「与件」の意味とは?読み方から英語まで簡単にわかりやすく解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「与件(よけん)」です。

言葉の意味・使い方・類義語・「与件」と「予見」の違い・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「与件」をざっくり言うと……

読み方予見(よけん)
意味ある事柄の前提条件、またそれに関するものを与えること
類義語前提条件、所与、製薬など
「与件」と「予見」の違い「与える」というニュアンスの有無
英語訳given condition(与えられた状況、身分)

「与件」の意味をスッキリ理解!

 与件(よけん):ある事柄の前提条件、またそれに関するものを与えること

「与件」の意味を詳しく

「与件」とは、問題を事前回避したり、物事をスムーズに進めるために必要なものを表す言葉です。また、「自分以外の誰かから与えられる事柄」という意味もあります。「予見」は以下の二つの漢字の意味が組み合わさることで、このような意味になりました。

  • 与(よ、あたえる):自分のものを相手に渡すこと
  • 件(けん、くだん):問題となる特定の事柄

「与件」は日常会話よりも、ビジネスシーンでよく使われる言葉です。「問題を解決するための前提」という意味で使われることがほとんどで、「プレゼン資料の与件を整理する」などのように使います。

また、研究や推論を行う際に、問題を解決するための「前提条件」を表す場合にも使います。

「与件」の使い方

  1. しっかりと与件を考えておかないと、失敗するだろう。
  2. 与件をもとに計画を立てていく方が効率がいい。
  3. 与件を整理しておけばプレゼンの印象も全然違うだろう。

①~③の全ての例文で「前提条件」という意味が共通しています。また「与件」は条件だけでなく、情報や物事への「事前準備」というニュアンスが含まれているので注意しましょう。

「与件」を用いたフレーズ

また、「与件」には以下のような使用頻度の高いフレーズがあります。

  • 与件を踏まえる:条件に配慮すること
  • 与件を念頭におく:前提を心に留めておくこと
  • 与件を考慮する:条件をよく考えてみること
  • 与件を整理する:条件をまとめ分類すること

ビジネスシーンでは、「与件」に則したプレゼンや計画を求められることが多いと思います。その際、上記のようなフレーズを使ってみるといいかもしれません。

「与件」の類義語

「与件」には以下のような類義語があります。

  • 要件:必要条件や欠くことのできない条件
  • 前提条件:ある物事が成立するための前置きの条件
  • 所与:何かの前提条件やそれに関するものを与えること
  • 制約:物事に決められた、条件や枠組み

多くの類義語に「条件」という意味が含まれています。また「所与」は「与件」とほとんど同じ意味として使われています。

「与件」と「予見」の違い

「与件」には、混同されがちな似た言葉として、「予見」という言葉があります。「予見」とは、ある物事が発生する前に推測し、そのことについて知ることという意味の言葉です。

たとえば、「自分の未来を予見する」といった場合は「今の状況から、未来に何が起こるか予測すること」を意味します。 また事故などに対する言葉で、「予見可能性」というものがあります。これは「危険な出来事や被害が起きる可能性を、前もって察知できたかどうか、ということ」を意味します。

「予見」には「与件」と同じように「踏まえるべきの情報・障害などを事前に与える」といった意味が含まれています。しかし、「予見」には「誰かに与える事柄・条件」といったニュアンスはありません。そこが2つの言葉の大きな違いです。

「与件」の英語訳

「与件」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • given condition
    (与えられた状況、身分)
  • job request
    (仕事の条件)

job requestは「顧客からの要請」という意味合いが強い場合に「与件」の英語訳として使われます。

まとめ

以上、この記事では「与件」について解説しました。

読み方予見(よけん)
意味ある事柄の前提条件、またそれに関するものを与えること
類義語前提条件、所与、製薬など
「与件」と「予見」の違い「与える」というニュアンスの有無
英語訳given condition(与えられた状況、身分)

「与件」はビジネスシーンでよく使われる言葉だと思います。この機会に、意味や使い方をしっかり確認しておくといいでしょう。