今回ご紹介する言葉は、熟語の「五月雨(さみだれ)」です。
言葉の意味・使い方・語源・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
「五月雨」の意味をスッキリ理解!
「五月雨」の意味を詳しく
「五月雨」には、大きく分けて2つの意味があります。
- 陰暦の5月にふる長い雨
- 断続して長い間だらだらと続くこと
①のように「五月の雨」と書く「五月雨」ですが、本来陰暦の5月を指しているため、現代では6月~7月の梅雨のことを指しています。
俳句や挨拶状でも「梅雨の季語」「夏の季語」として使用され、5月と聞くと春をイメージしますが、旧暦では夏となります。
陰暦5月の天候を表す言葉
「五月雨」と同様に、陰暦5月の天候を表す言葉が他にもあります。
- 五月晴れ(さつきばれ):梅雨の間のわずかな晴れ間
- 五月雲(さつきぐも):梅雨時期の薄暗い雲
- 五月闇(さつきやみ):梅雨時期の暗い夜
②のように「五月雨」には、「途切れながらも、長い間だらだらと物事が続くこと」という意味があります。梅雨特有の「雨がだらだらと降り続ける様子」からこの意味になりました。
「五月雨」の使い方
- 五月雨の時期になると、なぜか悲しい気持ちになる。
- 会議が五月雨式に開かれる。
- ご連絡が五月雨式となってしまい、申し訳ございません。
ビジネスシーンの「五月雨」
ビジネスシーンで「五月雨」は、「五月雨式(さみだれしき)」の形で使用されます。
- 五月雨式:途中で途切れつつも、長い間だらだらと物事が続くこと。
「だらだら続く」という意味で「物事が終わりが見えずに続く様子」を表します。ビジネスの場面では、 書類や仕事などを一括ではなく、徐々に渡していくことを表しています。
「だらだらと申し訳ございません」よりも「五月雨式に申し訳ございません」の言い回しの方が、丁寧で印象が良くなります。
「五月雨」の語源
「さ」は「五月・皐月(さつき)」や「早苗(さなえ)」などと同様に、耕作を意味する古語「さ」を表しています。「みだれ」は「水垂れ(みだれ)」の意味を持ちます。
2つの語が合わさった「五月雨る(さみだる)」という動詞が和歌で使用されていたことから、その名詞形にあたる「五月雨」が成り立ちました。
「五月雨」の類義語
五月雨には以下のような類義語があります。
- 梅雨:6月から7月中旬の雨が降る時期
- 断続:切れたり続いたりすること
- 途切れ途切れ:途中で何度も切れ目があること
「梅雨(つゆ)」は、「6月から7月中旬の雨がふる時期」を意味しており、「五月雨」の「陰暦の5月ごろにふる雨」という意味と類似しています。
「梅雨」を「ばいう」と読む場合、「梅雨前線」など他の単語とあわせて使用することが多く、一般的に「梅雨」単体の場合「つゆ」と読まれます。
「断続」は、「所々途切れながらも続くこと」を指します。「五月雨式」で意味が通じない場合は、「断続的」で言い換えると伝わりやすくなります。
「途切れ途切れ」は、「五月雨式」「断続的」と同じ意味ですが、より柔らかい表現となります。状況に応じて使い分けられるようにしておきましょう。
「五月雨」の英語訳
五月雨を英語に訳すと、次のような表現になります。
- Early summer rain
(初夏の雨) - intermittently
(断続的に) - on and off(off and on)
(断続的に)
「五月雨」は、“Early summer rain” と表現し、直訳すると「初夏の雨」となり「五月雨」を意味します。また、「五月雨」は雨季の1つであることから “Rainy season(雨季)” とも表すことができます。
“intermittently” と “on and off” は主に「断続的な」という意味で使用されます。
- work intermittently. (断続的に作業をする。)
- He attends meetings on and off.(彼は断続的に会議に出る。)
まとめ
以上、この記事では「五月雨」について解説しました。
読み方 | 五月雨(さみだれ) |
---|---|
意味 | 梅雨・長い間物事が続くこと |
語源 | 「五月雨る(さみだる)」という動詞から |
類義語 | 梅雨、断続、途切れ途切れ |
英語訳 | early summer rain、intermittently、on and off |
「五月雨」には、「陰暦の5月に降る長い雨」と「断続して長期間続くこと」という2つの意味があります。ビジネスシーンで謝罪や要件を伝える場面で使用します。
適切な意味と使い方を理解し、失礼のないような使い方を心がけましょう。