リスクヘッジとは「リスクを想定して、対応できる準備をすること」という意味です。
よく資産運用などでも使用する言葉ですが、意味が分からず戸惑った経験はありませんか?
そこで今回はリスクヘッジの意味や使い方を丁寧にわかりやすく解説します。
☆「リスクヘッジ」をざっくり言うと……
読み方 | リスクヘッジ |
---|---|
意味 | リスクを想定して、対応できる準備をすること |
語源 | 和製英語の“risk hedge” |
英語訳 | hedge risk avoidance hedge one’s risk など |
類義語 | リスクマネジメント クライシスマネジメント リスク管理 など |
対義語 | リスクテイク |
方法 | リスクが何か明確にする リスクが発生した場合に起こるシナリオを考える 考えたシナリオを防ぐためにできることを実行する など |
能力の高め方 | 多くの仕事を経験する 参考となる人物を発見する 他人からリスクヘッジのフィードバックを受ける など |
このページの目次
「リスクヘッジ」の意味
リスクを想定して、対応できる準備をすること
例:しっかりとリスクヘッジをしておこう。
リスクヘッジとは、「リスクを想定して、対応できる準備をすること」です。
リスクヘッジは以下のような構成になっています。
- リスク:何か悪いことが起こりうる可能性
- ヘッジ:回避すること
日々暮らしていると、よいできごとが起こる一方で、悪いできごとも起こります。
ネガティブなことが起こることを考えるのがリスクです。
そして、そのネガティブなことが起こらないよう、もしくは起こってもダメージが少なくなるように対策を取ることがヘッジです。
これら一連の動作を合わせて、リスクヘッジと言います。
たとえば、財布に10万円を入れておくと落としてしまいそうなので、ATMに預けておこうと考えるのはリスクヘッジにあたります。
こちらの例を整理すると、以下のようになります。
- リスク:落としてしまうかもしれない
- ヘッジ:ATMに預ける
ビジネスシーンでの「リスクヘッジ」の実例と考え方
ビジネスでは、企業の売上減少などのリスクを回避するためにリスクヘッジをします。
つまり、企業に損失が生じないように対策を取るのがリスクヘッジという考え方です。
他にも以下のような広範囲の対策としてリスクヘッジを使用します。
- 企業の危機や損害
- 顧客とのトラブル
また、たとえば具体的には、以下のようなリスクヘッジがあります。
- タスク管理のツールを導入する
タスクを設定することで、作業効率の低下を避ける - リマインダーを活用する
タスクの消化忘れや、遅延を防止する - 進捗状況を逐次確認する
実際の進捗状況を把握することで、遅延を防ぐ
たとえば、イベントのブッキングをしているとします。
出演者のAさんが当日来ないという事態に備えて、ピンチヒッターのBさんもイベントに呼んでおくこともリスクヘッジのひとつです。
「リスクヘッジ」の使い方
リスクヘッジは、ビジネスや金融取引について使用します。
金融面では、持っている資産の価値は上下するのが普通です。
持っている資産の価値が下がった時の対応として、分散投資などを行うことがリスクヘッジになります。
また、実際の例文には以下のようなものがあります。
- きちんとリスクヘッジを行う。
- リスクヘッジをとれば最悪の事態は免れる。
- リスクヘッジの方法をみんなで検討しよう。
- リスクヘッジを図ったので被害が最小で済んだ。
- リスクヘッジとしてドルを持っておこう。
- A社だけでなく、B社に投資することは、リスクヘッジになる。
- あえて買い増しをしてリスクヘッジをしよう。
- リスクヘッジのために、別のアイデアも考えておこう。
- リスクヘッジが不十分なので、大変なことになった。
- 経営者はリスクヘッジについて学ぶべきだ。
- リスクヘッジが甘いので、気をつけるべきだ。
「リスクヘッジをする」「リスクヘッジをとる」といった言い方をよくするので覚えておきましょう。
「リスクヘッジ」の語源
リスクヘッジの語源は和製英語の“risk hedge”です。
“risk hedge”は金融用語で、「資産価値が下がらないようにする対策」という意味です。
「リスクヘッジ」の英語訳
リスクヘッジを英語で表現すると、以下のようになります。
- hedge
(防止策) - risk avoidance
(リスクを避けること) - hedge one’s risk
(リスクヘッジを取る) - avoid a loss
(損失を避ける) - started to diversify investments
(分散投資を始める)
“risk hedge”は和製英語なので、あまり使用しません。
「リスクヘッジ」の類義語
リスクヘッジの類義語や言い換え表現には以下のようなものがあります。
- リスクマネジメント
リスクを管理すること - クライシスマネジメント
危機管理 - リスク管理
リスクを管理すること - トラブル対応
トラブルを処理すること - リスクアセスメント
リスクを評価すること
顧客のクレーム対応などは、リスクヘッジとは言わず、トラブル対応と表現します。
クライシスマネジメントは、危機による被害を最小限に食い止める対策のことを指します。
また、リスクヘッジとリスクマネジメントも似ているようで異なっています。
「リスクヘッジ」と「リスクマネジメント」の違い
リスクマネジメントは企業における危機管理を示す言葉です。
つまり、日頃から企業の活動で発生するさまざまなリスクに対して、予防策を考えて実際にトラブルが発生しても被害を最小限に抑えるようにすることです。
それに対して、リスクヘッジは、単純にリスクを回避、もしくは被害を最小限を抑えることです。
リスクマネジメントの中にリスクヘッジが位置しているイメージです。
「リスクヘッジ」の対義語
リスクヘッジの対義語には以下のようなものがあります。
- リスクテイク
リスクを取ること
リスクテイクは、リスクをあえて取ることです。
たとえば、失敗すれば多額の損失が出ると言われているような分野の起業でも、失敗を顧みずに突き進むことです。
「リスクヘッジ」の方法
実際にリスクヘッジを行う場合は、以下の3つの手順を踏むとよいとされています。
- リスクが何か明確にする
- リスクが発生した場合に起こるシナリオを考える
- 考えたシナリオを防ぐためにできることを実行する
「リスクヘッジ」の能力を高める方法
リスクヘッジの能力を高める方法としては以下のようなものがあります。
- 多くの仕事を経験する
幅広い業務の知識を獲得する - 参考となる人物を発見する
お手本となる人物から学び取る - 他人からリスクヘッジのフィードバックを受ける
物事を客観視する - 正しく因果関係を考えられる論理的思考を磨く
何が起これば、何が起こるか考えられるようにする - ひとつの視点に囚われず幅広く考える
多角的な視点で物事を見るようにする - 過去の事例から再検討する
過去の事例から原因や結果を学ぶ - 実践経験を積む
日々発生するリスクや対策を書き留めて学ぶ
「リスクヘッジ」のまとめ
以上、この記事ではリスクヘッジについて解説しました。
読み方 | リスクヘッジ |
---|---|
意味 | リスクを想定して、対応できる準備をすること |
語源 | 和製英語の“risk hedge” |
英語訳 | hedge risk avoidance hedge one’s risk など |
類義語 | リスクマネジメント クライシスマネジメント リスク管理 など |
対義語 | リスクテイク |
方法 | リスクが何か明確にする リスクが発生した場合に起こるシナリオを考える 考えたシナリオを防ぐためにできることを実行する など |
能力の高め方 | 多くの仕事を経験する 参考となる人物を発見する 他人からリスクヘッジのフィードバックを受ける など |
リスクヘッジはビジネスでもよく使う単語です。
知っていれば業務を円滑に進められますね。
ぜひ、この記事を参考にして意味や使い方を覚えましょう。