今回ご紹介する言葉は、熟語の「定性的(ていせいてき)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「定性的」をざっくり言うと……
読み方 | 定性的(ていせいてき) |
---|---|
意味 | 性質に関するさま、数値で表せないさま |
類義語 | 質的 |
対義語 | 定量的 |
英語訳 | qualitative(定性的) |
「定性的」の意味をスッキリ理解!
「定性的」の意味を詳しく
「定性的」は「性質に関するさま、数値で表せないさま」を意味します。
「定性的」は主に分析や調査について説明する際に使われる言葉です。もともとは理科系の専門用語として使われてきた言葉ですが、現在はビジネスの場などにおいても使われています。
性質はある基準に沿って測定すれば数値化できますが、基準がない場合や曖昧な場合は数値化できません。しかし、数値化できなくても、その性質を持っているということだけは判明する場合があります。
例として、「握力が強い」という性質について考えましょう。ある人がリンゴを握りつぶしたとします。多くの人はリンゴを握りつぶせなかったため、握りつぶせた人の握力は強いと言えます。
この分析はリンゴという曖昧な基準を用いている上、強いか弱くないとしか判定できません。これが「定性的」な分析です。
もし握力計で○○kgという具体的な数値を測定できれば「定性的」ではなく「定量的」と言います。「定量的」については対義語の項目で詳しく解説します。
「定性的」の使い方
- この部分は数字が多く出てきてわかりにくいから、もっと定性的に説明してしまっていいかもね。
- まず定性的な分析を行って、この物質の性質を把握することが重要だ。
- 定性的なデータだけでは信ぴょう性に欠けるから、定量的なデータを取れる実験をしてごらん。
上記の例文のように、「定性的」は分析や実験と共に使われる場合が多いです。
①の「定性的」は「性質に関するさま、数値で表せないさま」を表します。数字を使わないで性質を表現することを「定性的」と言います。
②は「定性的な分析」で「性質の解明だけを目的とした分析」を指します。たとえば、分析する試料の中に存在する化学物質の種類を特定するような分析を意味します。その物質がどのくらい入っているかを調べる分析は定量的な分析と言います。
③の「定性的なデータ」は「性質に関するデータ、数値を表していないデータ」を意味します。
「定性的」の類義語
「定性的」には以下のような類義語があります。
- 質的:質にかかわるさま
「定性的」の対義語
「定性的」には以下のような対義語があります。
- 定量的: 物事の性質を数字で表したさま
以下で「定量的」の意味を解説します。
「定量的」の意味を詳しく解説
「定量的」は「物事の性質を数字で表したさま」を表します。
「定量的」はある明確な基準に則って数値化したものを指します。「定性的」はあくまで相対的な評価でしたが、「定量的」は絶対的な評価となります。つまり、個人の意見や感覚によって受け取り方が変わることはありません。
信ぴょう性が高いため、実験結果やマーケティングリサーチの根拠として求められます。
「定性的」の英語訳
「定性的」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- qualitative
(定性的)
まとめ
以上、この記事では「定性的」について解説しました。
読み方 | 定性的(ていせいてき) |
---|---|
意味 | 性質に関するさま、数値で表せないさま |
類義語 | 質的 |
対義語 | 定量的 |
英語訳 | qualitative(定性的) |
「定性的」な分析や研究は、ものごとの概要を素早く捉えることに向いています。また、「定量的」な分析を行うために、「定性的」な分析を事前に行う必要がある場合もあります。
数値として表せる「定量的」なデータが「定性的」なデータを兼ねることもありますが、両方そろってはじめて信ぴょう性が確保できることもあります。どのような分析が求められているか、しっかり考えて「定性的」と「定量的」を使い分けましょう。