今回ご紹介する言葉は、ことわざの「類は友を呼ぶ」です。
言葉の意味・使い方・由来・類義語・対義語・英語訳・中国語についてわかりやすく解説します。
☆「類は友を呼ぶ」をざっくり言うと……
意味 | 考え方や趣味が似た者同士は気が合い、自然に集まるということ |
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由来 | 『易経(えききょう)』の「類は友を以て集める」という記述 |
類義語 | 同類相求む、似た者夫婦、似るを友など |
対義語 | 鶏群の一鶴、掃き溜めに鶴、万緑叢中紅一点など |
英語訳 | Birds of a feather flock together.(同じ羽の鳥は、一緒に集まる。) |
中国語 | 物以类聚(ピンイン:wù yǐ lèi jù) |
このページの目次
「類は友を呼ぶ」の意味をスッキリ理解!
「類は友を呼ぶ」の意味を詳しく
「類は友を呼ぶ」は、考え方や趣味が似た者同士は気が合い、自然に集まるということを意味することわざです。
たとえば、同じ夢を持つ人同士や、野球観戦が好きな人同士が仲良くなり、集まる場合に使用します。
また、このことわざでは、共通点の良し悪しは問いません。そのため、「犯罪をする」「性格が悪い」「うそつき」といった悪い人同士が集まる、という意味でも使用します。
「類は友を呼ぶ」の「類」「友」はそれぞれ以下のような意味です。
- 類:似た者同士の集まり
- 友:友人や仲間
「類は友を呼ぶ」の悪い意味
「類は友を呼ぶ」は「悪い人の周りには悪い人が集まる」というニュアンスで使われることがあります。
たとえば、「犯罪をする」「性格が悪い」「うそつき」といった悪い人の周りに同じような人が集まる、という意味にもなるのです。
「類は類を呼ぶ」は間違った表現
「類は類を呼ぶ」は間違った表現なので注意しましょう。
ただ、「類は類を呼び友は友を呼ぶ」という表現なら正しい表現になります。
「類は友を呼ぶ」の別表記
「類は友を呼ぶ」には以下のような別表記があります。
- 類は友を集める
- 類は類を呼び友は友を呼ぶ
- 類友(るいとも)
- 類は友を以(もっ)て集まる
- 類を以(もっ)て集まる
ちなみに「類友」は若い世代特有の言い回しで、「類は友を呼ぶ」を短縮した形です。
「類は友を呼ぶ」の使い方
- 長崎県出身の僕は、入学してすぐに、佐賀県出身の田中と福岡県出身の鈴木と仲良くなった。九州出身者でいつのまにか集まっていたが、これが類は友を呼ぶということか。
- あのテニスサークルは、大してテニスもせずに、酒やタバコに明け暮れている。新しく入会するのも、ろくでもない奴らばかりだ。類を友を呼ぶとは、よく言ったものだ。
- この会社は1年前にできたばかりだが、優秀で志が高い人間が集まっている。そして、優秀な人が会社に増えると、さらに優秀な人がうちの会社に興味を持つ。類は友を呼ぶ好循環になっていて、うれしい。
➀の例文では、同じ出身地の人が集まることについて、「類は友を呼ぶ」と表現しています。
➁の例文では、怠惰な人が同じサークルに集まることについて、「類は友を呼ぶ」を使っています。
一方、➂の例文では、志が高く、優秀な人が集まる会社について、「類は友を呼ぶ」を使用しています。
「類は友を呼ぶ」の由来
「類は友を呼ぶ」の由来は、古代中国で書かれた『易経(えききょう)』という本です。
その中の「類は友を以(もっ)て集める」という記述が、「類は友を呼ぶ」の由来になりました。
日本では江戸時代ごろから「類は友を集める」「類を以て友とす」などの形で用いられるようになりました。
これが明治時代ごろになると「類は友を呼ぶ」という現在の形で用いられるようになりました。
『易経』は当時の中国で研究されていた占いや風水に関する本です。
儒教において重要視されている本のひとつでもあります。
「類は友を呼ぶ」の類義語
「類は友を呼ぶ」には以下のような類義語があります。
- 同類相(あい)求む:同種の者同士は自然に寄り集まるということ
- 似た者夫婦:性格などがよく似ている夫婦
- 似るを友:境遇や性格が似ている人同士が親友になること
- 牛は牛連れ、馬は馬連れ:似た者同士は集まりやすいということ
- 目の寄る所へ玉も寄る:似た者同士は自然に寄り集まるということ
- 同気相求む(どうきあいもとむ):気の合う者同士は自然と寄り集まるということ
- 蓑(みの)のそばへ笠(かさ)が寄る:気が合う者同士は互いに親しみ集まる
- 蛇(じゃ)の道は蛇(へび):同類がすることは仲間ならすぐわかるということ
- 同じ穴のムジナ:一見関係ないようでも実は仲間であること
「目の寄る所へ玉も寄る」は、同類が集まることのたとえです。
目が移動する方向に、瞳も動くことからできた表現です。
「類は友を呼ぶ」の対義語
「類は友を呼ぶ」には以下のような対義語があります。
- 鶏群(けいぐん)の一鶴(いっかく):平凡な人の中に、優秀な人が一人混じっていること
- 掃き溜めに鶴(つる):つまらない人の中に、優秀な人が一人混じっていること
- 万緑叢中(ばんりょくそうちゅう)紅(こう)一点:多くのものの中に、ひとつ優れたものが混じっていること
- 同族嫌悪(どうぞくけんお):自分と似た者に対して嫌悪感を抱くこと
「鶏群の一鶴」は、鶏の群れの中に、一羽の鶴が混じっている様子が元となってできたことわざです。
「類は友を呼ぶ」の英語訳
「類は友を呼ぶ」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- Birds of a feather flock together.
(同じ羽の鳥は、一緒に集まる。) - Like attracts like.
(似た人は似た人を惹きつける。) - Great minds think alike.
(優れた考え方は、似る。)
“flock” は、「群がる」「集まる」という意味の動詞です。
“like” は、「好き」という意味の動詞で使うことが多いです。しかし、この場合は「同類」「似ている人」という意味の名詞として使用しています。
“mind” は名詞としては「心」という意味が有名ですが、「優れた知性を持つ人」という意味もあります。
そのため、 “Great minds” を直訳すると、「非常に優れた知性を持つ人」という意味になります。
「類は友を呼ぶ」の中国語
「類は友を呼ぶ」を中国語にすると以下のような表現になります。
まとめ
以上、この記事では「類は友を呼ぶ」について解説しました。
意味 | 考え方や趣味が似た者同士は気が合い、自然に集まるということ |
---|---|
由来 | 『易経(えききょう)』の「類は友を以て集める」という記述 |
類義語 | 同類相求む、似た者夫婦、似るを友など |
対義語 | 鶏群の一鶴、掃き溜めに鶴、万緑叢中紅一点など |
英語訳 | Birds of a feather flock together.(同じ羽の鳥は、一緒に集まる。) |
中国語 | 物以类聚(ピンイン:wù yǐ lèi jù) |
人は、相手が自分と何かしらの共通点を持っていると、親近感が湧きます。
また、共通の話題に繋がるため、会話が盛り上がりやすくなります。
もし仲良くなりたい人がいたら、「類は友を呼ぶ」ということわざを信じて、相手との共通点を見つけてみてはいかがでしょうか。