「建前」の意味とは?使い方から英語や類語や対義語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「建前(たてまえ)」です。

言葉の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「建前」をざっくり言うと……

読み方建前(たてまえ)
意味表向きの方針
類義語主義、信条、方針など
対義語本音
英語訳official stance(表向きの立場)

「建前」の意味をスッキリ理解!

建前(たてまえ):表向きの方針

「建前」の意味を詳しく

「建前」とは、表向きの方針のことです。あまり一般的ではありませんが、「立前」と表記することもあります。

「建前」の漢字の意味は以下の通りです。

「建前」の漢字の意味
  • :たてる
  • :空間的なまえ

「建前」の「前」は、表向きという意味です。そこから、「建前」は前にたてているものの意味になるのです。

「建前」の使い方

  1. 「活気をもたらし、よりよい生活を作る」というのがこの計画の建前です。
  2. 彼は建前と本音をたくみに使い分ける。

上記の例文のように、「建前」は、表向きの方針を打ち出すときや、「本音」と対比で表現するときに使われます。

①の例文では、表向きに出した方針を具体的に説明し、「建前」だとしています。

②の例文では、表向きに出している情報と、本心との折り合いをうまくつけている様子を「建前と本音を使い分ける」と表現しています。

「建前」の類義語

建前には以下のような類義語があります。

  • 主義:その人が常に持っている考えや方針
  • 信条:固く信じ守り続けているもの
  • 方針:計画を実行するうえでの、だいたいの方向性
  • 路線:団体の行う運動の基本的な方針

「主義」の意味

「主義」には以下のような意味があります。

  1. その人が常に持っている考えや方針
  2. 思想・学説・理論において、その人のとる一定の立場
  3. ある原理にもとづく社会体制

「主義」の共通する意味は、その人が物事を判断したり、自分の行動を決めたりする際に軸となる考えのことです。

「建前」と対応する「主義」の意味は、①の「その人が常に持っている考えや方針」になります。

「信条」の意味

「信条」には以下のような意味があります。

  1. 固く信じ守り続けているもの
  2. 教義、信仰上守っている信念
  3. キリスト教会において、「信仰告白」の基準となるもの
「主義」と同じように、個人の行動原理となる、①の「固く信じ守り続けているもの」が「建前」との類似関係にあります。

「方針」の意味

「方針」には以下のような意味があります。

  1. 方位を指し示す磁石の針
  2. 計画を実行するうえでの、だいたいの方向性
「建前」の類義語としての「方針」は、②の「計画を実行するうえでの、だいたいの方向性」の意味になります。

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「路線」の意味

「路線」には以下のような意味があります。

  1. 交通機関の、ある地点と地点を結ぶ道筋
  2. 団体の行う運動の基本的な方針

「建前」に近い意味となるのは、②の「団体の行う運動の基本的な方針」です。

①の意味で使われることが多いですが、「今回の企画はこの路線で行こう」と、物事の方向性を決める②の意味で使われることもよくあります。

「建前」の対義語

建前には以下のような対義語があります。

  • 本音:本心からの言葉
建前」が表向きの態度を表すのに対し、「本音」は本心からの言葉を指します。必ずしも「本音」が「建前」と一致するとは限りません。

対外的に打ち出す言葉の中には、ある程度「本音」がぼかして隠されている場合があります。

「建前」と「本音」には以下のような違いがあります。

「建前」と「本音」の違い
  • 建前:他者から見ても魅力的であったり不快感がなかったりする
  • 本音:本当に考えていることを100%表す

「建前」は完全な嘘ではありませんが、通常は「本音」と対比関係にあるものとして扱われています。

「建前」の英語訳

建前を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • official stance
    (表向きの立場)
“official stance” とは、公的に打ち出している自らの立場のことです。

「本音」の対義語であるというニュアンスは薄れますが、ほぼ「建前」と同じ場面で使うことができます。

まとめ

以上、この記事では「建前」について解説しました。

読み方建前(たてまえ)
意味表向きの方針
類義語主義、信条、方針など
対義語本音
英語訳official stance(表向きの立場)

「建前」は「本音」とセットで使われがちですが、必ずしもネガティブな意味であるとは限りません。あくまでも表に出す方針のことを指しているのだということを忘れないようにしましょう。