「焼け石に水」の意味とは?使い方から類語や英語や対義語まで例文付きで

言葉

今回ご紹介する言葉は、ことわざの「焼け石に水」です。

言葉の意味・使い方・由来・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「焼け石に水」をざっくり言うと……

意味状況が悪化しすぎていて、多少の援助や努力では効果がないということ
由来高温の石に多少の水をかけても、効果がないことから
類義語塩を摘んで水を入れる、二階から目薬、遠火で手を焙るなど
対義語火に油を注ぐ
英語訳only a drop in the bucket(バケツに水が一滴だけ落ちる)

「焼け石に水」の意味をスッキリ理解!

焼け石に水:状況が悪化しすぎていて、多少の援助や努力では効果がないということ

「焼け石に水」の意味を詳しく


「焼け石に水」は、状況が悪化しすぎていて、多少の援助や努力では効果がないということを意味することわざです。「全くの無駄」というよりも、「解決には程遠い」というニュアンスです。

「焼け石」とは、熱して温度が非常に高くなった石のことです。

また、「水」は大量の水ではなく、「少しの水」を意味します。

 

つまり、「焼け石に水」は、焼けた石に少しくらい水をかけても、石は冷めないということを表しています。

「焼け石」は悪い状況、「水」は多少の援助や努力をたとえた言葉です。

同じ意味で、「焼け石に雀の涙」ともいいます。

「焼け石に水」の使い方

  • 野球ボールで窓ガラスを割っておきながら、謝る気配のない子供たちに対して、おじさんは怒り狂っていた。教師の私が到着したときには、何を言っても焼け石に水だった。
  • 前日から司法試験の勉強を始めても、意味がない。結局は焼け石に水で終わるだろう。
  • 少しくらいの寄付金を集めたところで、世界の貧困問題の解決には程遠い。焼け石に水だ。

➀と➁の例文では、「焼け石に水」を「努力しても事態は大きく変わらない」という意味で使っています。

一方、➂の例文では、「少しの援助では効果がない」という意味で使用しています。

「焼け石に水」の由来

火で焼けて非常に高温になった石に多少の水をかけても、水はすぐに蒸発してしまいます。石の温度は少し下がるかもしれませんが、大きく変化することはありません。

このことから、「焼け石に水」ということわざが生まれました。

「焼け石に水」の類義語

  • 塩を摘(つま)んで水を入れる
  • 二階から目薬
  • 遠火(とおび)で手を焙(あぶ)る
  • 月夜に背中焙る
  • 天井から目薬
  • 灯明(とうみょう)で尻を焙る
  • 杯水車薪(はいすいしゃしん)
  • 焼け石に雀の涙

「杯水車薪」は、役に立たないことを意味する四字熟語です。

「杯水車薪」の「杯」は、酒を飲むのに使う小さなコップのことです。通常は「さかずき」と読みます。また、「車薪」とは、車一台分の薪のことです。

熟語全体としては、「車一台分の薪についた火を、杯一杯分の水で消そうとする」ことを表します。

「焼け石に水」の対義語

「焼け石に水」には以下のような対義語があります。

  • 火に油を注ぐ:勢いがあるものを、さらに勢いづかせる行為をすること

「火に油を注ぐ」は、事態を悪化させるという意味です。また、「水」と相容れないとされる「油」を「注ぐ」ことわざです。

これらのことから、「焼け石に水」の対義語であるといえます。

「焼け石に水」の英語訳

「焼け石に水」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • only a drop in the bucket
    (バケツに水が一滴だけ落ちる)
  • Water drops on burning rocks.
    (水が焼けた石の上に垂れる。)
  • It is like sprinkling water on parched soil.
    (乾ききった土に、打ち水をするようなものだ。)

“drop” には名詞では「しずく、一滴」、動詞では「しずくが垂れる」という意味があります。

“parched” は、「乾ききった、干上がった」と言う意味です。

まとめ

以上、この記事では「焼け石に水」について解説しました。

意味状況が悪化しすぎていて、多少の援助や努力では効果がないということ
由来高温の石に多少の水をかけても、効果がないことから
類義語塩を摘んで水を入れる、二階から目薬、遠火で手を焙るなど
対義語火に油を注ぐ
英語訳only a drop in the bucket(バケツに水が一滴だけ落ちる)

たとえ「焼け石に水」と言われる行動であったとしても、多くの人が行うことで、石を冷やせるだけの力になります。

時には、あえて「焼け石に水」な行動をとることも大切かもしれません。