「震撼」の意味とは?使い方から類語や英語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「震撼(しんかん)」です。

言葉の意味・使い方・類義語・英語訳について分かりやすく解説します。

☆「震撼」をざっくり言うと……

読み方震撼(しんかん)
意味ショックを与え、震え上がらせること
類義語動揺、戦慄、驚愕、震駭など
英語訳shake(動揺させる)

「震撼」の意味をスッキリ理解!

震撼(しんかん)ショックを与え、震え上がらせること

「震撼」の意味を詳しく

「震撼」とは、ショックを与え、震え上がらせることを意味する熟語です。また、人の心をふるい動かすことも表します。

使うのは、多くの場合、何らかの悪い出来事が起こった時です。例えば、大きな自然災害や凶悪な事件が起こり、それが人々に驚き・恐怖を与えた時に使用します。

 

「ふるい動かす」という意味を重視するのであれば、ポジティブな意味で使うのも間違いではありません。その場合、「彼の驚異的な記憶力は、日本中の人を震撼させた」のように、ある物事の素晴らしさを言い表すのに使うことなどが考えられます。

ただ、現実には、よいニュアンスで使うことは少ないです。そのため、褒め言葉等で使うのは、避けるのが無難でしょう。

 

「震」には、「揺れ動く」「震えおののく」という意味があります。一方、「撼」には、「うごかす」「ゆるがす」という意味があります。

ちなみに、中国語にも「震撼」という言葉があり、日本と同様の意味で使われています。

「震撼」の使い方

  1. 先月の無差別銃乱射事件は全米を震撼させ、銃規制に関する議論を呼んだ。
  2. 正体不明の組織からの犯行声明が、列島を震撼させた。
  3. 想像だにしなかった巨大地震と原発事故は、世界を震撼させた。
  4. ラグビーのスター選手がみせたスーパープレーは、日本を震撼させた。

➀➁➂の例文のように、何らかの悪い出来事が起こり、それが人々に驚き・恐怖を与えた時に使うことが多いです。「震撼」させられた人々の間では、「自分も同じような目に遭うのではないか」という不安な心情が広がっていることが推測されます。

➀の例文では、「無差別銃乱射事件」を受けて、人々の間に驚きと不安が広がっている様子を「震撼」と表現しています。

➁の例文では、「犯行声明」が、日本の多くの人々にショックを与え、震え上がらせていることを「震撼」と表しています。

 

➂の例文では、「巨大地震と原発事故」が「原発は安全」というイメ―ジを大きく覆し、人々を動揺させる様子を「震撼」と表現しています。

一方、➃の例文では、素晴らしいプレーが人々の心を動かし、大きな感動を呼んだ様子を「震撼」と表しています。このような使い方は、あまり見られません。

「震撼」の類義語

「震撼」には以下のような類義語があります。

  • 動揺:心が揺れ動き、平静を失うこと
  • 戦慄(せんりつ):恐ろしさのあまり、体が震えること
  • 驚愕(きょうがく):非常に驚くこと
  • 震駭(しんがい):驚き、震え上がること
  • 寒心(かんしん):恐れを感じ、ぞっとすること

「戦慄」は、より「体が震える」という意味合いが強いです。「戦」「慄」の2種類の漢字でできています。

「戦(おのの)く」「慄(おのの)く」は、どちらも「恐怖・興奮などで体や手足が震えること」を意味します。

「震撼」の英語訳

「震撼」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • shake
    (動揺させる)
  • tremble
    (恐怖で身震いする)

“shake the world”で「世界を震え上がらせる」、 “a world‐shaking event”で「世界中を震え上がらせる出来事」という意味になります。

まとめ

以上、この記事では「震撼」について解説しました。

読み方震撼(しんかん)
意味ショックを与え、震え上がらせること
類義語動揺、戦慄、驚愕、震駭など
英語訳shake(動揺させる)

人の心をふるい動かすという意味を重視するなら、「震撼」はポジティブ・ネガティブ両方の場面で使うことができます。ただ、一般的にポジティブな場面で使用することは、あまりありません。

ポジティブな場面で使うと、不自然に思われる可能性もあります。使うタイミングには、十分注意しましょう。