「垂涎」の意味とは?使い方から類語や英語や対義語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「垂涎(すいぜん)」です。

言葉の意味・使い方・語源・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「垂涎」をざっくり言うと……

読み方垂涎(すいぜん)
意味ある物を手に入れたいと熱望すること
語源「涎(よだれ)」が「垂」れる
類義語舌なめずり、渇望、喉が鳴るなど
対義語充足、堪能、無関心など
英語訳die for(切望する)、long for(待ち焦がれる)、thirst(渇望)

「垂涎(すいぜん)」の意味をスッキリ理解!

垂涎(すいぜん):ある物を手に入れたいと熱望すること

「垂涎」の正式な読み方は「すいぜん」ですが、「すいせん」「すいえん」と読むこともあります。

「垂涎(すいぜん)」の意味を詳しく

「垂涎(すいぜん)」は、ある物を手に入れたいと熱望することです。

食べ物を食べたくてよだれを垂らすことに限定して使うこともあります。

「垂涎(すいぜん)」の使い方

  1. 彼の料理は垂涎の的だ。
  2. あのフィギュアはマニアからすれば垂涎物だ。
  3. 友人の持つブランドバッグに垂涎の眼差しを向ける。

①の例文の「垂涎の的」は「皆が欲しがるもの」という意味の慣用表現です。中国の書物『賈誼新書(かぎしんしょ)』の中のエピソードが由来となっています。

②の例文の「垂涎物」は「手に入れたいと渇望しているもの」という意味の慣用表現です。人に対して使える言葉ではないので注意しましょう。

③の例文は他人の所持品をうらやましがる視線について書かれています。

「垂涎(すいぜん)」の語源

「垂涎(すいぜん)」の語源は熟語を分解することでわかりやすくなります。

「垂涎」を構成する漢字にはそれぞれ以下のような意味があります。

「垂涎」の漢字の意味
  • :垂れる
  • :よだれ

人は美味しそうなものを見るとよだれが出てきます。「垂涎」は「涎(よだれ)」を「垂」らすという動作を熟語にしたものです。

なぜ食べ物を見るとよだれが出るのか

食事をするときよだれが出る理由はたくさんあります。主な理由としては、食べ物を消化しやすくすることや、また口の中を守り、洗浄するためです。

成人の場合、1日あたり1〜1.5リットル排出される、体の重要なシステムです。

「垂涎(すいぜん)」の類義語

「垂涎(すいぜん)」には以下のような類義語があります。

  • 舌なめずり:美味しい食べ物を食べる前に舌で唇を舐めること
  • 渇望:喉が乾いた人が水を欲しがるように、しきりに欲しがること
  • 喉が鳴る:美味しそうな食べ物を見て、食欲が起きること

「舌なめずり」や「喉が鳴る」は食べ物を前にして興奮している様子が目に浮かぶ言葉です。

「垂涎(すいぜん)」の対義語

「垂涎(すいぜん)」には以下のような対義語があります。

  • 充足:満ち足りること
  • 堪能:十分満足すること
  • 無関心:関心がないこと

「充足」と「堪能」は、満ち足りていることを表します。

一方、「無関心」はそもそも関心がないことを表します。

意味の異なる言葉ですがいずれも「垂涎」の対義語です。

「垂涎(すいぜん)」の英語訳

「垂涎(すいぜん)」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • die for
    (切望する)
  • long for
    (待ち焦がれる)
  • thirst
    (渇望)

“die for” や “long for” の “for” は「対象に気持ちが向かっている」ことを表す前置詞です。

“thirst” は「喉の乾き」という意味で使われることが多い単語ですが、「渇望」という意味でも使います。

まとめ

以上、この記事では「垂涎(すいぜん)」について解説しました。

読み方垂涎(すいぜん)
意味ある物を手に入れたいと熱望すること
語源「涎(よだれ)」が「垂」れる
類義語舌なめずり、渇望、喉が鳴るなど
対義語充足、堪能、無関心など
英語訳die for(切望する)、long for(待ち焦がれる)、thirst(渇望)

「垂涎」は、食べ物を食べたくてよだれを垂らしている様子がもとになった言葉です。食べたくてたまらない様子が目に浮かびますね。

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藤本
文章を書けば2度見される慶應生。コピー・作文関係の賞を複数受賞。スッキリ公式Twitterの中の人です。 #博覧強記 #筆力鼎を扛ぐ
【受賞歴】 宇都宮キャッチコピーコンテスト 最優秀賞 など