今回ご紹介する言葉は、熟語の「丁寧(ていねい)」です。
言葉の意味・使い方・語源・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「丁寧」をざっくり言うと……
読み方 | 丁寧(ていねい) |
---|---|
意味 | 礼儀正しくてとても注意深く・気を配れる |
語源 | 中国発祥の金属製の楽器から |
類義語 | 丹念、慎重、細心、注意深い |
対義語 | ぞんざい、粗雑、適当など |
英語訳 | polite、careful |
「丁寧」の意味をスッキリ理解!
「丁寧」の意味を詳しく
「丁寧」には、2種類の意味があります。1つ目が礼儀正しくてとても注意深く、気を配れるという意味です。相手に対して失礼がない行動、嫌な思いをさせないような行動をすることを指します。
2つ目が隅々まで注意が行き届き、落ち度がないという意味です。「1つの物事に対して、真摯に取り組み、最後までやり遂げること」を表します。
相手や物事への敬意を表す場合
相手や物事に対しての敬意は、「丁寧な+名詞」で表現します。
相手への敬意を十分に表す際には、後ろに名詞を置くことで、その名詞に対しての「敬意」を示すことができます。
- 取引会社の方々にとても丁寧な対応をしていただいた。
物事に対する姿勢を表す場合
物事に対しての姿勢は、「丁寧に+動詞」で表現されます。
物事に対する自分の姿勢を表す際には、後ろに動詞を置きます。そうすることで、「何を丁寧に行うのか」ということが明確になり、相手に伝わりやすくなります。
- どんな仕事を任されても丁寧に取り組むつもりです。
「丁寧」の使い方
- わざわざご丁寧にありがとうございます。
- 電話で予約を取ったらとても丁寧な対応をしてくれた。
①の例文は、心のこもった対応をしてもらったことに対して、感謝の気持ちを伝えるために「丁寧」を使用しています。
「丁寧」に「ご」をつけると、「丁寧語」になります。「ご丁寧」という表現は、物事をきれいな言葉遣いとして相手に届けることができます。
②の例文は、「隅々まで注意が行き届いて、落ち度がない様子」を「丁寧」を使用して表しています。
「丁寧」の語源
「丁寧」の語源は、中国発祥の金属製の楽器からきています。内戦の時に使用されている楽器で、叩く部分によって音が違い、それにより「攻め」や「守り」の指示を軍隊に送っていました。
注意深く考えながら、楽器を鳴らさないといけないため、中国軍隊では「丁寧」は「周りに注意を促す警報」と呼ばれていました。そこから、「周りに注意しながら・繊細な部分まで深く念入りに気を配る」という意味に変化しました。
「丁寧」の類義語
丁寧には以下のような類義語があります。
- 丹念:細かいところにまで注意を払うこと・心を込めて丁寧に行うこと
- 細心:細かいところまで心を配ること
- 慎重:注意深くて、軽々しく行動しないこと
- 注意深い:物事に注意する度合いが強く慎重なこと
「丹念」と「細心」は、「より細かい部分まで気を配ること」を意味した熟語です。「丁寧」とニュアンスは似ていますが、「より注意深く、繊細な部分」を表す際に使用されます。
「慎重」は、「注意深く振る舞い、軽々しく行動しないこと」という意味を持ちます。「丁寧」に比べ、危機感が若干強いのが特徴です。「慎重な人」と使用することでポジティブな誉め言葉にもなります。
「注意深い」は、「警戒しながら、注意を最大限に払うこと」を意味します。
「丁寧」の対義語
丁寧には以下のような対義語があります。
- ぞんざい:物事のやり方や扱いがいい加減なこと
- 粗雑:いい加減であること
- 適当:やり方などがいい加減な様子
「ぞんざい」は、いいかげんに物事をするさまを指す言葉です。行動が乱暴な様子を意味します。「ぞんざいな口のきき方」などと使用します。
「粗雑」は、「細かい点まで注意が行き届かないこと」「あらっぽくていい加減なこと」を指す熟語です。「粗雑な言い方・粗雑な扱い」など、言動と関連して利用されることが多くなっています。
「適当」には、「いい加減」という意味があります。一般的に知られているのは「程よくあてはまる・丁度いい」という意味ですが、もう一つの意味も覚えておきましょう。
「丁寧」の英語訳
丁寧を英語に訳すと、次のような表現になります。
- politely
(丁寧・礼儀正しい)
- politely
例:He ate the cake politely.(彼はケーキを礼儀正しく食べた)
- gently
(丁寧に)
- gently
例:He ate the cake gently.(彼はケーキを丁寧に食べた)
- careful
(注意深い)
- careful
例:a careful consideration(注意深い考え)
“politely”には、「丁寧、礼儀正しい」という意味があり、相手に対しての敬意を表す際に使用されます。上記の例文では、「礼儀正しい」の意味で使用されています。
“gently”は、一般的には「優しい・穏やか」という意味で使用されます。しかし、使用場面によって「丁寧に」という意味になります。優しいニュアンスで表現する際は、“gently”を用いるといいでしょう。
“careful”は、「注意深い」という意味を持ちます。「丁寧」と「注意深い」は言い換えができるほど、似た意味の熟語です。“polite”や “gently” よりも「警戒心を持って取り組む」という意味になるので使い分けに注意しましょう。
まとめ
以上、この記事では「丁寧」について解説しました。
読み方 | 丁寧(ていねい) |
---|---|
意味 | 礼儀正しくてとても注意深く・気を配れる |
語源 | 中国発祥の金属製の楽器から |
類義語 | 丹念、慎重、細心、注意深い |
対義語 | ぞんざい、粗雑、適当など |
英語訳 | polite、careful |
「丁寧」は、日常生活の中で使用頻度が多くなっています。似た意味を持つ熟語が多いため、場面ごとによって適切に使い分けていきましょう。
相手へ感謝を伝える時、自分自身の意思を表す際にうまく利用しましょう。