「息災」の意味とは?使い方から語源や類語や英語まで簡単に解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「息災(そくさい)」です。

言葉の意味・使い方・語源・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

「息災」の意味をスッキリ理解!

息災(そくさい):身体にさわりがなく、達者であるさま

「息災」の意味を詳しく

「息災」には2つの意味があります。

  1. 身体にさわりがなく、達者であるさま
  2. 仏の力によって災難や病気を防ぎ止めること、消滅させること

①:身体にさわりがなく、達者であるさま

1つ目は、身体にさわりがなく、達者であるさまという意味です。病気をしないで元気でいること、無事でいることを意味します。

日常的には、こちらの意味で使われます。

②:仏の力によって災難や病気を防ぎ止めること、消滅させること

2つ目は、仏の力によって災難や病気を防ぎ止めること、消滅させることという意味です。

後ほど語源について説明しますが、「息災」はもともと仏教用語が由来となって生まれた言葉です。

「息災」を用いた四字熟語

「息災」を用いた四字熟語とその意味を以下に紹介します。

  • 無病息災:まったく病気をせず、健康に過ごすこと
  • 無事息災:病気や事故などの災いの心配がなく、平穏に暮らすこと
  • 一病息災:持病が一つあるくらいの方が、健康な人よりもかえって長生きすること
  • 足手息災:体が丈夫であること
  • 息災延命/延命息災:災いを取り、命を延べること

いずれも病気などをせずに健康に暮らすことという意味が含まれています。「無病息災」はもっとも代表的で、神社の絵馬などにもよく書かれる言葉です。

「息災」のつく言葉
  • 息災日:万事に吉である日
  • 息災法:天災や病気などを消滅させるための密教の修法

「息災」の使い方

  1. 息災でいらっしゃいますか。
  2. 私は息災で過ごしております。
  3. 息災で何よりと安堵しております。
  4. 初詣では息災を祈ることが慣例である。

「息災」は日常生活においては、挨拶として使われることが多い言葉です。目上の人に対しても、自分に対しても使うことができます。かしこまった個人的な文章に使われます。

久しぶりに会った知人に対し、「元気にしていますか?」と聞きたいときには「息災でいらっしゃいますか」「息災にお過ごしですか」などと聞きます。

このように聞かれた場合には、「おかげさまで元気に過ごしております」などと返事をするのが良いでしょう。「息災」を用いて返答する際には「おかげさまで息災に暮らしております」「息災で過ごしております」などと表現します。

 

相手に対して「息災」を使う際は、「ご」をつけて「ご息災」と言うとより丁寧な表現になります。

「息災」を使った代表的な言い回しとしては「息災に暮らす」「息災に過ごす」「息災を祈る」「息災を祝う」などがあります。

「息災」の語源

「息災」を構成する漢字の意味は、それぞれ以下の通りです。

  • :やむ、しずめる
  • :自然に起こる悪い出来事

2つの漢字を組み合わせると、「自然に起こる悪い出来事をしずめる」という意味です。「息災」はもともと仏教用語でした。修行では天災や病気を除く、修行する人の煩悩を取り除くことが目的とされていました。

ここから「仏の力によって災難や病気を防ぎ止めること」という意味になりました。この意味が転じて「病気をせずに無事でいるさま」という意味で使われています。

「息災」の類義語

「息災」には以下のような類義語があります。

  • 健在:元気で暮らしていること
  • 壮健:丈夫で元気盛んなこと
  • 健全:健やかで異常のないさま
  • 健勝:健康がすぐれて元気なさま

他にも「無事」「元気」「つつがない」も類義語になります。

「息災」の英語訳

「息災」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • healthy
    (健康)
  • well
    (良い)
  • safe and sound
    (安全で穏やかに)
例文
  • We are all safe and sound.(私たちは皆息災です。)
  • I hope you and your family are doing well.(あなたとあなたの家族が息災であることを祈っています。)

まとめ

以上、この記事では「息災」について解説しました。

読み方息災(そくさい)
意味体にさわりがなく、達者であるさま
語源「しずめる」「自然に起こる悪い出来事」という意味の漢字から
類義語健在、壮健、健全など
英語訳healthy, well, safe and sound

「息災」はかしこまった挨拶の場面で用いられることの多い言葉です。ぜひ正しい使い方をマスターしましょう。