「念頭」の意味とは?読み方は?使い方から類語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「念頭(ねんとう)」です。

言葉の意味・使い方・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「念頭」をざっくり言うと……

読み方念頭(ねんとう)
意味心の中の思い
類義語内心、胸中、胸襟
英語訳mind(考え)

「念頭」の意味をスッキリ理解!

念頭(ねんとう):心の中の思い

「念頭」の意味を詳しく


「念頭」は、心の中にある考えや思いなどという意味の熟語です。

「念」という字には「思い」や「注意」という意味があります。また、「頭」という字には「考え」や「思考」という意味があります。

これらの文字が組み合わさって、「思い」や「考え」という意味になるのです。

一般的に「念頭に置く」や「念頭に入れる」と使われますが、「念頭に置く」という言い回しは正しい使い方である一方で、「念頭に入れる」という表現は誤用なので注意しましょう。

「念頭」の使い方

  1. いい加減な仕事は、いつか事故に繋がるのだということを念頭に置いて行動しよう。
  2. 彼とはもう二度と会えないのではないか、という不吉な予感が念頭に浮かび、慌てて振り払った。

上記の例文のように、「念頭」は「念頭に置く」「念頭に浮かぶ」などという形で使われます。

①の例文の、「念頭に置く」という慣用表現は、「常に頭に入れておく」という意味になります。この例文の場合、「忘れるな」という注意の意味で「念頭に置く」という言葉が使われています。

②の例文では、不吉な予感が頭をよぎったことを「念頭に浮かぶ」と表現しています。

「念頭に置く」が、あえて頭の中に思考を留めておく様子を表すのに対し、「念頭に浮かぶ」は突然思い浮かぶ様子を表します。状況に応じて正しく使い分けましょう。

「念頭」の類義語

念頭には以下のような類義語があります。

  • 内心:外に見せない気持ち
  • 胸中:心の中で思っていること
  • 胸襟:胸の内
  • 意中:心の中で考えていること
「内心」は「内心嫌だと思っている」など、相手には打ち明けない気持ちのことを表す熟語です。「念頭」に対し、「隠している気持ち」というニュアンスが強くなります。

「胸中」は、「胸のうち」というニュアンスが強く、「思考」よりも感情や本音などといったイメージをかきたてます。

「胸襟」は「胸襟を開く」という表現で、「心の内を隠さずすべて打ち明ける」という意味になります。「胸中」とほぼ同じ意味ですが、ほとんど「胸襟を開く」という言い回しでしか使われません。

 

「意中」にも、「胸中」や「胸襟」と同様に「心の内」という意味があります。ただし、「意中」がそれ単体で使われることはほとんどなく、多くの場合は、「意中を明かす」や「意中の人」という表現になります。

「意中を明かす」は「心の内を打ち明ける」という意味で、「胸襟を開く」と似た表現になります。ただし、「胸襟を開く」に対して、必ずしも「包み隠さず打ち明ける」という意味が含まれるわけではありません。

「意中の人」は「ひそかに好意を抱いている相手」という意味になります。結婚相手として思いを抱いている場合に使うことのできる表現です。

「念頭」の英語訳

念頭を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • mind
    (考え)
  • One’s heart
    (懸念)
mindは広く「心」や「考え」といった意味を持つ単語です。

“One’s heart”は、one’sをmyやhisなどに変え、「自分の胸中」「彼の胸中」といった意味で使うことができます。

「Aを念頭に置く」などという場合には、“keep A in mind”などと表現すると自然です。また、「念頭に浮かぶ」と言う場合には”hit on”や”think of”などの表現が適切です。

まとめ

以上、この記事では「念頭」について解説しました。

読み方念頭(ねんとう)
意味心の中の思い
類義語内心、胸中、胸襟
英語訳mind(考え)

「念頭」は、慣用表現で多く使われる言葉です。正しく意味を理解し、使い分けていきましょう。