今回ご紹介する言葉は、ことわざの「腕によりをかける」です。
言葉の意味・使い方・由来・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「腕によりをかける」をざっくり言うと……
意味 | 自信のある腕前を、十分に発揮しようと張り切ること |
---|---|
由来 | 「縒りを掛ける」と、糸が丈夫になることから |
類義語 | 兜の緒を締める、粉骨砕身など |
対義語 | 手を抜く |
英語訳 | to do something to the best of my ability(自分の能力の全てを出し切り、行う) |
このページの目次
「腕によりをかける」の意味をスッキリ理解!
「腕によりをかける」の意味を詳しく
「腕によりをかける」は、自信のある腕前を、十分に発揮しようと張り切ることを意味することわざです。自分の能力を最大限発揮しようと意気込んでいる様子を表します。
料理が得意な人が、多大な時間と労力をかけて料理を作る場合に使用することが多いです。
「よりをかける」のみでも、同じ意味で使用することが出来ます。
「腕によりをかける」の使い方
- 今日は全国大会当日。母が腕によりをかけて作った弁当を手に、会場へ向かう。
- 一人暮らしがさみしくて仕方がない。腕によりをかけて手作りのぬいぐるみを作ったが、さみしさが増すばかりだった。
- 夕方頃、夫が同僚を連れて家に帰って来るらしい。みんなグルメだから、腕によりをかけてご飯を作ろう。
「腕によりをかける」の由来
「腕によりをかける」は、複数の糸をねじり合わせ、太い一本の糸にすることに由来しています。この糸をねじり合わせる行為のことを、「よりをかける」と言います。
糸は1本では非常に細く、強度も弱いです。しかし、時間をかけて、複数の糸をねじり合わせることで、太く丈夫な糸になります。
この「手間をかけて糸を丈夫にする」ということを、「時間と労力をかけて、腕前を十分に発揮しようとする」様子に重ねたのが、「腕によりをかける」です。
「腕によりをかける」は、漢字では「腕に縒りを掛ける」と書きます。
「縒り」とは、「糸などをねじり合わせること」という意味です。また、「掛ける」には「力を加える」という意味があります。
つまり、「縒りを掛ける」を言い換えると、「ねじり合わせる力を加える」となります。
「腕によりをかける」の類義語
「腕によりをかける」には以下のような類義語があります。
- 兜(かぶと)の緒(お)を締める:気持ちを引き締め、用心すること
- 粉骨砕身(ふんこつさいしん):力の限り、懸命に取り組むこと
「腕によりをかける」の対義語
「腕によりをかける」には以下のような対義語があります。
- 手を抜く:必要な作業を省き、いいかげんに行うこと
「腕によりをかける」の英語訳
「腕によりをかける」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- to do something to the best of my ability
(自分の能力の全てを出し切り、行う) - to put all my skill
(自分の技術を出し切る)
まとめ
以上、この記事では「腕によりをかける」について解説しました。
意味 | 自信のある腕前を、十分に発揮しようと張り切ること |
---|---|
由来 | 「縒りを掛ける」と、糸が丈夫になることから |
類義語 | 兜の緒を締める、粉骨砕身など |
対義語 | 手を抜く |
英語訳 | to do something to the best of my ability(自分の能力の全てを出し切り、行う) |
「腕によりをかける」の「より」「かける」は、表記される際には漢字になる場合も多いです。しかし、「縒り」という表現は、日常的には使われません。そのため、初見では読めない人も多いでしょう。
意味や由来だけでなく、漢字もしっかり覚えておきましょう。