今回ご紹介する言葉は、熟語の「充分」です。
言葉の意味・使い方・語源・「十分」との違い・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「充分」をざっくり言うと……
読み方 | 充分(じゅうぶん) |
---|---|
意味 | 満ち足りて不足のないさま・充実して完全であるさま |
語源 | 「量がたくさんある」という意味の漢字から |
「十分」との違い | 「充分」は主観で「十分」は客観 |
類義語 | 十分、充実、充足 |
対義語 | 不十分、不足 |
英語訳 | sufficient(十分・充分) plenty(たっぷり・十分の・充分の) enough(足りている・十分の・充分の) amply(十分に・充分に・ふんだんに) fully(完全に) |
このページの目次
「充分」の意味をスッキリ理解!
「充分」の意味を詳しく
「充分」の意味は、「満ち足りて不足のないさま・充実して完全であるさま」です。
また、「思い残すことのないさま」を指すこともあります。人が充実感を感じている時に使う言葉です。
「充分」の使い方
- 君の謝罪の気持ちはしっかりと感じられた。もう充分だよ。
- 充分すぎるほどのごちそうを食べました。
- 私の気持ちを充分にご理解いただけたようで、本当によかったです。
どれも「満足のいくほど」という意味で使われているのがわかります。
「充分」の語源
もともと、「じゅうぶん」という言葉の漢字には「十分」が使われていました。
「充実」「充足」などの熟語に使われているように、「充」の文字が「中身がいっぱいあること」を表すので、「充分」という漢字も使われるようになったのです。若干の意味の違いもありますが、同じ意味として使われることもあります。
「文部科学省用字用語例」の中では「十分」という漢字の方が使われており、公文書などの正式なものでは「十分」の方が使われることが多いです。
「充」の漢字の意味は「中身がいっぱいあること」です。「分」の意味は、「物事の状態・様子・程度」や「ある範囲の分量」です。「量がたくさんある」という意味からこの漢字が使われているとわかります。
「充分」と「十分」の違い
「充分」と同じ読みの「十分」という単語があります。語源の項でも言ったように、「充分」は「十分」から生まれた言葉なので、同じ意味で使われることが多いですが、実は細かく使い分けがされる場合もあるのです。
「十分」と「充分」の意味の違いは単純に言うと以下のようになります。
- 十分:客観的に満ち足りていること
- 充分:主観的に満ち足りていること
「十分」は、「なにか数値で測れるようなものが満ちていること」を表します。それに対して、「充分」は、「自分が満足していること」や「主観的に満ち足りていること」を表すのです。
たとえば、「既定の量に十分達している」と言うときは、「量」について言っているので「十分」を使います。一方で「気持ちだけで充分だよ」と言う場合は、主観的に満足しているので「充分」を使います。
また、同じ文章でも、以下のように使い分けができます。
- 食料が十分にある:必要最低限の量がわかっていて、その量があること
- 食料が充分にある:食料が足りていると主観的に判断できる量があること
「充分」の類義語
「充分」には以下のような類義語があります。
- 十分:物事が満ち足りて、何の不足もないさま
- 充足:欠けた物・所を満たすこと・満ちているようす
- 充実:必要なものが十分に備わること・中身がいっぱいに満ちていること
「十分」についての詳しい解説はコチラをご覧ください。
「充分」の対義語
「充分」には以下のような対義語があります。
- 不十分:満足できる程ではないこと
- 不足:足りないこと・十分でないこと
「充分」の英語訳
「充分」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- sufficient
(十分・充分) - plenty
(たっぷり・十分の・充分の) - enough
(足りている・十分の・充分の) - amply
(十分に・充分に・ふんだんに) - fully
(完全に)
まとめ
以上、この記事では「充分」について解説しました。
読み方 | 充分(じゅうぶん) |
---|---|
意味 | 満ち足りて不足のないさま・充実して完全であるさま |
語源 | 「量がたくさんある」という意味の漢字から |
「十分」との違い | 「充分」は主観で「十分」は客観 |
類義語 | 十分、充実、充足 |
対義語 | 不十分、不足 |
英語訳 | sufficient(十分・充分) plenty(たっぷり・十分の・充分の) enough(足りている・十分の・充分の) amply(十分に・充分に・ふんだんに) fully(完全に) |
「充分」の英語訳はたくさんあるので、まとめて覚えてしまいましょう。