「隔靴掻痒」の意味とは?使い方から英語や類語や対義語まで例文付きで

言葉

今回ご紹介する言葉は、故事成語の「隔靴掻痒」です。

「隔靴掻痒」の意味、例文、由来、類義語、対義語、英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「隔靴掻痒」をざっくり言うと……

読み方隔靴掻痒(かっかそうよう)
意味物事が思うようにいかず、もどかしいこと
由来『無門関』などの「棒をふるって月を打ち、靴を隔てて痒きを掻く」という言葉から
類義語靴を隔てて痒きを掻く、二階から目薬、御簾を隔てて高座を覗く、など
対義語麻姑掻痒
英語訳Having an itch that one cannot scratch
(かけないところがかゆい)

「隔靴掻痒」の意味をスッキリ理解!

隔靴掻痒(かっかそうよう):物事が思うようにいかず、もどかしいこと

「隔靴掻痒」の意味を詳しく

「隔靴掻痒」とは、物事が思うようにいかず、もどかしいことです。

靴を履いたままかゆいところをかくことから、上記のような意味が生まれました。

ちなみに、「」とは、「かく」「ひっかく」などという意味を表しています。

また、「」とは、「かゆい」という意味を表しています。

「隔靴掻痒」の例文

  1. 毎日10時間勉強しているのにも関わらず偏差値が上がらないので、隔靴掻痒の思いだ。
  2. 毎日練習しているのにも関わらずうまくならないので、隔靴掻痒の思いだ。
  3. お前はいま、隔靴掻痒の思いをしていると思うが、もう少しの辛抱だ。

「隔靴掻痒」の由来

「隔靴掻痒」の出典は『無門関(むもんかん)』の「序」という章と、『景徳伝灯録(けいとくでんとうろく)』の二十二章です。

これらの本の中には「棒をふるって月を打ち、靴を隔てて痒きを掻く」という表現が出てきます。

この表現が「隔靴掻痒」の由来になっています。

『無門関』

『無門関』とは、中国南宋時代に編纂された仏教書です。

仏教の故事などを紹介しています。

「隔靴掻痒」の類義語

「隔靴掻痒」には以下のような類義語があります。

  • 靴を隔てて痒きを掻く(くつをへだててかゆきをかく)
  • 二階から目薬
  • 御簾を隔てて高座を覗く(みすをへだててこうざをのぞく)
  • 掉棒打星(とうぼうだせい)

「隔靴掻痒」の対義語

「隔靴掻痒」には以下のような対義語があります。

  • 麻姑掻痒(まこそうよう):かゆいところをかいて非常に気持ちがいいこと

「隔靴掻痒」の英語訳

「隔靴掻痒」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • Having an itch that one cannot scratch.
    (かけないところがかゆい)

まとめ

以上、この記事では「隔靴掻痒」について解説しました。

読み方隔靴掻痒(かっかそうよう)
意味物事が思うようにいかず、もどかしいこと
由来『無門関』などの「棒をふるって月を打ち、靴を隔てて痒きを掻く」という言葉から
類義語靴を隔てて痒きを掻く、二階から目薬、御簾を隔てて高座を覗く、など
対義語麻姑掻痒
英語訳Having an itch that one cannot scratch
(かけないところがかゆい)

「隔靴掻痒」は日常会話でも用いられる表現です。

きちんと意味を理解して、ピッタリな場面があった時には使っていきたいですね。

ABOUT US

和佐 崇史
文章を書くこと、読むことが大好きな大学生です。中学2年生で漢検2級を取得するなど、言葉については詳しい自信があります。Webライターとしてはこれまで累計1,000記事以上を執筆してきました。