今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「千載一遇(せんざいいちぐう)」です。
言葉の言葉の意味・使い方・由来・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「千載一遇」をざっくり言うと……
読み方 | 千載一遇(せんざいいちぐう) |
---|---|
意味 | めったにめぐり合えないような良い機会のこと |
由来 | 『三国名臣序賛』 |
類義語 | 千載一会、曇華一現、盲亀浮木など |
英語訳 | one chance in a million(百万年に一度の機会)、one‐in‐a‐million chance(百万年に一度の機会) |
「千載一遇」の意味をスッキリ理解!
「千載一遇」の意味を詳しく
「千載一遇」とは、「またとない絶好の機会」のことです。
この四字熟語は、前半の「千載」と、後半の「一遇」に分解することができます。
- 千載:千年
- 一遇:一度だけめぐり合うこと
「千載」と「一遇」のそれぞれの意味から、「千載一遇」は「千年に一度だけめぐり合う」ということを表しています。
千年に一度しかめぐり合えないということは、非常に珍しいことであると言えますね。ですから、「千載一遇」の意味は「めったにめぐり合えないような機会」という意味になるのです。
もともと「千載一遇」は、素晴らしい人や、偉大な人との出会いを指す言葉でした。しかし、現在は、絶好の「チャンス」「機会」との出会いを指すことが一般的です。
なお、読み方や表記については、以下の点に気をつけましょう。
- 「千載一遇」を「せんさいいちぐう」と読むのは誤り。
- 「遇」の字を「偶」「隅」と書くのは誤り。
- 「千載」の「載」は、まれに「歳」と書く場合がある。
「千載一遇」の使い方
「千載一遇」を用いた例文には、以下のようなものがあります。
- 明日のオーディションに合格すれば、連続ドラマの主人公を演じることができる。まさに千載一遇のチャンスだ。
- 人気アイドルのコンサートの抽選に当選するとは、千載一遇だ。
- 今回の仕事は、上司に自分の能力をアピールするための千載一遇の機会になりそうだ。
「千載一遇」はポジティブな意味合いで使われます。めったにないような良い機会が訪れた状況で使いましょう。
「千載一遇のチャンス」「千載一遇の機会」という言い回しで用いられることが一般的です。
「千載一遇の出会い」という表現は完全な誤りではないものの、やや不自然といえます。
なぜなら、「千載一遇」の「一遇」に「出会う」という意味が含まれているからです。
「出会い」という語句を後ろにつけると、同じ意味が重複してしまいます。
「千載一遇」の由来
「千載一遇」の由来は『三国名臣序賛(さんごくめいしんじょさん)』という本の一節です。
『三国名臣序賛』には、次の文が書かれています。
千載の一遇は、賢智(けんち)の嘉會(かかい)なり
(千年に一度でも、賢い人や、皆のお手本になるような人に会えたとするならば、それは幸せな出会いである)
優秀な人に会うということは、とても珍しい機会であるということです。この記述が「千載一遇」の由来なのです。
『三国名臣序賛』は、中国の袁宏(えんこう)という歴史家が書いた書物です。
魏(ぎ)・呉(ご)・蜀(しょく)という3つの国のなかから、それぞれ優秀な臣下(しんか)を紹介するために書かれました。
「千載一遇」の類義語
「千載一遇」には以下のような類義語があります。
- 千載一会(せんざいいちえ):またとない機会
- 千載一合(せんざいいちごう):またとない機会
- 曇華一現(どんげいちげん):珍しい機会
- 盲亀浮木(もうきふぼく):めったに会えないこと
- 空前絶後(くうぜんぜつご):とても珍しいこと
- 僅有絶無(きんゆうぜつむ):ほとんどないこと
- 千載一時(せんざいいちじ):またとない機会
- 一期一会(いちごいちえ):一生に一度の出会い
- 一世一代(いっせいちだい):一生に一度の重要なこと
どの言葉も、非常に珍しいことを表しています。ですから、「千載一遇」の類義語といえます。
「千載一遇」と「一期一会」の違い
「一期一会」は「一生に一度の縁」を指します。
「めったにない出会いを表す、ポジティブな言葉」である点が、「千載一遇」と共通していますね。
ただし、「千載一遇」と「一期一会」は、「何との出会い」を指しているかという点で異なるのです。
- 千載一遇:主に「人」との出会いを指す
- 一期一会:主に「機会」「チャンス」との出会いを指す
つまり、「一期一会」はあくまでも「人」との良縁に対してのみ使われます。
そのため、「一期一会の機会」「一期一会のチャンス」という使い方はしません。
「千載一遇」の英語訳
「千載一遇」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- one chance in a million
(百万年に一度の機会) - one‐in‐a‐million chance
(百万年に一度の機会) - a golden opportunity
(絶好の機会)
「千載一遇」は、「千」という数字を使って、「いかに珍しいことであるのか」を強調しています。
一方、英語訳では、「千」よりもさらに大きい「百万」という数字を用いていますね。
まとめ
以上、この記事では「千載一遇」について解説しました。
読み方 | 千載一遇(せんざいいちぐう) |
---|---|
意味 | めったにめぐり合えないような良い機会のこと |
由来 | 『三国名臣序賛』 |
類義語 | 千載一会、曇華一現、盲亀浮木など |
英語訳 | one chance in a million(百万年に一度の機会)、one‐in‐a‐million chance(百万年に一度の機会) |
「千載一遇」は、日常生活でもよく耳にする四字熟語ではないでしょうか。
珍しい機会に恵まれたときには、「千載一遇」という言葉を思い出してみましょう。