を行った人や物が主語となるような文態を能動態といいます。そして、❸・❹のように「◯◯は〜された」など、動作を行った人や物が主語でない文態を受動態といいます。

動作を能動的に行ったのか、それとも動作に対して受け身であったのか、のように区別をするとわかりやすく覚えることができます。

 

次に、活動的とは物事を自ら進んで行うさまのことです。人の行動や性格を表す言葉として使われています。一般的に、肯定的な意味合いで用いられることが多いです。

また、アクティブはIT用語として少し異なった意味を持っています。その意味とは、「動作中、もしくは操作可能な状態であること」です。

例えば、コンピュータ上でウェブサイトを閲覧しているとき、複数のウィンドウを開くことができます。このとき、画面の一番手前にある操作可能なウィンドウをアクティブウィンドウと呼びます。

そして、コンピュータのソフトウェアや周辺機器が動作中、起動中である状態もアクティブと表します。

アクティブを活用しよう!

アクティブは、英語圏で使われていた言葉で、日本でも使われるようになったカタカナ語です。そのため、アクティブから派生した言葉は複数あります。それらの言葉は、日本でもよく使われているので、いくつか紹介します。

アクティビティー(activity)

アクティビティーとは、活動や遊びを意味します。例えば、部活や課外活動、催しなどのことです。また SNS では、ユーザーの活動状況を表す言葉としても使われています。

activity の語尾につく -ity / -ty は接尾辞と呼ばれていて、意味を持ちます。接尾辞とは、意味のある語幹(※)の語尾につけられることで言葉に新しい意味や役割を持たせるものです。

-ity / -ty は、もとの語幹を性質や状態を表す名詞の形にするという役割を持ちます。簡単に説明すると、動詞を名詞化するのです。例えば、responsible (責任のある)に -ity を付け足すと、resposibility (責任)になります。

  • (※)語幹:一つの言葉の中で、意味を持つ部分のこと。

アクティビスト(activist)

アクティビストとは、政治的、社会的な活動家、あるいは株主として企業価値を上げるために意見する投資家のことを意味します。なぜ意見を言うのかというと、自身が株主であるがため、投資先の経営に積極的に関わることが自分の利益につながるからです。

activist の語尾につく -ist は接尾辞と呼ばれていて、意味を持ちます。-ist は、何かをする人や何かを信じる人のように、人物を表す言葉に変化させるという役割を持ちます。専門家や主義者、職業を意味することが多いです。

例えば、social(社会的)を socialist (社会主義者)に、piano (ピアノ)を pianist (ピアニスト)に変化させることができます。

 

ちなみに、-ist と同じ役割の持つ接尾辞は他にもあります。-er 、-an / -ian 、-or です。

ちなみに、-ist と同じ役割の持つ接尾辞は他にもあります。それは、-er 、-an / -ian 、-or です。これらの接尾辞の使い分けについては、それぞれの接尾辞の語源がラテン語やギリシャ語などと異なるからなど諸説あります。

アクティベート(activation)

アクティベートとは、有効化や利用できる状態にすることを意味します。例えば、口座やアカウント、コンピュータのソフトウェアなどを対象に用います。アクティベートを行う目的は、利用者が正当の契約者であることを確認し、利用許可を与えるためです。

activate の語尾につく -ate は接尾辞と呼ばれていて、意味を持ちます。-ate は単語を動詞にする役割を持ちます。例えば、fortune(幸運)を fortunate(幸運な)に変化させることができます。

「アクティブ」の使い方

  1. 学校の部活動以外にも様々な団体に所属し、活動している彼女はとてもアクティブな人だ。
  2. コンピュータのソフトウェアが壊れたと思ったら、アクティブになっていないだけだった。
  3. 深夜三時に SNS を確認したら、早寝をする親友がまだアクティブ状態で驚いた。

❶の例文は積極的な性格で、活動的であるさまという意味で用いられています。

❷の例文は、起動中であるという意味で用いられています。

❸の例文は、利用している状態という意味で用いられています。

アクティブの使い方 〜応用編〜

カタカナ語として、アクティブは「活動的なさま」を表すことが多いです。このように、形容詞としての意味合いが一般的なため、名詞の前に付けて多用されています。その中でも、よく使われている言葉をいくつか紹介します。

アクティブシニア

アクティブシニアとは、定年退職後も積極的に様々な行事や活動に参加する高齢者層のことを意味します。ほとんどの場合、2007年以降に退職された団塊世代のことを指します。

特に団塊世代の人々は、大量生産し、大量に消費する時代の中を生きてきました。そのため、旅行やコンサートなどの行事に対する関心が高く、より多くの活動に参加する傾向にあると言われています。

日本は少子高齢化が進んでいるので、これから人口の増えるだろうアクティブシニアに注目を向け始めています。特に、ビジネス業界やレジャー業界は、「第二の人生」を楽しむアクティブシニアをターゲットに様々な取り組みを行っています。

アクティブユーザー

アクティブユーザー(AU)とは、ある特定の期間にサイトに訪れたユーザー数の単位です。サイトの滞在時間や閲覧したページ数は関係なく、その期間内にサイトを訪れた回数のみに着目します。

このアクティブユーザーはサイトのアクセス解析を行うために必要なデータです。サイトのアクセス解析をすることで、ユーザーの傾向がわかり、より良いサイトへと改善させることができます。

アクティブラーニング

アクティブラーニングとは、生徒が能動的に学習を進める授業の手法のことです。一般的な授業風景として日本人がイメージするのは、先生が教壇に立って解説をし、生徒がその説明を黙って聞いているものが多いことでしょう。

しかしこれはアクティブラーニングとは言いません。なぜなら、生徒が自発的に学びを進める機会が少なく、受動的に先生の解説を聞いているからです。

アクティブラーニングでは、生徒同士の討論や発表など、生徒からの働きかけが必要となります。ただ正解を教えてもらうのではなく、自身で正解を探していく過程を重要視するのです。

このような授業の手法によって、生徒は「社会的能力・経験・倫理観」など多岐にわたる能力を得ることができると言われています。そのため、日本の教育界で注目を集めている授業手法でもあります。

「アクティブ」の語源

アクティブの語源は、ラテン語の actus です。actus は、行為という意味を持ちます。この言葉が語源となって、act という言葉が派生し、action や active などの言葉が生まれました。

ちなみに、active の語尾につく -ive の意味は「性質」です。

「アクティブ」の類義語

「アクティブ」には以下の類義語があります。

アグレッシブは、アクティブよりも積極的に活動に参加していることを表します。しかし、好戦的や攻撃的など否定的な意味合いを持つ言葉でもあるので、使い方には気をつけましょう。

そして、エネルギッシュはやる気に満ち溢れているさまを意味します。積極性があるという意味ではアクティブと共通しますが、実際に行動をしていなくてもエネルギッシュと表すことができます。この点に注意して使い分けましょう。

 

また、バイタリティは元気がある、行動的なさまを意味します。言い換えると、アクティブな状態であることをバイタリティがあると表すのです。

この二つの言葉の違いは品詞です。アクティブは形容詞と名詞の意味を持ちますが、バイタリティは名詞としての意味しか持ちません。

例文
  • Many of the cats are active at night.
    (多くの猫は、夜に活動的になる。)
  • She is an active person, even on vacation.
    (彼女は休暇中でも活動的な人だ。)
  • My grandfather’s vitality has diminished because of his wife’s death.
    (妻の死によっておじいさんは、活力が湧かなくなってしまった。)
  • The doctor was glad to see his patient full of vitality.
    (医者は患者の元気な様子をみて、嬉しく思った。)

「アクティブ」の対義語

「アクティブ」には以下の対義語があります。

  • パッシブ(passive):受動的で、消極的であるさま
  • インアクティブ(inactive):動いていない、または使用されていないこと

パッシブとインアクティブの違いは活動をしているか否かという点です。インアクティブは一時的、あるいは永続的に活動をしていない状態を表します。一方で、パッシブは消極的であることや従順であることを意味するので、活動自体はやめていないといえます。

まとめ

以上、この記事では「アクティブ」について解説しました。

読み方アクティブ(active)
意味能動態。または活動的であること。
語源ラテン語の actus
類義語アグレッシブやエネルギッシュなど
対義語パッシブやインアクティブ

みなさんは、最近「アクティブ」に活動していますか。活動範囲を広げれば広げるほど、個々の世界もきっと広がることでしょう。

世界は広く、知らないことで溢れているので、いろいろなことに精力的にチャレンジできるといいですね。「アクティブ」の精神を大切にしましょう。