天変地異とは「天空と地上に起こる異変」「変わった出来事」という意味です。
普段何気なく使っている言葉ですが、「正確な意味や使い方はよくわからない」という人も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、「天変地異」の意味や使い方、類義語や英語訳について詳しく解説します。
☆「天変地異」をざっくり言うと……
読み方 | 天変地異(てんぺんちい) |
---|---|
意味 | 天空と地上に起こる異変。変わった出来事。 |
由来 | 「天空に起こる異変」を意味する天変、「地上に起こる異変」を意味する地異より。 |
類義語 | 天災地変 天変地変 天変地夭 など |
対義語 | 人為災害 地平天成 天下泰平 など |
英語訳 | an act of God(天災地変) natural disaster(天変地夭) extraordinary natural occurrence(天変地異) など |
「天変地異」の意味
- 天空と地上に起こる異変
- 変わった出来事
「天変地異」には二つの意味があります。
ひとつ目の意味は「天空と地上に起こる異変」です。
二つ目の意味は「変わった出来事」です。
それぞれの意味について解説していきます。
「天空と地上に起こる異変」の意味
「天空と地上に起こる異変」は、大雨や暴風、地震や津波など天空でも地上でも起こる災害を指します。
災害をひとまとめにした言葉です。
「変わった出来事」の意味
「変わった出来事」の意味は、「天空と地上に起こる異変」の意味から派生して生まれたものです。
いつも起こらないことが起きたときに用います。
「天変地異」の例文
「天変地異」の例文を2つの意味に分けてご紹介します。
「天空と地上に起こる異変」の意味の使い方
- 天変地異が起きて試験が無くなればいいと思った。
- 天変地異を予測するのは難しい。
- 天変地異にそなえて、日ごろから準備をしておく。
災害をひとくくりに表現するときに使います。
「変わった出来事」の意味の使い方
- 寝坊癖のある彼が朝6時に起きるなんて、天変地異の前触れだ。
- いつも赤点の友人が100点を取ったので、天変地異が起こるかもしれない。
普段ないような、珍しいことが起きたときに使います。
「天変地異」の由来
天変地異は、天変と地異の二つの熟語で構成されています。
それぞれの意味について解説していきます。
「天変」の意味
天変は、天空に起こる異変のことです。
大雨・暴風・落雷・日食・月食などを指します。
「地異」の意味
地異は、地上に起こる異変のことです。
地震・津波・噴火・洪水・氾濫などを指します。
「天変地異」の類義語
天変地異には以下のような類義語があります。
- 天災地変(てんさいちへん)
自然界に起こるさまざまな災い - 天変地夭・天変地妖(てんぺんちよう)
天上や地上に起こる怪しい変異 - 自然災害(しぜんさいがい)
危機的な自然現象 - 天災(てんさい)
自然現象によってもたらされる災難 - 災難
わざわいのこと - 患禍(かんか)
災いのこと - わざわい
災難のこと - 殃禍(おうか)
災厄のこと - 禍害(かがい)
災難のこと - 変災(へんさい)
事変や天災から受ける災難 - 大災(たいさい)
はなはだしい災害 - 災厄(さいやく)
災難のこと - 横災(おうさい)
思いもかけない災難 - 激甚災害(げきじんさいがい)
いちじるしい被害をおよぼした災害 - 禍事(かじ)
災難のこと - 災禍(さいか)
天災や事故によって受けるわざわいのこと - 厄害(やくがい)
厄難と災害 - 惨害(さんがい)
いたましいわざわい - 厄災(やくさい)
災難のこと - 厄難(やくなん)
わざわいのこと - 惨事(さんじ)
むごたらしい出来事 - 惨禍(さんか)
いたましいわざわい - 禍患(かかん)
災難、不幸 - 惨劇(さんげき)
むごたらしい出来事 - 禍殃(かおう)
わざわいのこと - 禍難(かなん)
災害のこと - 奇禍(きか)
思いがけない災難
「天災地変」との違い
- 天変地異
「変わった出来事」を意味に含める - 天災地変
「変わった出来事」を意味に含めない
天変地異と天災地変の違いは、「変わった出来事」の意味の有無です。
天変地異も天災地変も「自然界に起こるさまざまな災い」の意味を持っています。
しかし天変地異は、直接被害をもたらさない月食や日食などの変わった現象も意味に含みます。
「自然災害」との違い
- 天変地異は詩的表現
- 天変地異は変わった出来事も表す
天変地異は詩的表現で、かつ変わった出来事も表すため自然災害とは違います。
天変地異と自然災害は、「自然現象の急激な変化」という点で共通しています。
しかし、天変地異のほうが自然災害よりも詩的な表現であるため、マスメディアでは自然災害という言葉が使われます。
さらに自然災害が被害を生み出すことしか表さないのに対し、天変地異は日食や彗星などの変わった現象を指すため、両者は区別されます。
「天変地異」の対義語
天変地異には以下のような対義語があります。
- 人為災害(じんいさいがい)
人が自然に手を加えたことが原因で起こる災害のこと - 地平天成(ちへいてんせい)
世の中が平穏で、天地が治まること - 天下泰平(てんかたいへい)
世の中がよく治まり、穏やかな様子 - 偃武修文(えんぶしゅうぶん)
戦いをやめて平穏な世の中を築くこと - 尭年舜日(ぎょうねんしゅんじつ)
天下泰平の世の中であることのたとえ - 尭風舜雨(ぎょうふうしゅんう)
世の中が平和で穏やかなこと - 帰馬放牛(きばほうぎゅう)
戦争が終わって平和になること - 安穏(あんのん)
何事もなく穏やかなこと - 平安
無事平穏なこと - 平穏(へいおん)
変わった事も起こらず、おだやかな様子 - 平和
戦いや争いがなくおだやかな状態 - 平穏無事(へいおんぶじ)
変わったこともなく穏やかな様子 - 安泰(あんたい)
無事安全で、何の危険もないこと - 安寧(あんねい)
社会が穏やかで平和なこと - 無風
波乱(はらん)が無いこと - 太平・泰平(たいへい)
世の中がよく治まって平和なこと - 長閑(のどか)
静かでのんびりとして落ち着いている様子 - 静穏(せいおん)
何事も起こらず、おだやかなこと - 康寧(こうねい)
平穏無事であること
「天変地異」の英語訳
天変地異を英語に訳すと、次のような表現になります。
- an act of God
(天災地変) - natural disaster
(天変地夭) - extraordinary natural occurrence
(天変地異) - natural hazard
(自然災害) - calamity
(惨禍) - misfortune
(災難) - tragedy
(惨事) - catastrophe
(大災害) - extraordinary natural phenomenon
(天変地異) - convulsion of nature
(天変地異)
「天変地異」のまとめ
以上、この記事では「天変地異」について解説しました。
読み方 | 天変地異(てんぺんちい) |
---|---|
意味 | 天空と地上に起こる異変。変わった出来事。 |
由来 | 「天空に起こる異変」を意味する天変、「地上に起こる異変」を意味する地異より。 |
類義語 | 天災地変 天変地変 天変地夭 など |
対義語 | 人為災害 地平天成 天下泰平 など |
英語訳 | an act of God(天災地変) natural disaster(天変地夭) extraordinary natural occurrence(天変地異) など |
類義語や対義語、英語訳などを踏まえ、天変地異を正しく使いこなしましょう。