先手必勝とは「戦いでは、相手より先に行動すれば勝てるということ」という意味です。
日常会話でよく使うからこそ、間違った使い方をしたくないですよね。
将棋などのゲームで、先に攻撃した方が勝ちやすいことから生まれた語なのです。
この記事では、先手必勝の意味や使い方を詳しく解説します。
☆「先手必勝」をざっくり言うと……
読み方 | 先手必勝(せんてひっしょう) |
---|---|
意味 | 戦いでは、相手より先に行動すれば勝てるということ |
由来 | 将棋や囲碁などのボードゲーム |
類義語 | 先発制人 先即制人 先制攻撃 など |
対義語 | 後手必勝 後手に回る 急いては事を仕損じる |
英語訳 | First come, first served. (早い者勝ち。) Whoever strikes first wins. (最初に攻撃した人が勝つ。) victory goes to the one who makes the first move (勝利は最初に行動した人の元へ行く) など |
「先手必勝」の意味
戦いでは、相手より先に行動すれば勝てるということ
先手必勝は、「戦いの場面において、相手より先に行動すれば必ず勝てる」という意味です。
そこから転じて、「勝つ」だけでなく「成功する」という広い意味で使われます。
ここからは、先手と必勝の意味を解説します。
「先手」の意味
- 他の誰よりも早く行動すること。それによって有利になること
- 将棋や囲碁で、先に攻撃する方
先手必勝では①の意味で使われています。
「必勝」の意味
必勝は、「間違いなく勝つこと」という意味です。
「先手必勝」の表記
先手必勝は、以下のように表記することもあります。
- 先手必笑
「勝」を「笑」に変えることで、「先に行動すれば笑うことができる」ことを表しています。
本来は誤用ですので、正式な文書などでは使わないように注意しましょう。
「先手必勝」の使い方
先手必勝は、以下のような場面で使います。
- 将棋や囲碁などのボードゲーム
- スポーツなどの勝負事
- ビジネスシーン
- 座右の銘
「勝つ」というポジティブな意味をもつため、座右の銘としても使われます。
例文を見てみましょう。
- 一般的に、将棋は先手必勝だと言われており、プロの多くが先手を好む。
- スクープを狙う新聞や雑誌の記者には、他紙よりも早く、先手必勝で記事を書くことが求められる。
- この事業を成功させるためには、先手必勝を狙うことが不可欠だ。
- 彼はテニスの試合が始まると同時に、先手必勝とばかりに攻撃を仕掛けた。
- わが家の食卓は先手必勝のため、急がないとおかずを全部食べられてしまう。
- 「何事も先手必勝」が座右の銘であるため、迷っている暇があるのなら行動したい。
「先手必勝」の由来
先手必勝の由来は、将棋や囲碁などのボードゲームです。
将棋や囲碁では、対戦する2人のことを以下のように呼びます。
- 先手(せんて)
先に攻撃する方 - 後手(ごて)
後に攻撃する方
先手の方が勝つ確率が高いとされているため、先に攻撃して勝つことを先手必勝と表現するようになりました。
「先手必勝」の類義語
先手必勝にはたくさんの類義語がありますが、以下の2通りに分けられます。
- 「有利に立てる」という意味を含むもの
- 「有利に立てる」という意味を含まないもの
それぞれ見ていきましょう。
類義語①「有利に立てる」という意味を含むもの
以下の類義語は、「相手より先に行動すれば、有利に立てる」という意味です。
- 先発制人(せんぱつせいじん)
他人より先に行動すれば、相手より有利な立場に立てる - 先即制人(せんそくせいじん)
他人より先に行動すれば、相手より有利な立場に立てる - 先んずれば人を制す
他人より先に行動すれば、相手より有利な立場に立てる - 早い者勝ち
他人より先に行動した人が利益を得る - 先手圧勝(せんてあっしょう)
相手より先に行動して、大きく引き離して勝つこと
類義語②「有利に立てる」という意味を含まないもの
以下の類義語は、「相手より先に行動する」という意味です。
- 先制攻撃(せんせいこうげき)
敵が戦いの準備などをしている間に、先に攻撃をしかけること - 先手を打つ
①囲碁や将棋において、相手より先に着手すること
②先に攻撃したり、攻撃に備えたりすること - 率先躬行(そっせんきゅうこう)
人の先に立って、自分から行動すること - 機先(きせん)を制する
先に行動して、相手の計画を壊すこと - 先鞭(せんべん)をつける
他人より先に行動する - 先を越す
他人より先に行動する - 抜け駆けする
①戦場で功績を得るために、隠れて自分だけ先に攻め入ること
②人を騙すなどして行動すること - 出し抜く
相手が気を抜いている隙に行動したり、騙して行動したりすること
「先手必勝」の対義語
先手必勝には以下のような対義語があります。
- 後手必勝(ごてひっしょう)
後に行動した人が勝つこと - 後手(ごて)に回る
相手に先に攻撃されたり抜かされたりして、受け身の立場になる - 急(せ)いては事を仕損(しそん)じる
焦って行動すると失敗する
後手必敗という四字熟語はありません。
なぜなら、「必ず負ける」とは言い切れないためです。
「先手必勝」の英語訳
先手必勝を英語に訳すと、次のような表現になります。
- First come, first served.
(早い者勝ち。) - Whoever strikes first wins.
(最初に攻撃した人が勝つ。) - victory goes to the one who makes the first move
(勝利は最初に行動した人の元へ行く) - victory goes to the swiftest
(人より先に行動を起こせば、必ず優位に立てる) - being quick to take action leads to victory
(素早く行動することが勝利につながる) - The devil take the hindmost.
(逃げ遅れた者はどうとでもなれ。) - The early bird gets the worm.
(速い鳥が虫を捕らえる。) - The foremost dog catches the hare.
(先頭の犬がウサギを捕らえる。)
「先手必勝」のまとめ
以上、この記事では先手必勝について解説しました。
読み方 | 先手必勝(せんてひっしょう) |
---|---|
意味 | 戦いでは、相手より先に行動すれば勝てるということ |
由来 | 将棋や囲碁などのボードゲーム |
類義語 | 先発制人 先即制人 先制攻撃 など |
対義語 | 後手必勝 後手に回る 急いては事を仕損じる |
英語訳 | First come, first served. (早い者勝ち。) Whoever strikes first wins. (最初に攻撃した人が勝つ。) victory goes to the one who makes the first move (勝利は最初に行動した人の元へ行く) など |
先手必勝は、将棋や囲碁などの伝統的なゲームから生まれた四字熟語です。
勝負事に関わらず、行動を起こすなら早い方が良いに越したことはありませんので、いつも覚えておきたい考え方ですね。