今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「三々五々(さんさんごご)」です。
言葉の意味・使い方・由来・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「三々五々」をざっくり言うと……
読み方 | 三々五々(さんさんごご) |
---|---|
意味 | 人などが数人のグループになって、集まったり離れたりしている様子 |
由来 | 李白の『採蓮曲』という漢詩から |
類義語 | 三々両々、ちらほら、適宜など |
対義語 | 一斉に、勢揃い、一様になど |
英語訳 | by twos and threes(2〜3人で) |
このページの目次
「三々五々」の意味をスッキリ理解!
「三々五々」の意味を詳しく
「三々五々」とは、人が数人のグループになり、ぱらぱらと集まったり、離れたりする様子を表します。人々が集まってくるときも、離れていくときも使えます。日常生活でそこまで使うことはありませんが、小説などでよく出てくる言葉です。
はっきりと時間を定めて集合・解散するのではなく、でも一人一人が全員バラバラなわけでもない、微妙な距離感を表した語です。人がお互いに暗黙の了解を持って動いている、というニュアンスを持っています。
なお、物や発言などについても使うことができます。その場合は、少ない数の物が固まって存在している様子を表したり、ぽつぽつと発言や質問が出てくる様子を表します。
「三々五々」の使い方
- 集合時間をきっちりと決めていなかったので、参加者は三々五々集まってきた。
- 部活の大会後、生徒たちは三々五々帰っていく。
- 都心から車で3時間程度のこの地に降り立つと、家が三々五々見える。
①は、イベントの参加者が数人単位でばらばらと集まってきた様子を表している文です。きちんと集合時間を決めていないときに、なんとなくみんながだいたい同じくらいの時間に集合してくる様子を「三々五々」と表します。
②は逆に人々が解散するときの文です。部活の大会の後、生徒が友達同士の小グループになって帰っていく様子を表しています。他にも学校が終わった後など、2〜3人で帰っている様子を見かけることはないでしょうか。それが三々五々のイメージです。
③の文は、田舎に家がぱらぱらと建っている様子を表した文です。この場合は集合や解散といった意味はありません。数個ずつ建物が固まって点在していて、密集しているわけでも一軒しかないわけでもない、というような様子を表しています。
このように、「三々五々」は、人に対しても物に対しても使えます。
「三々五々」の由来
三々五々は、昔の中国の詩人、李白の漢詩『採蓮曲(さいれんきょく)』に由来しています。元になった一節をご紹介します。
岸上誰家遊冶郎、
三三五五映垂楊。
これは、岸辺にいた女性たちに、若い男性が3人〜5人くらいのグループになってぱらぱらと話しかけている様子を表した一節です。
この漢詩が日本に入ってきたのち、「三三五五」の部分が四字熟語として残ったと言われています。
この語が日本で定着した理由としては、以下のようにさまざまな説があります。
- 日本は昔から「三種の神器」などのように「三」という数字を縁起がいいとしていたから
- 十五夜を「三五夜」と表すなど、「三五」という単語がもともと日本にあったから
- かつては時計がなく、時間を厳密に表すことができなかったため、三々五々のような集合方法が一般的だったから
「三々五々」の類義語
三々五々には以下のような類義語があります。
- 三々両々:あちこちにぱらぱらと散らばっている様子
- ちらほら:少しずつまばらにある様子
- ぽつぽつ:あちこちに少しずつある様子
- めいめい:一人一人がそれぞれ
- 適宜:各自がいい感じに
「三々五々」の対義語
三々五々には以下のような対義語があります。
- 一斉に:揃って同時に
- 勢揃い:全員が一度に会すること
- 一様に:皆が同じように揃っているさま
「三々五々」の英語訳
三々五々を英語に訳すと、次のような表現になります。
- by twos and threes
(2〜3人で) - in groups(of twos and threes)
(グループで) - gather in knots of twos and threes
(数人で固まって)
gather in knotsは「結び目みたいに集合して」という比喩(ひゆ)表現です。
まとめ
以上、この記事では「三々五々」について解説しました。
読み方 | 三々五々(さんさんごご) |
---|---|
意味 | 人などが数人のグループになって、集まったり離れたりしている様子 |
由来 | 李白の『採蓮曲』という漢詩から |
類義語 | 三々両々、ちらほら、適宜など |
対義語 | 一斉に、勢揃い、一様になど |
英語訳 | by twos and threes(2〜3人で) |
三と五という数字から、なんとなく情景がイメージできる言葉なのではないでしょうか。