今回ご紹介する言葉は、熟語の「瑕疵(かし)」です。
言葉の意味・使い方・語源・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「瑕疵」をざっくり言うと……
読み方 | 瑕疵(かし) |
---|---|
意味 | 一般的には備わっているにもかかわらず、本来あるべき機能・品質・性能・状態が備わっていないこと |
語源 | 「瑕(か)」と「疵(し)」は、それぞれ傷という意味がある |
類義語 | 欠点、欠陥、不具合など |
対義語 | 完全、完璧、盤石など |
英語訳 | defect(瑕疵) |
「瑕疵」の意味をスッキリ理解!
「瑕疵」の意味を詳しく
瑕疵(かし)とは、過失や欠点・欠陥のことを言います。普段の会話で用いられることは少なく、法律用語として使われる機会が多い言葉です。
法律上の意味としては、一般的には備わっているにもかかわらず、本来あるべき機能・品質・性能・状態が備わっていないことを表し、主に不動産関係で使われます。
ニュースでも話題に上ることの多い「施工不良」などは瑕疵に当たります。民法では「瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)」というものが定められています。
内容としては、売主が買主に対して隠れた瑕疵を通知しないまま売買契約を結び、後日瑕疵が見つかった場合には、売主が買主に対して損害賠償責任を負う、というものです。
隠れた瑕疵とは、通常では見つけることのできない瑕疵であり、買主がその瑕疵を契約時点で知らなかったことが前提となります。
また不動産関係の瑕疵としては、「心理的瑕疵」というものもあります。これは、建物そのものの瑕疵ではなく、室内で人が亡くなったなどの「事故物件」や、その近隣に反社会勢力の拠点があること、などを指します。
他に民法では、詐欺や脅迫によって結ばれた契約を「瑕疵ある意思表示」と言います。これは意思表示はされているので契約自体は有効なものの、結ばされた人が不利になってしまうため、契約を取り消すことができるというものです。
このように、法律上で頻繁に登場する言葉ですが、不動産や詐欺などの日常生活に関わる事柄において使われるため、瑕疵の意味を理解しておくことは重要であると言えます。
「瑕疵」の使い方
- この建物には、設計上の瑕疵は認められなかった。
- サイトに「心理的瑕疵あり」と記載があったので、不動産屋に問い合わせた。
- 民法の授業で瑕疵担保責任について学んだ。
上記の例文のように、法律上の意味として使われる事例がほとんどになります。
「瑕疵」の語源
瑕疵の「瑕(か)」と「疵(し)」は、どちらも傷という意味があります。「瑕」は、もともとは「未加工の玉」を表し、「疵」は「開いた傷口」を表しています。この2つの漢字を組み合わせて、欠点があることを表す用語として用いられています。
「瑕疵」の類義語
瑕疵には以下のような類義語があります。
- 欠点:不十分・不完全で、非難の対象となるような点
- 欠陥:欠けて足りないもの
- 不具合:具合の悪いこと
- 不備:必要なものが完全にはそろっていないこと
- 傷:切ったり打ったりして、皮膚や肉を損ずること
瑕疵には完全ではない、通常どおりではないという意味があり、類義語はこの他にも多数存在します。
「瑕疵」の対義語
瑕疵には以下のような対義語があります。
対義語としては、上記のような不備がない状態の言葉が挙げられます。
「瑕疵」の英語訳
瑕疵を英語に訳すと、次のような表現になります。
- defect
(瑕疵) - deficiency
(欠陥) - imperfection
(不完全)
まとめ
以上、この記事では「瑕疵」について解説しました。
読み方 | 瑕疵(かし) |
---|---|
意味 | 一般的には備わっているにもかかわらず、本来あるべき機能・品質・性能・状態が備わっていないこと |
語源 | 「瑕(か)」と「疵(し)」は、それぞれ傷という意味がある |
類義語 | 欠点、欠陥、不具合など |
対義語 | 完全、完璧、盤石など |
英語訳 | defect(瑕疵) |
瑕疵は読み方の難しい漢字ですが、不動産の契約時などによく使われる言葉です。賃貸住宅を借りる際にも関係してくるため、意味を覚えておくとよいでしょう。