今回ご紹介する言葉は、熟語の「留意(りゅうい)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「留意」をざっくり言うと……
読み方 | 留意(りゅうい) |
---|---|
意味 | ある物事に心をとどめて、気をつけること |
類義語 | 注意、用心 |
対義語 | 油断、失念 |
英語訳 | attention(注意、配慮) |
「留意」の意味をスッキリ理解!
「留意」の意味を詳しく
「留意」とは、「ある物事に心をとどめて、気をつけること」という意味です。
「警戒」や「注意」など、他の「気をつける」という意味を持つ言葉と比べると、「留意」の気をつける程度は弱めです。
「気をつけるべきことを頭の片隅においておく」といったイメージを持つといいでしょう。
「留意」の使い方
「留意」の使い方の例として、以下のような文が挙げられます。
- 健康に留意して塩分を控える。
- くれぐれもお体にご留意してお過ごしくださいませ。
- この道具を扱う際には、留意点が3つあります。
上記の例文のように、「留意」は「留意する」というように動詞の形で使われるのが一般的です。
また、以下のような言い回しでも使われます。
- 留意点
- 留意事項
- 留意いたします
- 留意ください
- 留意願います
①の例文の「留意」は、「気をつける」と言い換えることができます。
このように、「常に注意を払う」というよりも「必要な時に気をつける」というニュアンスを持っています。
また、②のように「留意」は、ビジネスシーンでもよく用いられます。
この場合の「留意」は、メールなどの文面で相手の健康を気遣う意味を持っています。
③にあるように、「留意点」という言い回しも多く使われています。
「留意」の類義語
留意には以下のような類義語があります。
- 注意:気をつけること。また、悪いことが起こらないように警戒すること
- 用心:心を配ること。また、万一に備えて注意・警戒を怠らないこと
- 警戒:好ましくないことが起こらないように、気をつけること
- 配慮:良い結果になるように、心を配ること
- 心配り:細かい点にまで注意を払うこと
これらの熟語は、「気をつけること」という意味を表しているという点で「留意」と共通しています。
「注意」「用心」などは、「留意」と同じように「気をつけること」という意味を表します。
ですが、それぞれの使い方やニュアンスは異なっています。
今回は類義語の中でも「注意」「用心」について、「留意」との違いを見ていきましょう。
「留意」と「注意」の違い
「留意」と「注意」には以下のような違いがあります。
留意 | 注意 | |
---|---|---|
気をつける対象 | 抽象的 | 具体的 |
気をつける期間 | 長期間 | 短期間 |
危険度 | 低め | 高め |
「留意」と「注意」では気をつける対象、気をつける期間などが異なるのです。
「留意」は抽象的なことについて長期間気をつけることを表し、気をつけなかった時の危険度は低めです。
一方、「注意」は具体的なことについて短期間気をつけることを表し、気をつけなかった場合の危険度は高めです。
「注意」は、気をつける対象が具体的、もしくは瞬間的な場合に用いられます。
たとえば、「道に飛び出す子ども」には「注意」を用い、「健康」には「留意」を用います。
このように「留意」と「注意」は似ているようでニュアンスには大きな違いがあります。
そのため、互いに言い換えられないことが多いです。
たとえば、「細心の注意」とは言いますが、これを「細心の留意」と言い換えることはできません。
「留意」と「用心」の違い
「留意」と「用心」の最大の違いは気をつける程度です。
「留意」は「気をつけておく」程度のニュアンスで、そこまで気をつける度合いは高くありません。
一方、「用心」は、「悪い事態に陥らないようにする」という意味合いが強く、「留意」に比べて気をつける度合いが高いです。
たとえば、健康状態が悪くなる「風邪」に対しては、「風邪に用心する」というように用いることができます。
「留意」の対義語
留意には以下のような対義語があります。
- 油断:あることを見くびって気を許し、注意を怠ること
- 失念(しつねん):うっかり忘れること
「留意」の反対の意味は、「ある物事について、気をつけないこと」です。
「油断」と「失念」は、どちらも気をつけるべき時に、注意を払わないさまを表しています。
「留意」の英語訳
留意を英語に訳すと、次のような表現になります。
- attention
(注意、配慮)
英語で「留意」の意味を表したい場合は、 “attention” を用いましょう。
動詞の形で「~に留意する」と表現する時には、以下のような言い回しが使えます。
- pay attention to ~
(気をつける) - take notice
(気をつける) - please note
(ご注意ください)
まとめ
以上、この記事では「留意」について解説しました。
読み方 | 留意(りゅうい) |
---|---|
意味 | ある物事に心をとどめて、気をつけること |
類義語 | 注意、用心 |
対義語 | 油断、失念 |
英語訳 | attention(注意、配慮) |
「留意」という言葉は身近に使われていますが、意味をきちんと理解している人は少ないのではないでしょうか。
いざ「留意」という言葉を使う場面が来た時は、他の類義語とのニュアンスの違いに留意して、正しく用いることができるようにしましょう。