今回ご紹介する言葉は、熟語の「造詣(ぞうけい)」です。
言葉の意味・使い方・語源・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
「造詣」の意味をスッキリ理解!
「造詣」の意味を詳しく
「造詣」とは「ある特定の分野についての広くて深い知識と技量」を意味しています。
「造詣」は、「深い知識」や「優れた技術」そのもののことです。「深い知識や優れた技術を持っていること」ではないので注意しましょう。
なお、「造詣」を用いることのできるのは難解、そして専門的な分野のみです。
具体的には、文学や歴史などの「学問」、音楽や美術などの「芸術」に対して用いることができます。「長年、一つの分野について学び、修行を続けたことによって身に付けた、総合的な知識や理解」とイメージすればよいでしょう。
一般的な知識や技術に対して「造詣」を用いることはありません。
「造詣」の使い方
- あの学者は、平安時代の歴史に造詣が深いので、文化財保護のプロジェクトには適任だ。
- 絵画の歴史に造詣のある人の解説があると、美術館をより楽しむことができる。
- 彼はギリシア哲学に造詣が深く、その分野に関する本もいくつか書いている。
「造詣」は上記の例文のように、「造詣が深い」という形で「ある人の知識の深さをほめる」時に使われるのが一般的です。
これら3つの例文では、それぞれ「平安時代の文学」「絵画の歴史」「ギリシア哲学」に関して深い見識を持っていることを表しています。2つ目の例文にあるように、「造詣のある」というように使うこともできます。
ちなみに、「造詣」を「ぞうし」と読むのは誤りです。漢字の「詣」の音読みは、「けい」しかないので注意しましょう。
「造詣」の語源
「造詣」は、一見すると用いられている漢字の意味と、熟語の意味が異なっているように思えます。しかし、実は「造詣」は似た意味を持った漢字を重ねることで成り立っている熟語なのです。
まず「造」には、「あるところに届く」という意味があります。次に「詣」は「高いところに行き着く」という意味を含んでいます。どちらの漢字にも「あることに関して深いところまで達している」という意味が共通していますね。
ここから、「造詣」は「高い水準にまで達している学術や芸術への知識と技量」を表すようになったのです。
「造詣」の類義語
造詣には以下のような類義語があります。
- 精通(せいつう):あることに関してとても詳しいこと
- 蘊蓄(うんちく):蓄えられた深い知識
- 学識(がくしき):学問における知識と見識
「造詣」の英語訳
造詣を英語に訳すと、次のような表現になります。
- profound knowledge
(深い知識)
例えば、 “The politician has a profound knowledge of Greek philosophy.” といえば、「その政治家は、ギリシア哲学に造詣が深い」という意味です。
まとめ
以上、この記事では「造詣」について解説しました。
読み方 | 造詣(ぞうけい) |
---|---|
意味 | ある分野への深い知識や優れた技術 |
語源 | 「深いところまで達している」という意味を持つ「造」と「詣」の組み合わせ |
類義語 | 精通、蘊蓄、学識 |
英語訳 | profound knowledge(深い知識) |
いざ使う場面が来た時のために、この記事でしっかりと「造詣」の意味や使い方等を理解しておきましょう。