「以前」の意味とは?使い方から類語や英語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「以前(いぜん)」です。

言葉の意味・使い方・語源・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「以前」をざっくり言うと……

読み方以前(いぜん)
意味その時を含んでそれより前のこと
語源「あるところを基準としてそれより」「前」という意味の漢字から
類義語従来、従前、先般
対義語以後、以降
英語訳before, since a while ago

「以前」の意味をスッキリ理解!

以前(いぜん):その時を含んでそれより前のこと

「以前」の意味を詳しく

「以前」には3つの意味があります。

  1. その時を含んでそれより前のこと
  2. 今よりも前のこと
  3. ある状態に達する前の段階

①:その時を含んでそれより前のこと

その時を含んでそれより前のことは、「以前」の代表的な意味です。日付や時間を「以前」の前に記載して、その日時を含んだそれより前を意味します。

たとえば「11月18日以前」と表記されていたら、11月18日を含んだそれより前の日のことを示します。日付や時間だけでなく、年代や西暦、大きな出来事なども「以前」の前に置くことができます。

②:今より前のこと

2つ目の意味は、明確な範囲の定義はありません。「今よりも前」の「前」の基準は曖昧なので、人によっても認識が異なることがあります。それほど遠い過去のことではなく、比較的近い過去のことを言う場合が多いです。

③:ある状態に達する前の状態

③の意味では「それ以前の問題」などと使い、何かをするにあたり、実行に移す前の段階にあるという意味で使われます。

①、②の意味とは異なり、時間軸に沿う意味はありません。

「以前」の使い方

「以前」は、以下のように使われます。

①:「その時を含んでそれより前のこと」の使い方

  • 合宿費用を15日以前に振り込んでください。

15日を含んでそれより前の期日に費用の振込を完了させてくださいという意味です。

②:「今よりも前のこと」の使い方

  • 以前お伝えした契約内容と変更ありません。

今より前のある時に、契約の内容について伝えてあったことが前提となっています。その時に話したことと変更がないことを意味します。このような表現はビジネスの場面でもよく用いられます。

他にも②の意味の表現として「以前お会いした」「以前からお世話になっている」などがあります。

③:「ある状態に達する前の段階」の使い方

  • 能力以前の問題として、遅刻してくるのは社会人として許されないことだろう。

わかりやすく言い換えると、遅刻をするという社会人としての最低マナーを守れないようでは、仕事をする上での能力やスキルといった難しい話をするレベルに達していないという意味になります。

「以前」の語源

「以前」の「以」は「あるところを基準としてそれより」という意味を持ちます。すなわち、範囲や方向の基点を意味する漢字です。

「以」が使われている言葉は他にも「以内」「以上」などがありますが、いずれも「それを含んでそれより」という意味合いが含まれています。

そのため「以前」は「その時点を含んでそれより前」という意味になります。

「以前」の類義語

「以前」には以下のような類義語があります。

  • 従来:以前から今まで
  • 従前:以前から今まで
  • 先般:先ごろ、この間
  • 前々:現在からかなり前
  • かつて:昔

「以前」の対義語

「以前」には以下のような対義語があります。

  • 以後:その時点から後
  • 以降:あるときより後

「以後」はその時点を含んでそれよりもあとのことという意味です。「以後気をつけます」などのように「今よりもあと、今後」という意味で使われることもあります。

「以降」は比較的長い期間を表し、過去のことであっても未来のことであっても表すことができます。

「以前」の英語訳

「以前」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • before
    (以前)
  • since a while ago
    (以前から)

まとめ

以上、この記事では「以前」について解説しました。

読み方以前(いぜん)
意味その時を含んでそれより前のこと
語源「あるところを基準としてそれより」「前」という意味の漢字から
類義語従来、従前、先般
対義語以後、以降
英語訳before, since a while ago

「以前」はよく使われる言葉ですが、3つ意味があるので正しい意味と使い方を理解しましょう。