「跳梁跋扈」の意味とは?類語や英語や対義語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)」です。

言葉の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「跳梁跋扈」をざっくり言うと……

読み方跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)
意味悪者が権力を得て、好き勝手に振る舞うこと。
類義語横行闊歩(おうこうかっぽ)、横行跋扈(おうこうばっこ)、飛揚跋扈(ひようばっこ)、百鬼夜行(ひゃっきやこう)など
対義語安寧秩序(あんねいちつじょ)、天下泰平(てんかたいへい)、地平天成(ちへいてんせい)など
英語訳run rampant(はびこる)
have one’s own way(自分勝手振舞う)

「跳梁跋扈」の意味をスッキリ理解!

跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ):悪者が権力を得て、好き勝手に振る舞うこと。

「跳梁跋扈」の意味を詳しく

「跳梁跋扈」は「跳梁」と「跋扈」という2つの言葉から構成されています。

「跳梁」は、「梁(はり)を跳ぶ」と訓読することができます。「梁(はり)」とは、建物において、水平方向に架けられ、床や屋根などの荷重を柱に伝える木材のことを指します。人が梁(はり)から梁(はり)へ跳んでいる様子から、「跳梁」は「おどりはねること」を意味するようになりました。

また、梁(はり)の間を跳んでいるのは、悪さをして逃げようとしている悪党であることが多いことから、「跳梁」は「悪人が好き勝手振舞っている様子」も表すようになりました。

 

「跋扈」は、「跋」と「扈」という2つの漢字から成り立っています。「扈」は「竹やな」という魚を捕まえるための道具を表す漢字です。「跋」は「越える」ことを意味する漢字です。つまり、「跋扈」は、「魚が竹やなを越えて、跳ねること」を表します。

また、大きい魚が得意げに竹やなを越える様子から意味が転じて、「悪党がのさばり、はびこっている」様子を表すようになりました。

 

「跳梁」も「跋扈」も「悪人が好き勝手のさばり、はびこっている」様子を表す単語です。したがって、この2つの単語が合わさってできた「跳梁跋扈」も悪人が好き勝手のさばり、はびこっている様子を表す四字熟語です。

「跳梁跋扈」の使い方

  1. この時間帯の通勤電車は、痴漢が跳梁跋扈していることで有名だ。
  2. この地域のスラム街では、誰の手にも負えない悪党どもが跳梁跋扈している。
  3. 近年、跳梁跋扈している窃盗団を捕らえるために、警察は必死に策を練っている。
  4. 性格の悪い人たちが跳梁跋扈している職場だったので、不快感からすぐにやめてしまった。
  5. この国はもともと治安が良いことで有名だったが、戦争をきっかけに悪党が跳梁跋扈する治安の悪い国になってしまった。

跳梁跋扈「している」という形で使われることが多いです。

「跳梁跋扈」の類義語

跳梁跋扈には以下のような類義語があります。

  • 横行闊歩(おうこうかっぽ):悪人が威張って歩き回ること。
  • 横行跋扈(おうこうばっこ):我が物顔で好き放題して、横暴に振舞うこと。
  • 飛揚跋扈(ひようばっこ):思うままにのさばってはびこること。
  • 百鬼夜行(ひゃっきやこう):たくさんの人が不正な行動を公然と行っている状況。
  • 魑魅魍魎(ちみもうりょう):私欲のために悪事を働くような人のこと

「跳梁跋扈」の対義語

跳梁跋扈には以下のような対義語があります。

「跳梁跋扈」の英語訳

跳梁跋扈を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • run rampant
    (はびこる)
  • have one’s own way
    (自分勝手振舞う)

“rampant”という形容詞が「跳梁跋扈」の意味をよく表しています。

まとめ

以上、この記事では「跳梁跋扈」について解説しました。

読み方跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)
意味悪者が権力を得て、好き勝手に振る舞うこと。
類義語横行闊歩(おうこうかっぽ)、横行跋扈(おうこうばっこ)、飛揚跋扈(ひようばっこ)、百鬼夜行(ひゃっきやこう)など
対義語安寧秩序(あんねいちつじょ)、天下泰平(てんかたいへい)、地平天成(ちへいてんせい)など
英語訳run rampant(はびこる)
have one’s own way(自分勝手振舞う)

「跳梁跋扈」という四字熟語からは、泥棒が家の梁(はり)をつたって、逃げていく時代劇のシーンが浮かびます。こうしたシーンはドラマで見ている分にはハラハラして楽しいものですが、現実にあったら非常に怖い上に、迷惑な話です。

悪者が「跳梁跋扈」できないような、明るく秩序が保たれた世界が理想的です。