「紙一重」の意味とは?使い方から英語や類語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「紙一重(かみひとえ)」です。

言葉の意味・使い方・語源・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「紙一重」をざっくり言うと……

読み方紙一重(かみひとえ)
意味紙一枚の厚さほどのわずかな違い
語源「紙」と「そのものだけで重なっていないこと」という意味から
類義語表裏一体、瀬戸際、かろうじてなど
英語訳hair’s breadth

「紙一重」の意味をスッキリ理解!

紙一重(かみひとえ):紙一枚の厚さほどのごくわずかな違い

「紙一重」の意味を詳しく

「紙一重」は、紙一枚の厚さほどのごくわずかな違いという意味です。

2つ以上の物事を比較した時に、薄っぺらい紙一枚分ほどしか差や隔たりがないことを「紙一重」と言います。また、ほとんど差がない状況で、あえて優劣をつけなければいけない場合など、判断が難しい際にも使われます。

比較する対象は、物質的なもの同士や状況、地位などの数量や程度であることが多いです。距離や時間、対称となる概念同士などを比較する場合もあります。

「紙一重」の使い方

  1. 紙一重の差で競合チームに負けてしまった。
  2. レポートの締め切り時間に紙一重で間に合った。
  3. 商談の返事において、イエスとノーは紙一重であると上司に教わった。

「紙一重」はわずかな違いという意味ですが、様々な場面で使うことができます。

①の例文では「紙一重の差」という表現を用いています。「紙一重の差」はよく使われる言い回して、差がわずかしかなかったことを強調できます。この例文の場合は、チームの実力が「紙一重」であったことがわかります。

②の例文では締め切り時間ギリギリでレポートを出した様子から、時間が「紙一重」です。わずかな差はこの場合には一瞬の差という意味で用いられています。

③の例文は、ビジネスシーンにおける「紙一重」の使い方のわかりやすい例です。取引先との商談がうまく行っている実感があったとしても、断りの連絡があることもよく起こります。油断してはならないことの注意喚起のために「紙一重」を使っています。

「紙一重」の語源

「紙一重」は「紙」と「一重」が組み合わさってできた熟語です。

「一重」とは「そのものだけで重なっていないこと」という意味で、重なりがない分とても薄いという意味です。

したがって「紙一重」は紙一枚分という意味になり、紙一枚分のわずかな差を意味するようになりました。

「紙一重」の類義語

「紙一重」には以下のような類義語があります。

  • 表裏一体:相反するように映る2つのものが、実際は根底の部分で密接な結びつきがあること
  • 瀬戸際:生死や勝ち負けなど、運命の分かれ目のこと
  • かろうじて:やっとのことで、ギリギリで、何とか
  • 一触即発:ほんの少し触れただけで、ただちに爆発をしてしまうような状況
  • 危機一髪:危機に陥りそうな危険な状況

「紙一重」の英語訳

「紙一重」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • hair’s breadth
    (紙一重、危機一髪)

hairは髪、breadthは幅という意味です。ここから”hair’s breadth”は、「髪の毛一本ほどの差」という意味になりました。日本語の場合は「紙」なので、意味合いはとても似ています。

  • The shot missed me by a hair’s breadth.(間一髪のところを免れた。)
  • The difference between you and teacher were hair’s breadths.(彼は師匠と紙一重だった。)

まとめ

以上、この記事では「紙一重」について解説しました。

読み方紙一重(かみひとえ)
意味紙一枚の厚さほどのわずかな違い
語源「紙」と「そのものだけで重なっていないこと」という意味から
類義語表裏一体、瀬戸際、かろうじてなど
英語訳hair’s breadth

「紙一重」は意味が漢字から想像しやすく、使い方も複雑ではないため、日常的にもビジネスシーンにおいても比較的使いやすい熟語です。正しい意味を理解して使いこなせるようにしましょう。