「ベクトル」とは?数学・物理からビジネスでの意味までわかりやすく解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「ベクトル」です。もともとは学問用語ですが、一般的にも広く使われる言葉です。

以下では、「ベクトル」の意味・使い方・語源・類義語についてわかりやすく解説します。

☆「ベクトル」をざっくり言うと……

英語表記ベクトル(vector)
意味大きさと向きを持つ量。また物事の向かう方向と勢い
語源英語で「ベクトル」「方向」を意味する “vector” から
類義語コース、ルート、軌道など

「ベクトル」とは?

ベクトル(vector):大きさと向きを持つ量。また物事の向かう方向と勢い。

「ベクトル」の意味を詳しく

「ベクトル」には、大きく分けて2つの意味があります。

 

一つ目に、「大きさと向きを持つ量」という意味です。数学や物理学で用いられる概念で、矢印でその量を表すことができます。

「ベクトル」を用いると、「位置」や「速度」を表すことができます。たとえば、ある地点から「北向きに3m」というように「向き」と「距離」を指定すれば、特定の位置を表せます。

ワードなどで「ベクトル」を表現するには、「ルビ」の機能を使いましょう。例えば、「AB」に「ベクトル」を付けたい場合は、まずABを範囲指定し「書式」「拡張書式」「ルビ」の順で選択していきます。ルビの欄に「→」を入れれば完成です。

 

二つ目に、「物事の向かう方向と勢い」のことです。こちらは、一つ目の学問的な意味が派生し、「方向」の側面が強調された意味合いです。「方向性」や「考え方」とも言い換えられます。

「ベクトル」の使い方

  1. 会社が目指しているベクトルは、私とは合わないようだ。
  2. 今後の事業拡大に向けた5つのベクトルが発表された。
  3. ベクトルは、矢印を用いて表すことができる。

①や②の例文のように、「ベクトル」はビジネスにおいて「方向性」という意味で用いられることが多いです。そのため、「合う」といった動詞と共に使われます。方向性が合わない際は、「ベクトルが違う」と表現できます。

③の例文内の「ベクトル」は、数学用語としての用いられ方をしています。

「ベクトル」の語源

日本語の「ベクトル」の語源は、英語の “vector” です。英語でも、数学的な「ベクトル」と、「方向」という2つの意味を持っています。

さらに、その vector の語源はラテン語の “vehere(運ぶ)” にあります。

“vehere” から派生した “vector” には、下記2つの意味があります。

vector の意味
  1. 大きさと向きを持つ量
  2. 遺伝子操作の際、細胞内または核内に他のDNAを運び込むもの。

①の意味が派生し、方向性を指す「ベクトル」として現在使われています。

②の意味の場合は、「ベクター」と表現されます。

「ベクトル」の類義語

「ベクトル」には以下のような類義語があります。

  • コース:進んで行く道筋。
  • ルート:道、きまった道筋。
  • 軌道:物事の経過していく道筋。
  • 道筋:思考・判断などの展開の順序。また、物事の道理。
  • 針路:目ざす方向、進路。

まとめ

以上、この記事では「ベクトル」について解説しました。

英語表記ベクトル(vector)
意味大きさと向きを持つ量。また物事の向かう方向と勢い
語源英語で「ベクトル」「方向」を意味する “vector” から
類義語コース、ルート、軌道など

社会でいろいろな人と生活していると、ベクトルの違う人と一緒に行動しなければならない場面もあるかもしれません。そういう時も、お互いの違いを理解し合って、うまく対処できるといいですね。

いざ「ベクトル」という言葉を使う場面が来た時のために、しっかりと意味と使い方を理解しておきましょう。