「潮時」の意味とは?使い方から英語や類語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「潮時(しおどき)」です。

言葉の意味・使い方・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「潮時」をざっくり言うと……

読み方潮時(しおどき)
意味物事を始めたり終わらせたりするのにちょうどいいタイミング
類義語時機、好機、時節
英語訳opportunity(機会)

「潮時」の意味をスッキリ理解!

潮時(しおどき):物事を始めたり終わらせたりするのにちょうどいいタイミング

「潮時」の意味を詳しく

「潮時」とは、物事を始めたり終わらせたりするのにちょうどいいタイミングのことです。

もともとは、潮が満ちたり引いたりするときのことです。まさに潮が満ち引きするように、物事の転換点が「潮時」ということになります。

また、単に「時間」という意味もあります。この場合、出産や死亡のタイミングのことを指す場合が多いです。

こちらの意味に引っ張られ、「潮時」を「物事の終わり」や「引き際」という意味で使う人もいます。ただし、この使い方は一般的には正しい使い方として認められていないので注意しましょう。

「国語に関する世論調査」での「潮時」の意味

平成24年度に行われた「国語に関する世論調査」では、以下のような結果になっています。

意味平成24年度
①ちょうどいい時期60.0%
②物事の終わり36.1%
①と②の両方の意味がある2.5%
①と②のどちらでもない0.4%
わからない1.0%

「国語に関する世論調査」とは、文化庁が行っている調査です。日本人が持つ国語に関する意識や、理解の現状について把握するために実施されています。

①の「ちょうどいい時期」という本来の意味のみで使う人は60%に留まっています。それに対し②の「物事の終わり」という意味で使う人は36%で、三分の一の人が誤用とされる意味で使用していることがわかります。

②の意味で使う人もいる、と理解したうえで、自分自身が使うときには①の意味のみで使うのがよいでしょう。

「潮時」の使い方

  1. 企画を持ちかけられた今こそ、まさに潮時だと思う。
  2. その連載漫画は、長すぎず短すぎず、潮時に終わったと言えるだろう。

上記の例文のように、「潮時」は物事の始まりや終わりの場面で使われます。

①の例文では、「企画を持ちかけられた」という状況をちょうどいいタイミングだと言っています。「潮時」という言葉により、企画を始めるのにはうってつけの時期であることがわかります。

②の例文では、連載漫画が終わったタイミングが適切であったことを「潮時」と表現しています。

「潮時」の類義語

潮時には以下のような類義語があります。

  • 時機:物事を行うのにちょうどよい機会
  • 好機:物事を行うチャンス
  • 時節:物事を行うのにちょうどいいタイミング
  • 機運:物事を行うのにちょうどよい機会

「時機」「好機」「時節」は、どれも「物事を行うのにちょうどいい機会」という意味を持ちます。「潮時」とほぼ同じ文脈で使うことができます。

ただし、「潮時」が「物事を終わらせるのにちょうどいい機会」という意味も持つのに対し、「時機」「好機」「時節」は「始めるのにちょうどいい」というニュアンスが強く、「終わらせる」という場面で使うことはあまりありません。

「好機」は「好機を掴む」など、訪れた機会をどう使うかという場面で使われることが多いです。「時機」も似たような場面で使われます。

「時節」は、「時節を待つ」など、チャンスが訪れる日を待つような場面で使われることが多いです。「時機」「好機」よりも「時間」というニュアンスがやや強くなります。

「潮時」の英語訳

潮時を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • opportunity
    (機会)
  • chance
    (好機)
  • tidal hour
    (潮合)

opportunityやchanceは、「機会」という意味のある英単語です。 “an opportunity” や “a chance” でそのまま「よい機会」というニュアンスがあります。

後ろに “to do” をつけると「〜するのによい機会」という意味になり、より「潮時」に近いニュアンスになります。

“tidal hour” は、「潮の満ち引きのとき」という意味での「潮時」です。日常会話ではあまり使われませんが、海に関係する文脈のときはこちらを使いましょう。

まとめ

以上、この記事では「潮時」について解説しました。

読み方潮時(しおどき)
意味物事を始めたり終わらせたりするのにちょうどいいタイミング
類義語時機、好機、時節
英語訳opportunity(機会)

「潮時」は意味が複雑で使いにくい言葉ですが、正確に使えるようにしましょう。