「よすが」とは「①頼りにしている物や人②手がかり」という意味です。
小説や俳句などで使う単語なので、馴染みが全くないと感じる人もいるのではないのでしょうか。
そこで今回は「よすが」の意味や使い方などについて簡単にわかりやすく解説します。
「よすが」の意味
①頼りにしている物や人
例:彼との思い出をよすがに生きていこう。
②手がかり
例:過去の真実を知るよすがは残されていない。
「よすが」は「①頼りにしている物や人②手がかり」という意味です。
①と②で意味が違うと思ってしまいますが、「頼りになる」「重要である」といった意味合いは共通しています。
また、漢字表記は3つほど存在しますが、読み方は全て「よすが」です。
- 縁
- 便
- 因
たとえば、付き合っていた彼氏が亡くなってしまい、その時の思い出を大切に感じているとします。
この状況を「彼との思い出をよすがにする」と表現できます。
一方で、何か迷宮入りになってしまった事件について調べていたとします。
調べが行き詰まったり、これ以上捜査できなかったりすると、「真実を知るよすがはない」と言えます。
「ヨスガる」は「いちゃつく」「近親相姦」といった別の意味を持つ単語です。
成人向けアニメ『ヨスガノソラ』の「ヨスガ」が語源となって生まれたので、全く別物です。
「よすが」の使い方
「よすが」は主に小説や俳句などで使い、日常生活ではあまり使用しません。
また、「よすが」は物と人の両方に対して使用可能です。
思い出など実体のない物についても使えます。
一方で、重要な意味合いがない、普通の物や人には使えません。
実際の例文を見てみましょう。
物について使う場合
物について使う場合は以下のように使用します。
- 小道具をよすがに改善を行う。
- パソコンこそが成功のよすがだ。
- 作業効率を上げるよすがはデスクだと思う。
また、実体のない物について使う場合は以下の通りです。
- 彼の証言をよすがに犯人を探したい。
- 君との日々をよすがに生きる。
- 自分の長所をよすがにして困難を乗り越えたい。
人について使う場合
人について使う場合は以下のように使用します。
- 親族をよすがにして生活する。
- 結婚してから配偶者をよすがにしている。
- 知人をよすがにして助けを求める。
「よすが」の由来
「よすが」は「寄す処(よすか)」という単語が由来です。
文字をそのまま読めば、「(身など)を寄せる場所」という意味です。
昔はこれを「家のように頼りになる場所」というように解釈しており、それが変化して「①頼りにしている物や人②手がかり」という意味が生まれました。
ちなみに、古語では「よすか」と読んでおり、いつ濁音がついたのかははっきりわかっていません。
また、古文を見ると、「よすか」は万葉集では「故郷」、源氏物語では「夫や妻」を表していました。
「よすが」の類義語
「よすが」の類義語には以下のようなものがあります。
- よりどころ
たよりにするところ - 身寄り
親族など、頼りになる人 - 頼みの綱
頼りにしてすがる物や人 - 寄る辺(よるべ)
身を寄せる人や物 - 足がかり
きっかけ、頼りになる手段 - 手がかり
ヒント、重要なこと
「よすが」の英語訳
「よすが」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- means
(手段)
「よすが」のニュアンスを英語に変化するのは難しいですが、「手段」という意味の“means”が近くなります。
たとえば、「生きるよすが」は“means of living”となります。
「よすが」のまとめ
以上、この記事では「よすが」について解説しました。
読み方 | よすが |
---|---|
意味 | ①頼りにしている物や人 ②手がかり |
由来 | 「寄す処(よすか)」という単語 |
類義語 | よりどころ 身寄り 頼みの綱 など |
英語訳 | means など |
「よすが」は古語が由来なので全く知らない人もいるでしょう。
しかし、意味が分からなければ困る場面もありますね。
ぜひ、この記事を参考にして意味や使い方を覚えましょう。