今回ご紹介する言葉は、熟語の「錯覚(さっかく)」です。
言葉の意味・使い方・語源・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「錯覚」をざっくり言うと……
読み方 | 錯覚(さっかく) |
---|---|
意味 | 事実と違うものに知覚すること |
語源 | 「混乱する」「感じて知る」という意味の漢字から |
類義語 | 幻想、誤認、幻覚など |
対義語 | 真実、真理 |
英語訳 | illusion, delusion, mistake |
「錯覚」の意味をスッキリ理解!
「錯覚」の意味を詳しく
「錯覚」には3つの意味があります。
- 事実を違うものに知覚すること
- 視覚によって違うものに見えること
- 単なる思い違いや勘違い、間違いのこと
事実を違うものに知覚すること
①の意味は、外界の事物をその客観的性質に相応しない形で知覚してしまうことです。
わかりやすい例で言うと、マジックがあります。マジックは現実では起こり得ない現象ですが、「錯覚」によって現実で起きていると思い込ませています。
人は不安定な心理状態であると、起こり得るはずがないことを知覚してしまったり、事実とは異なる認識を持ってしまうことがあります。「錯覚」は聞く、触るなど五感における知覚において間違った解釈をしてしまうことです。
心理学における「錯覚」は、刺激または対象の客観的事実を違ったものに知覚することの意味で使われています。
視覚によって違うものに見えること
②の意味は、①の視覚に限定されたものです。視覚による「錯覚」を「錯視」と言います。
たとえば、ここに上げた黒と白の縞模様の絵があります。この絵はまるで渦を巻いて奥へと引き込まれ、絵がくぼんでいるように見えますが、もちろん平面です。
このように現実とは異なる見え方をしてしまうことを目の「錯覚」と言います。
単なる思い違いや勘違い、間違いのこと
③の意味は、もっとも日常的に使われる意味合いです。
たとえば予定がある日を勘違いしていた場合などに、「日付を錯覚していた」などと使います。見間違いや聞き間違い、勘違いなど日常的によくある場面で使われます。
「錯覚」の使い方
- 誰もいないはずの部屋に誰かいるかのような錯覚を起こした。
- 小説を読み終えると、主人公になったような錯覚に陥ることがある。
- 夜の運転は錯覚しやすいので注意が必要だ。
- 今日は出勤日だと錯覚していたが、休日だった。
①、②の例文は「事実と違うものに知覚すること」の意味で使われています。「〇〇のような錯覚を起こす」「〇〇のような錯覚に陥る」という言い回しがよく用いられます。
③、④の例文は「単なる思い違いや勘違い、間違い」の意味で用いられています。これは日常的な場面で使われることの多い表現です。「〇〇だと錯覚していた」のように、勘違いしていたと同じ構文で使うことができます。
「錯覚」の語源
「錯覚」を構成する漢字の意味は、それぞれ以下の通りです。
- 錯:混乱する、間違う
- 覚:感じて知る
2つの漢字の意味を合わせると、「間違って感じ取る」という意味になります。
「錯覚」の類義語
「錯覚」には以下のような類義語があります。
- 幻想:根拠のない空想
- 誤認:間違えて違うものをそれと認めること
- 幻覚:外から刺激を受けていないのに、受けたように感じること
- 幻惑:目先を惑わすこと
「幻惑」は「視覚によって違うものに見えること」、「誤認」は「単なる思い違いや勘違い、間違い」の類義語です。
幻覚:実際にないものをあると感じること
「錯覚」の対義語
「錯覚」には以下のような対義語があります。
- 真実:嘘偽りのない、本当のこと
- 真理:間違いでない道理
「錯覚」の英語訳
「錯覚」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- illusion
(感覚上の思い違い) - delusion
(誤った思い込み) - mistake
(間違える)
- He is under a delusion that he become very famous.(彼は有名人になる錯覚に陥った。)
- A warm day in winter gives an illusion of spring.(冬の暖かい日は春が来たかのような錯覚を起こさせる。)
まとめ
以上、この記事では「錯覚」について解説しました。
読み方 | 錯覚(さっかく) |
---|---|
意味 | 事実と違うものに知覚すること |
語源 | 「混乱する」「感じて知る」という意味の漢字から |
類義語 | 幻想、誤認、幻覚など |
対義語 | 真実、真理 |
英語訳 | illusion, delusion, mistake |
「錯覚」は日常的に使われる言葉です。意味がたくさんあるので区別できるようにしましょう。