ことわざ「二階から目薬」の意味と使い方:例文付き

言葉

今回ご紹介する言葉は、ことわざの「二階から目薬(にかいからめぐすり)」です。

言葉の意味・使い方・由来・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

 

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「二階から目薬」の意味をスッキリ理解!

二階から目薬(にかいからめぐすり):非常に回りくどいことや、物事がうまくいかずもどかしいこと

「二階から目薬」の意味を詳しく


「二階から目薬」は、非常に回りくどいことや、物事がうまくいかずもどかしいことを例えたことわざです。目標を達成したい場合において、最善の策ではない「遠回りな方法」を選択している時などに使用します。

そして、このことわざにはもう一つ意味があります。それは、回りくどい上に、全く効果が見られないことです。こちらは、問題を解決したい時などに、「効果が全くない」方法を選択している場合に使用します。

どちらも「そんなやり方では無理だ」と思う時に使用するということです。

ちなみに「二階から目薬」は、上方(京都)いろはかるた48枚の1つです。いろはかるたには、江戸(東京)・上方(京都とその周辺)・尾張(愛知県西部)の3種類があります。そして、それらの内容は異なります。最も有名な「犬も歩けば棒に当たる」から始まるものは、江戸かるたです。

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「二階から目薬」の使い方

「二階から目薬」は、以下のように使用します。

  1. 河原で一緒に遊んでいた子供が百円玉を落としてしまったため、一生懸命に探している。しかし、それは二階から目薬だと思う。
  2. ここまで経営が悪化したら、広告を出すのは二階から目薬みたいなものだ。売上は伸びないよ。
  3. 遅刻ばかりしている彼には、そんな優しい言い方で注意をしても二階から目薬だと思う。

①の例文は、その方法では見つかる可能性が低く、非常にもどかしいという意味で使用しています。②と③は、回りくどい上に、全く効果が見られないという意味で使用しています。

間違った使い方

「二階から目薬」の間違った意味で代表的なものが、「まぐれ当たり」です。二階から目薬を挿して成功するくらい確率が低いという意味では使用しないので、気をつけましょう。

「二階から目薬」の由来

「二階から目薬」の由来は、『風流御前義経記(ふうりゅうごぜんぎけいき)』の「二階から目薬をさす仕掛け、さりとは急な恋ぞかし」という句です。

「風流御前義経記」は、江戸時代の元禄十三年(1700年)に西沢一風(いっぷう)が書いた全8巻・約360ページの浮世草子です。浮世草子とは、江戸時代に上方で誕生した、町人階級の世相や人情を描いた小説です。

そして「義経記」は、源義経とその主従を中心に書いた作者不詳の軍記物語です。しかし、風流御前義経記は義経記とは違い、西沢一風が書いた「創作」の作品です。

句の意味は「無理だとわかっているが、目薬を挿せる距離まで一階にいる男性に近づきたい」です。この時代の目薬は軟膏か粉末の薬を水に溶かし、布などに含ませて洗眼や点眼をしていました。しかし、どんな形状でも二階から目薬をさすことは困難なことから、このことわざが生まれました。

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「二階から目薬」の類義語

「二階から目薬」には、以下のような類義語があります。

  • 天井から目薬:もどかしい様子、回りくどくて効果がないこと
  • 隔靴掻痒(かっかそうよう):物事がうまくいかず、もどかしい様子
  • 靴を隔てて痒(かゆ)きを掻く:思い通りにならず、もどかしい様子
  • 御簾(みす)を隔てて高座(こうざ)を覗く:思い通りにならず、もどかしい様子
  • 月夜に背中焙る(あぶる)::熱を持たない月の光で背中を暖めようとするということから、まわりくどくて効果のないことのたとえ
  • 遠火で手を焙る:遠く離れた火で手を焙ってもあまり暖かくないことから、あまり効果がないことのたとえ
  • 灯明(とうみょう)で尻を焙る:ろうそくのような弱い火で尻をあぶっても少しも暖かいと感じることはできないことから、手段を誤ったために全く効果が上がらないことのたとえ
  • 焼け石に水:わずかな努力や援助では、効果がほとんど期待できないこと
  • 杯水車薪(はいすいしゃしん):わずかな努力や援助は、なんの役にも立たないこと

「二階から目薬」の対義語

「二階から目薬」には以下のような対義語があります。

  • 麻姑掻痒(まこそうよう):かゆいところに手が届くことから、物事が思いどおりになることのたとえ

「麻姑(まこ)」は、中国の伝説『神仙伝(しんせんでん)』に登場する仙女(せんにょ)の名前です。『神仙伝』とは全10巻に渡って、92人の神仙の伝説が述べられている本のことです。仙女とは、女の仙人のことです。西洋のファンタジー世界における妖精のような存在であると言えます。

麻姑は鳥のような長い爪を持っているため、かゆい場所を掻くことに適していると言われています。日本で背中を掻く際に使用する「孫の手」は、この「麻姑の手」から来ています。

「掻痒(そうよう)」は、かゆい場所を掻く行為を指します。「痒」は、「癢」とも書きます。

漢の桓帝(かんてい)の時代に、蔡経(さいけい)が「麻姑の爪で背中をかかせたら気持ちが良いに違いない」と思ったという故事から生まれました。また「物事が思い通りになること」の他に、「細かい要望に対して、満足する結果で応えることができること」という意味もあります。

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「二階から目薬」の英語訳

「二階から目薬」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • He spoke in a roundabout way.
    (彼は回りくどく話した。)
  • That’s a terribly inefficient way to do it.
    (それを行うには、その方法は非常に非効率的です。)
  • Far water does not put out near fire.
    (遠くの水は近くの火を消さない。)
  • Eye drops from the second floor.
    (目が二階から落下する。)

まとめ

以上、この記事では「二階から目薬」について解説しました。

読み方二階から目薬(にかいからめぐすり)
意味非常に回りくどいことや、物事がうまくいかずもどかしいこと
由来『風流御前義経記』の「二階から目薬をさす仕掛け、さりとは急な恋ぞかし」
類義語「御簾を隔てて高座を覗く」「靴を隔てて痒きを掻く」「月夜に背中焙る」
対義語「麻姑掻痒」
英語訳That’s a terribly inefficient way to do it.(その方法は、それを行うには非常に非効率的です。)

「二階から目薬」の意味や使い方は、いかがだったでしょうか。回りくどく非効率な行動をしている人がいたら、「二階から目薬だよ」と教えてあげましょう。

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