「抵触」の意味を例文付きで徹底解説｜「抵触法」「抵触日」も

今回ご紹介する言葉は、熟語の「抵触(ていしょく)」です。

よく、「法律に抵触する」などの形で聞くことが多い言葉でしょう。他にも、「抵触日」や「抵触法」など、ビジネスのシーンで登場する言葉もあります。見かけることが多いだけに、「抵触」の意味をきちんと理解しておきたいところです。

今回の記事では、「抵触」の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「抵触」をざっくり言うと……

「抵触」の意味をスッキリ理解！

「抵触」の意味を詳しく

「抵触」の原義は、「ふれること・衝突すること」です。「抵」には「突き当たる」、「触」には「ふれる」という意味があります。この原義から転じて、「抵触」は2つの意味を持っています。

1つ目の意味は「矛盾すること」です。物事が双方向から衝突した結果、つじつまが合わなくなることを指しています。

次に、2つ目の意味は「規則に違反すること」です。「法に触れる」という表現が意味しているように、法律や規定などが定めた禁止事項に当人の行動が当てはまることを指します。

原義に立ち返ると、「抵触」の意味は、「双方の言動同士がぶつかること」と「ある言動が法律にふれること」であると言えます。

ちなみに、「抵触」は「牴触」「觝触」とも表記されます。

「抵触法」と「抵触日」

「抵触」という言葉が使われている固有名詞として、「抵触法」と「抵触日」があります。

「抵触法」は、国家をまたぐ生活関係の問題に対して適用される法律の一つです。国家をまたいで私生活に関わる問題が生じると、それぞれの国の法律の内容が対立する場合、解決が難しくなります。

たとえば、日本の結婚形態は一夫一婦制ですが、イスラム世界では一夫多妻制が合法とみなされる地域があります。もし、両国の人同士が結婚しようとすると、それぞれの国の法律が衝突することになります。

このような状態を、法律の内容が相反していることから「法の抵触」と言います。そして、法の抵触を解消するために作られた法律が「抵触法」です。「抵触法」は、抵触状態にある複数の法律の中から適切な法律を選択するための基準が定められています。

次に、「抵触日」とは、派遣契約期間を過ぎた次の日のことです。「派遣」は雇用形態の一つで、労働者が派遣元となる会社と契約を結び、派遣された先で業務を行う労働スタイルを指します。

労働派遣法では、派遣先の企業が派遣スタッフを受け入れることが可能な期間が 3年と定められています。つまり、派遣契約を結んでから3年を過ぎた次の日に働くことは労働派遣法に抵触することから、その日を「抵触日」と呼ぶのです。

「抵触」の使い方

①の例文では、私の考えが従来の説と矛盾しないということを表現しています。②の例文では、飲酒運転が道路交通法に違反する行為であるということを言っています。

「抵触」の類義語

抵触には以下のような類義語があります。

「矛盾」以外の3語は、法や規則に関わっているという意味合いが強い言葉です。

「違法」は、法律に背くかどうかが明確な基準です。一方、「違反」「反則」は、法律から約束事など、幅広い基準をもとにして使われます。

「反則」は、特にスポーツの試合などで、してはいけないと定められている行為のことを指します。

「抵触」の対義語

抵触には以下のような対義語があります。

「抵触」の英語訳

抵触を英語に訳すと、次のような表現になります。

「～に抵触する」という動詞の形で用いる場合は、それぞれ “contradict with ～”・”conflict with～”・”infringe on ～”・”be in contravention of ～”となります。

上記3つの表現を用いた例文は以下の通りです。

まとめ

以上、この記事では「抵触」について解説しました。

「抵触」の意味や使い方等を是非とも覚えていただきたいですが、皆さまが何かに「抵触」することのないように注意してくださいね。