「リスクマネジメント」とは?手法や意味、BCP対策についても解説!

言葉

リスクマネジメントとは「危機や損失を最小限に抑えるための方法」という意味です。

近年企業の不祥事などが騒がれることが多くなっている中で、「リスクマネジメント」という言葉を聞く機会も増えてきています。

しかし、「リスクマネジメントって何??」となっている人も、実は多いのではないでしょうか。

今回は、リスクマネジメントの意味・使い方・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

「リスクマネジメント」の意味

リスクマネジメント

危機や損失を最小限に抑えるための方法

例:災害に備えてリスクマネジメントをしておく。

リスクマネジメントとは、危機や損失を最小限に抑えるための方法を指す言葉です。

一般的に企業や組織がリスクを回避するために行います。

組織が直面するリスクには、大きく分けて以下の2種類があるとされています。

  • 純粋リスク
    企業に損害のみを与えるリスク(火災・テロなど)
  • 投機的(とうきてき)リスク
    企業に利益と損失のどちらも与えうるリスク(金利変動・投資など)
リスクマネジメントは、どちらのリスクにおいても事前に対策をしておこうという考え方です。

リスクマネジメントは近年注目を受けており、社会的責任に関する国際規格として、以下のようなものが制定されました。

  • 2019年
    ISO26000
  • 2020年
    ISO31020(リーガルリスクマネジメント)

リスクマネジメントを行う対象として考えられる、企業を襲うリスクとしては、以下のようなものがあります。

  • 異物混入
  • 粉飾決算
  • 情報漏洩
  • 自然災害
こうしたリスクはどれも、企業の名声や財産基盤を傷つけるだけでなく、最悪の場合には倒産につながる恐れもあります。

リスクを回避するために必要な考えが、リスクマネジメントなのです。

リスクマネジメントの手法


ここからは、リスクマネジメントとの具体的な手法について解説します。

まず、実際にリスク対策を行う前に、以下のようなステップが踏まれます。

  1. リスクの特定
  2. リスクの分析
  3. リスクの評価
それぞれについて、以下で解説します。

リスクの特定

リスクの特定は、組織そのものや行っている事業に関して、そもそもどんなリスクがあるのかを明らかにする工程のことです。

ここで正確にリスクを特定できないと、これから行うリスクマネジメントが効果をなさない可能性もあるため、重要な工程です。

リスクの分析

次に、リスクの分析とは、リスクの性質について考える工程です。

ここで考えることとしては、以下のようなものがあります。

  • 特定したリスクが実際にどこで発生しそうなのか
  • そのリスクはどのくらいの大きさなのか
  • どれくらいの頻度で起きそうなのか

リスクの評価

リスクの評価とは、分析結果をもとに、どのリスクに優先的に対処すべきかどうかという、リスクマネジメントを行う上での優先順位を決定する工程のことです。

全てのリスクに対処するのがベストですが、費用や時間の関係で対処できないリスクが出てくる場合もあります。

そういった場合には、リスクの評価によって危険度が高いと判断されたリスクに対処することで、同じコストでもより効果的な対応が行えるようになるのです。

リスクへの対策

ここまでの過程を踏まえたうえで、実際にリスクへの対策を行います。

実際のリスクへの対応策としては、大きく分けて以下の2つが挙げられます。

  • リスクコントロール
  • リスクファイナンス
それぞれの方法について以下で解説します。

リスクコントロールとは

リスクコントロールとは、リスクが起きる頻度とそのリスクの大きさを、事前に抑えようとする方法のことです。

リスクが発生する恐れのある行動をそもそも取りやめたり、未然に防げるような対策を事前に講ずることによって、リスクによって発生するダメージを少しでも軽減しようとするのです。

リスクファイナンスとは

リスクファイナンスとは、リスクが現実のものとなってしまった場合に、その損失を金銭で補充できるようにする方法のことです。

資金を事前に積み立てておいたり、保険に入ったりしておくことにより、予期されたリスクが発生した場合にも金銭面でのダメージを減らすことができるのです。

「リスクマネジメント」の使い方

リスクマネジメントは、危機に対応する方法を考える際に用いる言葉です。

一般的に企業や組織がリスクに対応するための方法を考える際に使いますが、日常生活でリスクに対応する際に使っても間違いではありません。

使用例としては、以下のようなものがあります。

  1. 近年発生件数が増えている情報漏洩に対応するため、リスクマネジメントを行う。
  2. 粉飾決算が起きた場合のことを考え、リスクマネジメントを実施する。
  3. リスクマネジメントによって、損失を最小限にするよう試みる。
  4. リスクマネジメントを万全にしていなかったため、A社は昨年の金融危機で倒産してしまった。
  5. リスクマネジメントの一環として、今後大きな損失を出す恐れのあるこの事業を他社に売却しよう。
  6. リスクマネジメントのため、資金の積み立てを行っておく。
  7. データを消さないようにするために事前にバックアップをとっておくのも、立派なリスクマネジメントの方法の一つだ。
  8. 社員のリスクマネジメントへの意識を高めておくことは、企業の存続の上で重要だ。
  9. いざというときに備え、リスクマネジメントをしっかりと行っておく。
  10. 怪我や病気で動けなくなった時のことを考えて、リスクマネジメントとして保険に加入しておく。

上の例文の中で、①〜⑧はビジネスの場面におけるリスクマネジメントの使用例ですが、⑨や⑩は日常生活におけるリスクマネジメントの使い方となっています。

このように、リスクマネジメントという表現は様々な場面で使うことができます。

医療・看護におけるリスクマネジメント

リスクマネジメントがよく使われる分野として、医療や介護が挙げられます。

医療や介護の分野では、医療安全という言葉で使われることもあり、主に以下のような危機に対応する際に用いられます。

  • 医療ミス・看護ミスにより患者に障害を与えてしまう
  • 医療機器の不具合による検査ミス

介護におけるリスクマネジメント

また、介護でもリスクマネジメントはよく使われています。

介護においては、以下のような危機があります。

  • 目を離した隙に利用者さんが転んでしまった
  • 利用者が他の人の薬を飲んでしまった
  • 車いすを押したら利用者さんが転落してしまった

こうしたリスクに対して事前に準備をしておくことで、事故の発生を防ぐことができると共に、もし事故が発生した場合でも訴訟などにつながる可能性を減らすことができるのです。

「リスクマネジメント」の語源

リスクマネジメントは、「リスク」と「マネジメント」を組み合わせた言葉です。

それぞれの言葉の語源は以下の通りです。

  • リスク
    イタリア語 “riscare”
  • マネジメント
    イタリア語 “manus”

リスクの語源である “riscare” は、「勇気をもって挑戦する」という意味の言葉です。

ここからネガティブなニュアンスだけが残り、カタカナ語のリスクになりました。

また、マネジメントの語源である “manus” は、「手で扱う」「馬を馴らす」という意味の言葉です。

ここからプロジェクトや企画を扱う、管理するという意味に転じ、現在のマネジメントになりました。

「リスクマネジメント」の類義語

リスクマネジメントには以下のような類義語があります。

  • 危機管理
    問題が悪化しないように管理すること
  • リスクヘッジ
    予測されるリスクに対し、対応できる準備を整えておくこと
  • リスクアセスメント
    事業所のリスクを発見し、それを取り除くための手法
それぞれの類義語とリスクマネジメントの違いについて、以下で解説します。

危機管理とは

危機管理とは、発生した問題に対し、それがこれ以上悪化しないように管理することを指す言葉です。

クライシスマネジメントと呼ばれることもあります。

リスクマネジメントが起きうるリスクを想定して事前に対応策を考える一方、クライシスマネジメントはリスクが現実のものとなった上で、それによって発生する損害を最小限に抑えようとしているという点が異なっています。

リスクヘッジとは

リスクヘッジは、発生が予測できるリスクに対し、そのレベルを事前に考えておくと共に、対応できるような準備をしておくことを察す言葉です。

リスクマネジメントと似ていますが、リスクヘッジは主に資産運用で使われる言葉です。

リスクヘッジをとった行動としては、以下のようなものがあります。

  • 先物取引によって資産価値の下落を回避する
  • 先物取引で事前に売り注文をしておき、現物取引のリスクを回避する

リスクアセスメントとは

リスクアセスメントとは、職場や事業所のリスクを発見し、それを取り除くための手法を指す言葉です。

時代の進歩とともに、事業所などの生産現場では様々な薬品や機械が使われるようになりました。

それに伴って、かつては考えもよらなかったような危険が増えてきたのです。

新たな危機に対応するため、リスクアセスメントの重要性が叫ばれるようになりました。

BCP対策とは

リスクマネジメントを強化する方法として、近年BCP対策の重要性が謳われてきています。

BCP対策とは、企業が不測の事態に対応した際のことを想定し、普段からの防止策や緊急時にどのような行動をするかを計画することです。

BCP対策を企業が行った場合、以下のようなメリットがあります。

  • 不測の事態の中でも、企業を倒産させず存続させることができる
  • 企業の方針を事前に定めておくことで、事業を早期復旧させることができる

「リスクマネジメント」のまとめ

以上、この記事ではリスクマネジメントについて解説しました。

英語表記リスクマネジメント(risk management)
意味危機や損失を最小限に抑えるための方法
語源リスクとマネジメントの組み合わせ
類義語危機管理
BCP対策企業が不足の事態に対応した際のことを想定して、普段からの防止策や緊急時にどのような行動をするかを計画すること

リスクマネジメントは、近年注目がさらに増している言葉です。

この記事を通じて、意味や使い方をしっかりと覚えておきましょう。

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つつつ
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この道10年以上の読書家。 短い言葉で人を惹き付けるコピーが大好きです。 本の帯に書かれたコピーを見て買ってしまうこともしばしば。 読書で得た文章力を活かして、日常生活でよく使う言葉を中心に執筆しています。