今回ご紹介する言葉は、熟語の「融通(ゆうずう)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「融通」をざっくり言うと……
読み方 | 融通(ゆうずう) |
---|---|
意味 | 滞りなく通じること |
類義語 | 順応、調節、適応など |
対義語 | 頑固 |
英語訳 | versatility(融通) |
「融通」の意味をスッキリ理解!
「融通」の意味を詳しく
「融通」は、「融」と「通」という2つの漢字から構成されています。
「融」は、「ゆう」「とける」と読み、「固体が液状になる」「親和する」という意味をもちます。この漢字を使った熟語には、「融点」「融和」等があります。
「通」は、「つう」「とおる」と読み、「物事がとどこおりなくゆく」という意味があります。この漢字は、「通行」「疎通」等の熟語に用いられています。
この2つの漢字の意味から、「融通」は、「物事が親和し、とどこおりなくすすむ」という意味を表します。
融通無碍(ゆうずうむげ)
この「融通」という熟語は、仏教語の「融通無碍」に由来すると言われています。「融通無碍」は、華厳経(けごんきょう)という宗派の仏教の書物に用いられており、「異なるものがとけあう」という意味で解釈されています。
この意味から派生し、現在「融通無碍」は、「考え方や行動が、何にも縛られず、自由で柔軟性があること」という意味で用いられています。この「融通無碍」は、ビジネス用語としてもよく使われています。
「融通」の使い方
- ビジネスの場において、すぐに融通を利かせて行動できる人物は、重宝される。
- もう少しだけ、資金を融通してもらえないでしょうか。
- 彼女の融通無碍な発想が、部署を助けている。
①の例文で、「融通」は、「融通が利く」という形で用いられています。「融通」は、多くの場合で、この「融通が利く」又は「融通が利かない」という表現で使われます。「融通が利く」とは、「臨機応変に柔軟な対応ができる」という意味を持ちます。
②の例文で、「融通」は、「融通する」という形で用いられています。この場合の「融通する」は、「資金等お金を貸し借りする」という意味で使われています。
「融通する」と表現する場合、多くの場合では、「お金の都合をつける」という意味で用いられますが、「予定等の都合をつける」という意味で用いられることもあります。
③の例文で、「融通」は、語源ともなった「融通無碍」という形で用いられています。この場合、「融通無碍」は「考え方や行動等が自由で柔軟である」という意味で用いられます。
「融通」の類義語
融通には以下のような類義語があります。
- 順応(じゅんのう):環境や変化に溶け込むこと
- 調節(ちょうせつ):つり合いが取れるようにすること
- 適応(てきおう):ある状況にふさわしいこと
- 都合(つごう):やりくりすること
- 貸付(かしつけ):貸し付けること
- 貸与(たいよ):貸し与えること
「融通」の対義語
融通には以下のような対義語があります。
- 頑固(がんこ):他人の意見を聞かず、自分の考え方を貫くこと
「頑固」は、「融通が利く」に対する対義語となっています。
「融通」の英語訳
融通を英語に訳すと、次のような表現になります。
- versatility
(融通) - accommodation
(適応) - adaptability
(適応性)
まとめ
以上、この記事では「融通」について解説しました。
読み方 | 融通(ゆうずう) |
---|---|
意味 | 滞りなく通じること |
類義語 | 順応、調節、適応など |
対義語 | 頑固 |
英語訳 | versatility(融通) |
「融通」は、「融通が利く」という形でさまざまな場面で使われる単語です。
柔軟性があり、その場に応じた臨機応変な行動ができると、どの場面においても重宝されます。
「融通が利く」人物を目指しましょう。