今回ご紹介する言葉は、熟語の「暫時(ざんじ)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「暫時」をざっくり言うと……
読み方 | 暫時(ざんじ) |
---|---|
意味 | わずかな間のこと |
類義語 | 寸刻、一時、少時など |
対義語 | 恒久、永遠、永久など |
英語訳 | for a while(しばらくの間) |
「暫時」の意味をスッキリ理解!
「暫時」の意味を詳しく
「暫時」とは、「わずかな間」や「しばらくの間」という意味です。
「暫」という漢字には、「しばらく」という意味があります。また、小説の中などでは、「暫時」と書いて「しばらく」と読むこともあります。「しばらく」は、一時的なことを指す一方で、ある程度長く続くさまも表す言葉です。
しかし、「暫時」と言う熟語は一般的に「短い時間」のことを表します。
「暫時」の使い方
- 少し余裕ができたので、暫時休憩をいただきます。
- 申し訳ありませんが、暫時の間お待ちください。
- 仲の悪い2人がはち合わせ、暫時空気が凍りついた。
最も良く使われるのが、①の「暫時休憩」です。丁寧でやや堅い言い方になります。そのため、上司など目上の人物に対して使いましょう。②も同じく丁寧な言い方であるため、敬語と共に使います。
書き言葉として使う場合は、③のようになります。
「暫時」の類義語
暫時には以下のような類義語があります。
- 寸刻(すんこく):わずかの時刻
- 一時(いっとき):短い時間のこと
- 少時(しょうじ):しばらくの間のこと
- 鳥渡(ちと):時間などが短いさま
- 一寸(ちょっと):わずかな時間のこと
「暫時」の対義語
暫時には以下のような対義語があります。
- 恒久(こうきゅう):いつまでも同じ状態が続くさま
- 永遠(えいえん):ある状態がずっと続くこと
- 永久(えいきゅう):時間の果てがないこと
- 久遠(くおん):長く続くこと
- 無窮(むきゅう):果てしないさま
- 悠久(ゆうきゅう):果てしなく長く続くこと
「暫時」の英語訳
暫時を英語に訳すと、次のような表現になります。
- tentative
(暫定的な) - temporary
(一時の) - for a while
(しばらくの間)
“tentative” は、「仮の」や「暫定的な」という意味です。「わずかな間=仮の」という意味で、 “tentative reservation(仮予約)” のように使います。
“temporary” は “tentative” と似ています。派遣社員は、「わずかな間の従業員」という意味から “a temporary employee” と言います。
“for a while” は「しばらく」と同じように、長い時間と短い時間のどちらにもなり得ます。
短い時間の場合、“I’ll take a nap for a while.(少し昼寝します)” のように言います。長い時間の場合は、 “I haven’t seen him for a while.(しばらく彼に会っていません)” というように表現します。
まとめ
以上、この記事では「暫時」について解説しました。
読み方 | 暫時(ざんじ) |
---|---|
意味 | わずかな間のこと |
類義語 | 寸刻、一時、少時など |
対義語 | 恒久、永遠、永久など |
英語訳 | for a while(しばらくの間) |
「暫時」は、主に文学など少し改まった表現をする時に使われます。そのため、使い方を知らない人も多いです。この機会に覚え、ぜひ表現の幅を増やしましょう。