「紳士協定」の意味とは?使い方から英語や対義語や類語まで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「紳士協定(しんしきょうてい)」です。

言葉の意味や使い方・由来・類義語・対義語・英語訳について分かりやすく解説します。

☆「紳士協定」をざっくり言うと……

読み方紳士協定(ふりがな)
意味公式の手続きや文書によらずに、互いを信頼して取り決めた約束のこと
由来英語の gentlemen’s agreement
類義語紳士協約、一諾千金、口約束など
対義語条約
英語訳gentlemen’s agreement(紳士協定)

「紳士協定」の意味をスッキリ理解!

紳士協定(しんしきょうてい):公式の手続きや文書によらずに、互いを信頼して取り決めた約束のこと

「紳士協定」の意味を詳しく


「紳士協定」とは、公式の手続きや文書によらずに、互いを信頼して取り決めた約束のことを意味する四字熟語です。「法的拘束力を持たない、非公式の国際協定」に限定して言う場合もあります。

「協定」とは、国家や団体、個人などの当事者間で成立する合意のことです。「紳士協定」は、「協定」の中の一種だということになります。

基本的に、協定を結ぶのであれば、法的な手続きに基づいて行うのが確実でしょう。その約束は文書として残り、万が一破った際は罰金が科されるなど法的拘束力を持つからです。

 

しかし、「紳士協定」はお互いが誠意と良識をもって振る舞うことを前提に、信頼だけをもとに結ぶ協定です。正式な手続きを踏んでいないため、文書には残らず、法的拘束力も持ちません。一見すると、強制力の弱い協定のように思われます。

ただ、完全に信頼に頼る約束であり、破ることは相手の信頼を大きく失うことには変わりはありません。

したがって、「紳士協定」も一定の拘束力を持つものなのです。

「紳士協定」の使い方

  1. 練習試合の相手と、お互いに本気のメンバーで挑むという紳士協定を結ぶ。
  2. 国家間の紳士協定を破ることは、相手国の信頼を一気に失い、非難も必至だ。
  3. お互いの秘密を絶対に言わないこと。これが彼との紳士協定だ。
以上の例文のように、「結ぶ」「破る」などといった言葉を後ろに伴うことが多いです。

「紳士協定」の由来

「紳士協定」という四字熟語は、英語の gentlemen’s agreement が由来となっています。

gentlemen には「紳士」、agreement には「協定、合意」といった意味があります。

ちなみに「紳士」には、「礼儀正しく、上品で教養がある人」という定義があります。「協定」は当事者間で成立する合意のことを指します。

 

英語では、法的な手続きを踏まず、協定を結ぶ当事者がお互いに「紳士であること」を信頼して結ぶことを、gentlemen’s agreement と言っていました。

gentlemen’s agreement を日本語に訳したのが「紳士協定」で、一般的にも使われるようになりました。

「紳士協定」の類義語

紳士協定には以下のような類義語があります。

  • 紳士協約:「紳士協定」と同義
  • 一諾千金(いちだくせんきん):信義が厚く、裏切ることが無いことのたとえ
  • 口約束:口頭だけでした約束
  • 不文律(ふぶんりつ):明文化されていない法・ 互いに心の中で了解し合っているきまり

「紳士協定」の対義語

紳士協定には以下のような対義語があります。

  • 条約:国家間の文書による合意

「条約」はあくまでも、国家間の合意に対してしか使用することができません。

「紳士協定」の英語訳

紳士協定を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • gentlemen’s agreement
    (紳士協定)

まとめ

以上、この記事では「紳士協定」について解説しました。

読み方紳士協定(ふりがな)
意味公式の手続きや文書によらずに、互いを信頼して取り決めた約束のこと
由来英語の gentlemen’s agreement
類義語紳士協約、一諾千金、口約束など
対義語条約
英語訳gentlemen’s agreement(紳士協定)

「紳士協定」は、公式の手続き、文書によらないものなので、一見すると効力が低いものという感覚を持つかもしれません。しかし、信頼を基にした協定だからこそ、今後の信頼関係に大きな影響を及ぼすことから、実は強い効力を持つものなのです。

どのような言葉にも、何らかのイメージを持つと思います。しかし、「紳士協定」のように意味を詳しく調べてみると、イメージと大きく異なるという場合は少なくありません。

誤用を防ぐためにも、イメージだけで理解している言葉がある場合は、一度その言葉について詳しく調べてみるといいかもしれませんね。